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⑥企業の持つ転職者への期待

20歳代 基礎養成期
今後のビジネス人生を送っていく上で、その基礎を養成する時期です。転職するにしても、学校卒業後まだ日も浅いので第2新卒、と言われる時期。一人前と見られていない、まだ「ひよっこ」と目される。企業側からすると、潜在能力が高そうならば雇ってみようか、という程度で、さほどの期待はしていないのが正直なところです。新卒採用で入社した会社を1年で辞めて他社に転職しても、経歴上は全く問題にはなりません。
新卒で入社した会社にたいして、決定的な欠陥を感じたら、その会社をできるだけ早く辞めて、さっさと転職することをお勧めします。この時期であれば、異分野、異業種、異職種への転職も可能です。
 
決定的な欠陥で最たるものは、その会社の経営そのもののありようであり、「ガバナンス・レス」、「ノーコンプライアンス」、「組織構成員の貧弱さ」、「経営方針の方向のずれ」など、企業活動がいずれ立ち行かなくなるのではないかという兆候です。また、自分にとって、体質的・生理的に合わない社風、あるいは自分自身の成長が望めないといったことも挙げられます。
 
30歳代 基盤確立期
即戦力。「稼いでくれる」という実績。
企業側としては、期待しているパフォーマンスを上げてもらえるかどうかが重要な世代です。社会人になって数年を経ると、ある程度は高度な仕事にも取組み、責任の伴う経験もしています。また、まだ若く柔軟性もあるために凝り固まっておらず、新たなことにもチャレンジできます。
27、8歳から30歳代前半は、中途採用のニーズがもっとも高い時期となります。
採用側からみても、一定期間のビジネス経験があり、担当者として即戦力で稼いでくれる世代になります。このころから、自分なりの強みとなる領域をさらに進化させ、プロフェッショナルに近づいていくことが求められます。
 
40歳代 活動発展期
量的にも質的にも、最も多く働いて、プロフェッショナルとしての大きな成果が期待される時期です。ビジネス人生のなかで、もっとも油の乗り切った時期となります。一定の組織のリーダーとして、対外的に会社を代表する立場ともなり、非組合員の管理職として、
この時期になると、将来、自分がその企業のなかでどのような位置づけになるのか、が何となく見えてくる時期です。
しかし、一般的に35歳くらいを境に求人件数は大きく減少します。ただし、将来の幹部候補あるいはリーダークラス、または一定の専門家としての力量をもっていれば、引き合いは多くあります。
 
50歳代 影響期
その分野のリーダーとして、他の後進に影響を及ぼす時期。
自分にとっても、周囲からも、その人の仕事について、おおよその評価が定まり、その先にどのような状態になっていくのか、想像できます。
組織階層的にみると役員、部長、課長といった地位や、専門領域における技術・技能の水準、指導的な立場など、その人がその時点でどのような位置づけにあるのかが重要となります。
一般的に、この層は流動化が少ないのですが、経営層に近いマネジメント人財や高度な専門性・技術力があるプロフェッショナル人財への要請は相当数あります。