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【リサーチ】モノと体験どちらが大事? Z世代が買い物やプレゼントで重視している価値観とは

消費行動を表す言葉としてよく使用される「モノ消費」「コト消費」という言葉。実際の商品を所有することの価値を重視するのが「モノ消費」、何かを通して得られる体験を重視するのが「コト消費」と位置付けられ、最近では「トキ消費」「エモ消費」などバリエーションが増えて語られることもあります。Z世代は「体験を重視する傾向が強い」という特徴がありますが、実際の消費行動においてはどうなのでしょうか? 普段の買い物やプレゼントで何を重視しているのかをリサーチしました!

<調査対象>
15~34歳の未婚男女392人
<調査実施期間>
2023年7月12日~7月17日
<調査方法>
インターネット調査

高価なアイテム VS 貴重な体験

まずは単刀直入に、モノとコトどちらに価値を感じるのかを聞いてみました。

Q1  より価値を感じるのはどちらですか?
A:高額なアイテム / B:貴重な体験

男女とも若い世代で「B(貴重な体験)」に価値を感じる割合が高くなっています。「Bに近い」「Bに非常に近い」を合計すると、男性では30~34歳が30.3%に対して、15~19歳では47.7%。女性も同様に30~34歳が35.7%に対して、15~19歳では63.6%と大きな差が出ています。また、A(高額なアイテム)よりも体験を重視する傾向は女性のほうが高く、「Aに近い」「Aに非常に近い」の合計とBのそれを比べると、15~29歳の各層でBの合計のほうが高い数字になりました。この結果からのみだと、「Z世代は体験を重視する」という通説の裏付けられたともいえます。

しかし、それはすべてのシチュエーションで当てはまるのでしょうか? 

Q2 どちらの買い物が好きですか?
A:目的のものだけをすぐに買ってすぐ帰る/B:ぶらぶらしながら目的以外のものも買う

こちらは完全に男女で結果が割れました。A(目的のものだけをすぐに買ってすぐ帰る)の合計とB(ぶらぶらしながら目的以外のものも買う)の合計を比べると、男性はどの年齢層も「A」のほうが「B」を上回っています。一方女性は、30~34歳以外のすべての年齢層で「B」のほうが上回っています。買い物において、多くの女性が目的のものを購入するだけではない楽しみ方をしていることがわかります。

では、年齢による差に注目してみるとどうでしょうか? 男性はたしかにどの年齢も「B」より「A」の割合が多いとはいえ、15~19歳におけるBの合計は34.1%とどの年齢層よりもダントツで高くなっています(男性のBの合計:20~24歳15.9%、25~29歳18.2%、30~34歳15.2%)。買い物において目的買い以外の楽しみ方をする10代の男性が増えているといっても良いでしょう。また、女性も同様、Bの合計が最も高いのは15~19歳でなんと68.2%にのぼります(女性のBの合計:20~24歳44.0%、25~29歳39.3%、30~34歳33.9%)。ネットショッピングがこれだけ普及しても、リアルでぶらぶら買い物をする楽しみ方は健在だということがわかります。

買い物で得られる喜びについては次のような結果が出ました。

Q3 買い物でワクワクするポイントはどちらですか?
A:欲しかったものが手に入る喜び/B:知らないものに出会える喜び

世代性別問わずB(知らないものに出会える喜び)よりもA(欲しかったものが手に入る喜び)のほうがはっきりと上回っています。しかし、「B」の合計に注目すると、数字自体は少ないながらも、Z世代に当たる15~19歳、20~24歳のほうが25~29歳、30~34歳よりも高い割合になっていることが判明。しかしこの違いは単純に、年を重ねるにつれて初めて出会うものが減りいちいちワクワクしなくなるからとも考えられます。

では次は視点を買い物からプレゼントにシフトしてみましょう。

プレゼントで重視するのはコト、モノ、どちらか

Q5 プレゼントをもらう際、うれしく感じるのはどちらですか?
A:プレゼントそのものの価値/B:それを選んでくれるまでの過程

回答が見事に分散し、難しい結果となりました。A(プレゼントそのものの価値)の合計とB(それを選んでくれるまでの過程)の合計の割合を比較すると、男女15~19歳以外のすべての層で「A」のほうが高い割合に。逆に言えば男女15~19歳は「B」を重視していることになります。

Q5 誕生日プレゼントでどちらがより嬉しいですか?
A:欲しかったものをプレゼント/B:体験(旅行、パーティー、イベントなど)

続くこちらの質問では、すべての年齢層でA(欲しかったものをプレゼント)の合計がB(体験)のそれを上回りました。数字だけ見ると圧倒的に「A」に軍配が上がり、プレゼントではモノをもらうことがうれしいと感じるのが主流だということがわかります。

しかし、最も「B」の合計の割合が多いのは15~19歳の女性(37.9%)です(Bの合計:20~24歳25.8%、25~29歳25.0%、30~34歳17.9%)。Q4,Q5の結果から、Z世代でも10代、特に女性において、プレゼントでも選ぶ過程や体験などを重視している人がじわじわと増えているのでは、と考えることができるでしょう。

リサーチ結果のポイント

Z世代の「体験」にまつわる価値観について、以下にポイントをまとめました。

①    全体的に体験を重視する価値観は高まっている
②    買い物において「知らないものに出会える喜び」に価値を感じる割合は、男女とも15~19歳が最も多い
③    Z世代でも15~19歳の特に女性が、買い物でもプレゼントでも体験や過程に価値を感じている

以上のことから、Z世代でも特に10代の間で地殻変動のように価値観が「体験重視」にシフトしているのが感じられます。しかし、その割合はあくまで他の年齢層との比較にすぎず、圧倒的な傾向とは言い切れないので、今後もさまざまな観点からリサーチして動向を見ていく必要がありそうです。

電通プロモーションプラスでは、Z世代をターゲットとしたプロモーションの企画・実施やZ世代との共創のサポートをおこなっております。お気軽にお問い合わせください。

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