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「相手の大切なことを大事に受け止められるようになっていた」カップルインタビュー #1

Promenadeが主催する、夫婦・カップルの関係をはぐくむコミュニケーションを学べるワークショップ「entrée」。参加してくださったご夫婦に、ワークショップの体験を通して得られた気づきや参加後の変化についてお伺いしました。

参加のきっかけ

夫)航平さんからお誘いをいただいたのがきっかけです。今年の2月末に入籍し、4月に移住と、環境の変化が重なりました。夫婦でこれからどう付きあっていくのか、共通の認識を持っておきたいと思って参加しました。

―届けたい人たちにドンピシャです(笑)これからパートナーシップが始まる方々に向けたワークショップでもありまして。「entrée」もフランス語で「入り口」を意味しているんです。奥さまは旦那さまにお誘いされたとのことで、最初どんなふうに感じましたか?

妻)「もう参加するからね〜」と参加することが決まっていたんですが(笑)「パートナーシップとはなんだ?」と気になって、知りたい気持ちがありました。

―最初はパートナーシップという言葉自体、なんだろうという感じだったのですね。

妻)そうですね。

―entrée参加以前に、パートナーシップや関係性を育む方法について話題にあがったり、調べたりしたことはありますか?

夫)いや〜なかったと思いますね。なんとなく一緒にいた感じですね。

妻)全くないと思いますね。

―なかなか生活の中で話題に出ないよねと私たちも話していたので、このワークショップを企画したんです。参加することに抵抗感や不安な気持ちはありませんでしたか?

妻)日頃話はちゃんと聞いてくれるので、自分をさらけ出すというか、思っていることを相手に伝えるのは怖くなくて。何を言っても受け入れてくれるだろうと思っていたので、不安はなかったです。

―今の話だけでも、元々のパートナーシップの豊かさを感じますね。

ワークショップに参加してみて

―愛を伝える5つの言語(ラブランゲージ)のお話をしましたが、内容については初めて聞きましたか?

夫)初めて知りました。ワークショップ参加前にラブランゲージのタイプ診断をする必要があったと思いますが、そのタイミングでは納得感があったことは記憶しています。

妻)私もいろんなタイプがあるんだと知ることができて、ふたりですぐに共有してみると違いがあったのを記憶しています。

夫)違ったよね。お互いそれっぽいねという話をしたよね。

―そのコミュニケーションはいいですね。違いがあることを見せあったり、相手の愛情表現を知ったことで、学びや気づきはありましたか?

夫)ラブランゲージというより、ワーク全体を通してになるんですが。ワークが終わってすぐにふたりで会話したよね。

妻)うん。したした。

夫)チャリ漕ぎながらふたりで話したんですが(笑)

―いいですね。どんな話をしたんですか?

妻)どうだった?という感想のシェアから、自分が大切にしていることの共有をしあって。でもお互い薄々気づいていたこともあったりして、それを改めて言語化して伝えあった感じですね。そうだねって言いあって。

夫)その場でルールづくりまでは至らなかったんですが、チャリを漕ぎながら話していたせいか、スッキリした感じで。

―いいですね〜。

夫)そうよね〜と言いながら(笑)ふたりの間で違いがあって、妻は一緒に居たいタイプで、僕は自分の時間を大切にしたいタイプ。そんな感じしてたよ〜とふたりで話していました。

―なるほど。

夫)ワークショップの中で参加者のみなさんと対話をする時間があったんですが、そこで自分の気持ちを語る機会がありました。ワークの中で自分の大切なことに向きあったから言葉にできたし、同じワークを経験した妻の意見も尊重できたんだと思います。唐突に出てきた言葉じゃなくて、ていねいに向きあった結果出てきた言葉だったので、重みがあって納得度が高かったですね。

妻)その時に感じている感覚はその時にしか伝えられないものだなとワークショップに参加しながら感じていて。質感とともにお互いに伝えられるといいなと思っていたし、話さないともったいないという気持ちになっていましたね。

―いいですね。あの場に参加しただけではなく、その後どうだった?と対話しているのが素敵だし、うれしいです。質感とともに伝えたいというお話がありましたが、日常の会話との質感の違いをあえて言葉にするとどんな感じですか?

夫)なんだろう。質感……。なんか、相手の言葉を聞く姿勢が違う感じですね。お互いの主張がある中、ていねいに伝えないと「私との時間っていらないってこと?」と批判されたように聞こえてしまったりすると思う。あのワークでていねいに言葉にした意見なので、本当に大切なんだね、と受け取れた感じですね。

妻)受け取り方が違うというのはそうだなと思いました。日頃は言葉を交わすスピードが速い。ワークが終わった後は、自分が言いたいことを言い終わるまで聞いてくれていたなという感覚がありました。自然と言葉のキャッチボールができていた感じがあってよかったです。

夫)だから、できればパートナーと一緒に出た方がいいんじゃないかなって思いますね。

妻)うんうん。

夫)言葉の受け取り方が変わってくるのがミソだと思うんですよね。どちらか一方だけが参加していると、自分の中では大切なことが研ぎ澄まされていくんだけど、相手はそれを知らないし、伝えようとしても伝わらない、受け取ってもらえないということが発生するかもしれないですよね。

妻)今回、私自身は、同じ時間を共有したいという思いが強くあることが理解できました。なので私としては、このワークに一緒に参加すること自体が心の満たされる体験で。同じ時間や質感を共有できて、共通の記憶があるから、あの時あの話をしたよねと立ち戻れるので、ふたりで参加することでより意味のある時間になるんじゃないかなってすごく感じます。

―共通の記憶に立ち戻れるのはすごくいいですね。

夫)人によってはパートナーと一緒に参加することに恥ずかしさや抵抗がある方もいるかもしれないですね。まずはひとりで参加して、その後誘ってみるというのもあっていいと思います。

参加後の変化

―ワークショップから3か月ほど経って、どんな変化がありますか?

夫)明確にルールを設けてはいないんですが、自然と相手の気持ちに配慮することはできているのかなと思っていて。ふたりで一緒にいたい/ソロプレイをしたい、それぞれのニーズを満たせるような時間の使い方ができているなと感じています。例えば、ふたりで温泉に行ってお互いリフレッシュしてから合流するとか、夜カフェに行ってそれぞれ別の本を読んで、帰り道で感想をシェアするとか。一緒に過ごしながらもそれぞれの世界に浸る楽しみ方が前より増えた感じがします。増えたよね?

妻)うん、増えた。この問いをもらった瞬間、よく温泉に行くようになったな〜と思いました。

夫)そういえば、買い物に行ったときにふらっとひとりで別のところに見に行っても怒られなくなりましたね(笑)行っといで〜という感じで。

―それは何が起きているんですか?

妻)う〜ん。何が起きているんだろう。

夫)僕としては自分の性質をわかってくれて、許容されている感じがありますね。真相はわからないですけど。

妻)そうかもしれないですね(笑)

―聞いていて思ったのは、自分のラブタンク* が満たされているからこそ、相手のラブタンクも満たしてあげたいというか。いい循環が起こっているのかもしれないなと感じました。満たされていないと「なんで?」となってしまうけど、満たされていると許容できる範囲が広がる感じもあるのかなぁと。
*ラブタンク:誰しもの心の内側にある、感じた愛情をためる器のようなもの

妻)あ〜なるほど。確かにあるかも知れないですね。

―それで「ひとりの時間も怒られない、うれしい〜」となると、また一緒の時間を過ごして相手の欲求も満たしてあげようと。さらにそのサイクルが回る感じもありそうですね。

これから

―今後おふたりでどんな関係性をつくっていきたいか、想いをお聞かせいただけますか?

夫)恥ずかしいですが言葉にしてみると、より意識していきたいことは、家族の幸せの総和です。どちらかが我慢するのではなく、ふたりの幸せを意識したいと思っています。我慢していることなどはお互い発散できるような関係にしていきたいですね。

妻)今の関係性がずっと続けばいいなとただただ願っています。今大きな不満がなく、思ったことは多分言いあえていると思うので、続けられるようにお互い意識しながら想いあえたらいいなと思っています。

これから参加する方へのメッセージ

夫)結婚や転職、妊娠、引っ越しなど、人生の変化のあるタイミングにある人にはおすすめです。さっき言葉にした幸せの総和が気づかぬうちに減っちゃっていることってあると思うんです。なので、そのタイミングにいる人たちが参加すると、変化をカバーするためのきっかけが見つけやすくなるかもしれないと思います。

妻)思ったことを夫がすべて言葉にしてくれた感じなのですが、定期的に向きあう機会を取ることが大切だと思っています。タイミングによって考えが変わっていきますが、こういったワークショップがあると立ち戻るきっかけになると思います。

―ありがとうございます。

編集後記

ワークショップ後も対話の機会を持ち続けているおふたりのお話をお伺いしました。お互いの話をやさしいまなざしで受け止めあっていた様子に、おふたりのパートナーシップから温かみのある信頼感を感じました。

今回のワークショップを通じて、忙しい日常の中で少しだけ立ち止まり、日々刻々と変化するふたりの関係性を振り返る機会をご提供できていれば幸いです。ありがとうございました!


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