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第41回 わんにゃんパワーを侮るなかれ!心理学実験でも明らかにされた動物のエネルギー♡前編

 私のこの『note』を読んでくださっている方の中で、ペット(家庭動物)を飼っている方はいらっしゃいますか?

私は猫との暮らし(二匹に渡ります)を始めて、早25年になります。子どもの頃は、母の実家と自宅で犬を飼っていましたが、この時は室内飼いではなかったため、今思えば「ともに暮らしている」という感覚とは少し違いましたね。まさに日本的番犬扱いで、愛玩動物とは決して言えなかった。

今思い出すと、少し切なくなってしまいます。我が家は中型の紀州犬を飼っていたのですが、私が子どもの頃は、普通にあちこちの家の玄関先に犬が鎖で繫がれてました。そのような状況ですから、犬は鎖の長さの範囲でしか動くことができず、その姿は決して“家族の一員”と呼べるようなものではありませんでした。我が家も然り…もちろん私なりに可愛がってはいたつもりですが、犬は果たしてどうだったのでしょうね。幸せだったのでしょうか。

このような日本の家庭で普通に見られた犬に対する扱いが、イギリスの新聞で「日本には動物愛護に関する法律がなく、犬が虐待されている」と批判されたことが発端となって、昭和48(1973)年に『動物の保護及び管理に関する法律』が制定されました。

人間生活と関わりの深い動物には主に三種類あり、それは「愛玩動物」と「経済動物」と「使役動物」です。「愛玩動物」とはご存じの通りペットのこと、「経済動物」とは家畜のことで、「使役動物」とは盲導犬や介助犬、猟犬のように人間の作業のために使われる動物のことです。平成11(1999)年には『動物の愛護及び管理に関する法律』名称が変更され、ひとと動物のより良い関係づくりを進め、生命尊重や友愛等の情操面の豊かさを実現していくということを目指す内容になりました。

「動物の愛護」とは、動物の習性などに配慮すること、また愛情や優しさを持って取り扱うことであり、その習性などに十分配慮した適正な飼養を行うということです。人間同士だけではなく、人間と動物の間にもきちんと『愛着』は育まれるわけで、むしろややこしい人間様とよりも、動物との方が強い絆、喜びと安らぎ、慰めや癒しを感じることができたりするものです。

2015年に麻布大学の準教授である永澤先生のチームによって証明されたのがこちら。愛情の証である脳内物質“オキシトシン”は、赤ちゃんと母親や、恋人同士が見つめ合ったりふれ合ったりという愛着行動を行った時に、中脳辺縁系から分泌されるということが分かっていますが、犬とその飼い主が30分程度ふれ合い見つめ合った後、飼い主の尿中の”オキシトシン”が増加したということ。

私達日本人はなかなか自分の感情を表に出せず、誰にも悩みを打ち明けられなかったり、人の気持ちを汲みすぎて自分の思いを抑え込んでしまったりすることも多いかと。そのため飼っている動物が傍らにいて、じっと話を聞いてくれたり、もの問いたげな目でこちらを見つめてくれたりすると、その動物との会話で自己開示ができたりするものです。加えて動物は私達を評価せず、無条件に肯定し全面的に受容してくれますよね。

後編は、1991年のアレンらによる心理学実験を参考にして、友達といることと動物といることでは、どちらがストレスであるのか…ということについて書いてみようと思います。

To be continued.