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<Project MINT Luminary Talk! vol.4~ゲスト片山晴菜さん~>開催しました! #イベントレポ

 7月17日(土)、世界最難関・最先端と言われる高等教育機関、米国のミネルバ大学の4年生大学を2021年に卒業したばかりの片山晴菜さんをゲストにお招きし<Project MINT Luminary Talk! >が行われました。

 今回は、Project MINT創設者であり、ミネルバ大学大学院の日本人初の卒業生でもある植山がモデレートの上、ずば抜けた知的好奇心と探究心を持つ学生が集まり、毎回"脳の筋トレ"をさせる授業を展開するミネルバ大学での学びを共に振り返っていきました。

 片山さんがどのようなことを得て経験し、実際学んでみてどう感じていたのか、じっくりと対話をしていきました。

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 まずは片山さんから自己紹介があり、植山から片山さんとの出会いについて話がありました。

そして、パネルトークへ。


- 世界7都市を巡り、幅広い視野を身に着けた今、卒業してどんな風に世界を見ていますか?

片山さん:ミネルバに入った当初は、行動するときの範囲として国の名前を挙げていたのですが、それが徐々に「個」になったことが印象的です。どこに住みたいだろうと考えていも、あまりこだわりがなく、今までの経験からどこでも住めると感じています。それよりも自分自身が何をしたいのか、が大事だと感じています。同期のノルウェー出身の友達は卒業後は大手企業のオファーを断って起業するんですが、彼女は「安定が怖い」と言っていました。不安定さを受け入れて習慣化ができるんだ、と感じました。

植山:どこに属しているのか、を考えていますが、ミネルバは多様性に溢れているので、変化しかないですよね。その過程を経て、「自分が何をするのか」に価値の軸が変わったんですね。不安定さを楽しむ習慣を作らされる、とでも言いますか。


- ミネルバの授業は”脳の筋トレ”させられますよね(笑)どのような授業だったのでしょう?

片山さん:ミネルバの授業は、構造化されている部分と不安定な部分、両方があると思います。構造化されてる部分としては、1年生の間は、”HC”といって認知機能を体系化された授業しか履修できず、そこから学年が上がるにつれ好きな科目が取れるようになります。また、HCは4年まで常に使っていくものでして、卒論でどのHCを使ったのか書かなければいけなかったりします。さらにこのHCの科目に関して特徴的なのは、卒業して初めて1年生から今までの成績(A、B…)をもらえるんです。また、このHCはずっと繰り返し使っているので、常に筋トレしている状態です。
 不安定な部分としては、ディスカッションがメインということです。HCやラーニングアウトカムを応用していく授業ばかりなので偶発性があるのが面白いですが、逆にテストがない代わりに授業を録画されており、そこですべての評価がつくので常に緊張感がある授業でした。

植山:HCは日本語で「思考習慣」という言葉だと思うのですが、ミネルバのプログラムは、この思考習慣を意識的に繰り返し使っていくことで無意識的に使えるようにしていく、とても計算されたプログラムだと思っています。私も大学院で初めて受けたときに、事前課題も膨大にありつつ、アクティブラーニングの授業はとても辛く感じたことをよく覚えています(笑)片山さんは、高校生はUWCで過ごしていましたが、そこでの学びとは違いますか?

片山さん:全く違いましたね。ミネルバは構造化されていますし、オンラインが私にとても合っていたということもあるかと思います。生徒の発言時間が先生に分かるようになっていますので、集中力が続きにくいと自覚している私にはこの緊張感がとても良かったんだと思います。あとミネルバ生としては、「なんとかなるさ」というマインドセットや、また授業と並行してインターンシップも行うことから主体性、またある程度の無鉄砲さも必要かと思います。短期間で移動し、知らない土地で新たに関係性を築いていくことになりますので。


- ずば抜けた知的好奇心と探究心をもつミネルバ大生に囲まれ、楽しい反面、プレッシャーもあったのでは?

片山さん:人によって様々かと思いますが、確かにストレスを感じる面は多々あると思います。やはり慣れたところで引っ越しがありますので、そこでストレスを感じている友達も実際にいました。幸いにも私はストレス耐性が強い方なので、あまり感じていませんでした。

植山:学部生は寮で共同生活を送るので、お互いにサポートしやすい環境があったり、絆も強くなったりしましたか?

片山さん:強くなりましたね。6か国を旅しながら学ぶこと自体がなかなかできない経験だ思いますし、それを一緒に経験できた友達の存在は貴重ですね。


- 4年間で、最も印象に残った(転機になった)シーンは何ですか?

片山さん:振り返りになってしまいますが、滞在した町の違いが印象深いですね。サンフランシスコ、ベルリン、ブエノスアイレスなど、対照的な街のようすや人々の暮らしの様子を肌で感じ、2言論的に自分はどっちで生きたいんだろうと考えていました。しかし、良いところを吸収し、足りないところは自分で創っていけばいいと考えるようになり、まさに「個」にフォーカスができました。

植山:全く違うカルチャーを体験して、自分はどうしたらいいのか、これは私自身の組み合わせでアウトプットしていくということを習得したことが素晴らしいですね。ミネルバ生の卒業後の進路はどのようになっているのですか?

片山さん:サンフランシスコ、NYが多いと感じています。スタートアップ企業への就職が多いからだと思います。


- 普通の大学ではなくミネルバで学んだからこそ、変わったことはありますか?

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片山さん:自分が経験していないことを仮定しないようにしているのですが、それを念頭に置いた上でミネルバではないところへ進学した前提で話しますと、、、コロナ禍で学び方がガラリと変わったためにいつも通りの学びができなかった大学が多くあったと聞きましたが、ミネルバはコロナ禍でも変化はなくいつも通りでした。それは、やはり今の時代に合った学びのコンテンツや学び方の設定をしているからだと思います。時代は変わっていくので、それに先駆けて変わりニューノーマルになる、と考えるのがミネルバならではと感じています。

植山:確かにそうですね。環境に適応するというという部分でもミネルバだからこそ、ですね。

片山さん:ともえさんはミネルバの大学院で学ばれて、いかがですか?

植山:他の大学院は何を学ぶのかはっきりしていますよね。私は元々教育に興味があったので、教育大学院とミネルバで迷っていました。しかし、ミネルバで思考習慣を学び、もっと広い視野で物事を考えることができました。それが現在のProject MINTにつながっています。幅広い見方を養えたのが大きかったですね。

片山さん:HCと関連するところで、他に日常で役立つミネルバでの学びはありますでしょうか?

植山:Project MINTでは思考習慣についてフェローについてファシリテートしていますが、その中で一番大事なのはシステム思考だと感じています。この考え方により人の意見に左右されることがなくなりましたね。システム思考を一人でも多くの大人に学んで頂けると世の中が良くなる、と思って活動しています。

片山さん:以前ポストイットを用いたアイデア出しで、「なぜその考えに至ったのか」、そのアイディアの背景にある考えや価値観を共有した上で、さらに新しいアイディアを創っていったのですが、それを思い出しました。

植山:まさにミネルバでのシステム思考の複雑系の授業では、最後は自己認識にたどり着くんですよね。事前課題のTED動画でも「自分も含め、いかに一人一人の背景や価値観を感じ取っていくか、それを理解して謙虚でいることが大事である」と話していたんです。これにとても感動したんです。いかに自分の思い込みを理解し、新しい考えを学び続けることが大事なのかを腹落ちしたことが一番の学びです。


- これから、晴菜さんが目指すものは?

片山さん:直近は神経科学の大学院へ進学し、性機能障害と掛け合わせて何かできないか研究をしていく予定です。これはミネルバ在学時にもセックステックに関する活動をしていたということもありますが、なぜこれをやるのかというと、今までこの分野はタブーだったから、という点があります。自分自身も、社会からも価値観を押し付けられてきた窮屈な分野なのではないか、と感じています。同じような状況に陥っている分野は他にも色々ありますが、ここを再定義して新たな視点を提供する活動をしていきたいと考えている。一方で変化する環境に適応しながら、自分自身に引き寄せていく、ことも大事にしていきたいと思っています。

植山:この分野にいきついた原体験はあるのでしょうか?

片山さん:自分を肯定する行為はしてきた認識があるのですが、この分野に関しては自分の意思表示が上手くできなかったり、曖昧を美徳としてしまう自分がいた、ということがあります。また、周りと日常的に話すトピックではないからこそ、市場もニーズも大きい分野ですし、まだまだソリューションが消費者に届いていないと感じています。

植山:曖昧を美徳にしてしまう日本的文化背景が影響しているのかもしれませんね。


- 参加者にメッセージはありますか?

片山さん:当たり前がない大学、今までの教育の在り方がポテンシャルを閉じ込めてきた部分があると感じています。ミネルバで学んだことを還元することは、今までの通説や当たり前を再定義すること、だと感じています。それを皆さんと一緒にできたら嬉しいです。

続く参加者との対話では、このような質問が上がりました。

「地方から世界を目指す高校生、保護者にアドバイスできることがあれば、教えてください。」
「『再定義する』お話に、大変刺激を受けました。この姿勢は、ミネルバ入学前からもたれていたものですか。入学後、加速、進化したのでしょうか。」
「ミネルバ大学の学び、様々な都市での体験を経て”日本”や”日本人としてのアイデンティティーか?」


片山さん、ご参加いただきました皆様、貴重なお時間をありがとうございました!

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