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MINTはしがらみがないフラットな関係を築ける場所、学びを最大化できるセイフティゾーン #3期生インタビュー

今月インパクトデーを迎え、プログラムを卒業した第3期生。

なぜプログラムに参加を決めたのか、実際にに参加してみて実感していることや、これから目指していくことなど、プログラムを終えた直後の率直な気持ちを聞いてみました。

今回は、長年勤めた広告代理店を早期退職をし、現在個人で事業展開をしようと準備をされている川井美奈子さんです。

詳しく伺っていきましょう!

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川井美奈子(かわい みなこ)
新卒以来長く務めた広告代理店を昨年末早期退職し、パーパスを通じて社会と関わるべく活動を開始。屋号は、Bela Ĝardeno ベラ ジャルデーノ、エスペラント語で、美しい庭園という意味です。
各地のそれぞれの美しい営みを応援する仕事をしたいと模索しています。
また、食と農への関わり方を探索する中で、食物など有用植物を育てる際に拡張生態系を創造していく「共生農法」と、地続きの、一人一人の健康を大事にするために、食を通して地球の土を改良していく「シンバイオティクス」に出会って熱くなっているところです。


ーMINTこそが今の私に最適な学び

ーーミントへ興味を持ったきっかけは何でしょうか?

 当時、早期退職しライフシフトした仲間が集って様々な情報交換をしていたんですが、そこで実際にProject MINTのプログラムを第2期生として受講した方が、第3期開講に向けた説明会の紹介をしてくださったことがきっかけです。初めてMINTの存在を知り、興味を持ちまして、しかもちょうど3期生の募集締め切り間近のタイミングでしたので、とりあえず参加してみました。


ーー実際に説明会に参加してみていかがでしたか?

 説明してくださっていた智恵さんのポジティブな熱量をとても感じました。私がプログラムに興味・関心を向けていたからか、背中を押していただけるような言葉がけを沢山頂き、参加を決心しました。自身で明確に認識はしていませんでしたが、当時の私自身のニーズとMINTが合致していたんだと思います。


ーーMINTのどのような部分が合致したのでしょうか?

 私を含め勤務先を早期退職したメンバーは、それぞれが事業主となって事業を展開していく立場なのですが、元々は企業に雇われていましたので、「今から自らでやっていきます」と皆が自信をもってスムーズに歩みを進められる訳ではないんですよね。そのために何か資格を取ったり学びを深めている現状です。私自身もまさに自分に適しているものを探している状況の中で、MINTこそが私に最適な学びだったのだと感じています。「これから何を目的に、どのような事業を展開していくのか」、深掘りをしていく過程で「MINTでの学びが強力な助けになりそうだ」と直感したことを覚えています。
 また、当時大学院にも魅力を感じていたのですが、研究課題や研究方法を自分で持ち込まなくてはならない状況に躊躇していました。それに対し、MINTは学びたい・探求したい志があれば参加できますし、学びながら自身の課題を深掘りし、自分自身を見つめながら課題解決に向けてのアプローチの仕方を皆で身に着けたい、と感じました。


ーーなるほど。自己探究や課題解決への手法に魅力を感じたんですね。

 はい、それに加えて、MINT参加以前から漠然とした自分のパーパスを感じていたものの、それを具体的に進めるものとして把握し、実際に実現に向けて歩む方法も学びたいと感じました。
 実は、私のパーパスの根底はずっと変わっていないんです。現代社会において資本主義が限界を迎えていることに随分前から違和感を感じていました。学生時代や就職時にも、大資本にお金が集まってしまうことでなおざりになってしまうものがある、ということにとても興味がありました。当時は、自分が仕事として携わる広告業界でそれに関することが出来ればいいと思ったんですが、やはりそう簡単にはいかないんですよね。やはり大企業に勤めているとそれを進める側になってしまいます。自身の感じている課題感から、実際に勤務先のメンバーでNPO法人を立ち上げると退職をした方もいたんですが、その時は「どうやって生活していくんだろう」と他人事の様に見守るしか出来ませんでした。しかし、資本主義システムから降りて、世の中をそこからシフトさせる活動をしたいと考えて続けていました。積もり積もってた想いがあったんだと思います。

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ーー資本主義からシフトさせる活動とは、どのようなものなのでしょうか?

 今までは都会などお金が集まるところで私自身も生活をしていたんですが、そことは反対に人が少なくなっている場所にまずは寄っていきたいと考えています。素朴なものだけど人間の知によって受け継がれているもの、自然との付き合い方、また、藁ぶき屋根に象徴されるような人と人との営みによるものこそ綺麗だな、と感じています。MINTと出会った頃は、イメージはあるものの、「そこにどうやって私自身が関わっていくか?」、手の付け方が分からず、言語化ができないといった状況でした。


ーー当時不安を感じて踏み出せなかったとのことですが、早期退職してこの様な活動をしていく、という大きな一歩を踏み出せたのはなぜでしょうか?

 先程お話した様に今まで蓄積されていた想いがあったということ、実際に旅をしたときにそのようなものにワクワクを感じる自分を認識したこと、さらに早期退職の条件が良かったというのもあります。退職後も、勤務先から個人で事業展開する際に手厚いサポートがあり、「この機会を使わない手はない」と一歩踏み出しました。
 退職することはとても大きな決断でしたが、この決断を将来の自分がどう感じるのか考えてみると、今までの生活と引き換えに目を向けずに来てしまった部分に興味が湧いた、といった感じです。ですので、具体的にどのような事業をやろうという計画があったわけではなく、今まさに走りながら考えています。

ーフラットな関係で学びを最大化できるセイフティゾーン

ーーそもそもご自身がやりたい活動に興味がいくきっかけは何かあったのでしょうか?

 そうですね、2020年はなんだかそういう年だったんですが(笑)、元々エコツーリズム、アグリツーリズムなどに興味があり情報収集をしたり、時間を見つけて小さな旅に出てみたりしていました。そのなかで今後のことも考えると、私個人での活動が大切だと感じていましたし、実際に行っててみることで、誰かが継承しないと存続できなくなるかもしれないものに触れてワクワクする自分を認識したり、、、元々私自身の中にあったのだと思いますが、それが顕在化したタイミングでした。


ーーなるほど。ご自身の興味が顕在化したタイミングでMINTに出会ったんですね。プログラム参加の決め手はなんでしたか?

 まずは、自分の日常のコミュニティ外だった、いう点がとても大事でした。今まで帰属していた会社や同じ時期に退社したメンバーのコミュニティでも似たような学びの機会はあったのですが、それまでの日常の文脈を共有したメンバーですと発想が大きく転じにくいのを感じていました。ですので、今までのしがらみがないフラットな関係を築ける場所、学びを最大化できるセイフティゾーンとでもいいますか、そのような場所で学びたいと感じました。また、コミュニティの規模が適度だったことも決め手となりました。


ーーでは、実際に受講してみて一番の学びはなんでしょうか?

 厄介な社会課題にもパーパスをもって人を巻き込みながら取り組みようがある、ということです。
 これは、インパクトデーで来ていただいたゲストの存在が大きかったです。今まで、企業で働かれていた方に資本主義崩壊の話をしても理解してもらえないことが多々ありました。つまり、私が取り組みたい活動を本音で話せる方がいなかったのですが、インパクトデーでこのテーマで発表をした時に、ゲストの方から「これは随分前から言われていることなので、とにかく具体的な一歩を踏み出してみましょう」、「本当になかなか解決しない問題なだと私も感じています」といったコメントを頂くことが出来ました。それぞれの立場で既に取り組まれている方がいる、ということを知ることができて大変勇気を頂きました
 また、MINTのプログラム”Mastery of Wisdom”での学びの過程で、社会的な根深い厄介な問題にチャレンジしている方は当然ながら大勢いて、私もその一員であると認識をすることができたことも大きな収穫でした。

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(インパクトデーの様子)

ーー今後ご自身で取り組んでいきたい厄介な問題は、具体的にどのようなものでしょうか?

 まだ上手く言葉で表すのが難しいのですが、、、「農」に関して新しいシステムを創りたいと考えています。現行の「農業」という形で農産物を手にすることは今の資本主義経済システムに寄与することになってしまいます。安く手に入れようとすると、志ある農産物が埋もれてしまい、持続性に欠けるものばかりが供給される状態です。そうではなく、生産者の生活面を含め、作物の生産などあらゆる面で持続可能性がありつつ、地球や自分に健康がもたらされるものが口に入るようなシステムを創りたいと考えています。
 これはあまりにも日常にとけこんでいるシステムですので、疑問を持っていない方も多いと思います。その分とても厄介な根深い問題です。ここに変化を起こすことはとても難しいことですが、「既存のシステムに徐々に変化を起こしつつ、気付いたら新しいシステムが浸透している」、そんな状態を目指しています。


ーーミント全体を通じて学んだこと、得たことはなんでしょうか?


 「自分のパーパスは内省を通じたり人の助けを借りて見つけ出すことができる」、そして「パーパスは力強い自分の原動力となり、変わっていくこともある」、ということです。また、先程もお話したように、社会課題解決へのアプローチは世界でもトライ&エラーで進んでおり、誰か偉い人ならうまくやれるというわけでなく、厄介な問題に自分でも取り組みようがあると認識できたことは大きな学びとなりました。

ーー自分に問いかける内省をする習慣がミントでするようになり、コンフォートゾーンを、超えるという経験をされたとお聞きしました。コンフォートゾーンを越えることは年齢を重ねていくにつれ難易度が上がってくると思うのですが、どう向き合っていきましたか?

 もはやどれがコンフォートゾーンを超えた体験だったか分からなくなりましたが(笑)、仕事を続けていた自分は非常に保守化していて、気付いたら不本意ながら挑戦しない方を選択して小さくなっていました。MINTのコーチングを利用して本来やりたいこと、とどまっている自分、の会話を繰り返すことで超えられたのかもしれません。
 MINTのコーチングでは、「自分が本当に何をやりたいのか?」「今日もチャレンジできていたか?」と、ある意味強制的に内省できる機会を頂いたので、その問いが自分の中にいつも居る状態を味わうことが出来ました。普段じっくりと自分に向き合う時間がなかったり、パラダイムのようにそもそも避けてしまっていたり、、、これはとても大きな経験でした。
 また、「目の前の大事な課題にフリーズして取り組めなくなる」癖があって困っている、とプログラム受講期間中にMINT以外でもコーチングを受けたところ、「やらなくてはならない」と捉えず「私の好きにできる」「私が自分のために選択できる」と捉えるアドバイス頂き気持ちが変わった、ということもありました。


ー一歩踏み出したからこそ広がった繋がり

ーープログラムを経て、ご自身に変化はありましたでしょうか?

 インパクトデーであるゲストに「農は、生活の一部ですので、身近に取り組まれると良い」とフィードバックをいただき、「都心では農を生活の近くに取り込むのが難しいから一歩目を相談しているのに」とつぶやきつつ、身近な取り組みを愚直に始めたら広がりが出てきました。「ベスト」なものでないものに時間を費やすのは危険でしたが、ベターなものにすぐ出会うことができました。


ーー身近な取り組みとは、具体的にどのような取り組みでしょうか?

 実家近くの農家さんを訪ねてみたり、子どものクラスメートで農家の方に連絡してみたり、農体験を提供している古民家カフェを訪ねたりしました。北海道で茅葺きチセを建てるお手伝いなどコロナで行かれていないものも数々あり試行錯誤の真っ最中ですが、まずはプロトタイプとして一歩目を踏み出そうという想いからでした。結果、自宅から車で40分くらいの場所に小さな畑を借りて種蒔きを始めました。さらに、ゲストの方にもご紹介いただいた私自身が実践したいと考えている農法を受け入れてくれそうな農園をお尋ねすることができ、そこを運営をされている農家の方とこれから先に繋がりそうな有意義な意見交換をすることができました。一歩を踏み出したからこそ繋がりが広がっています。
 今はまだ参加する側ですが、この活動を続けていくことでいつか自分が仕掛ける側になれたら嬉しいですね。将来的には、農の事業を始めたいです。7月くらいから意識を具体化して、周りにも訴えているつもりなんですが、まだまだ足踏みしている感じが歯痒いですが、いつかこの足踏みがさらなる一歩につながることを信じて地道に活動を続けていきます。


ーー改めて、川井さんのパーパス、ビジョン、ミッションをお聞かせ願えますか?

 実は直近の様々な活動を経て、パーパスが揺れている状態なんです。今までは、「各地の美しいそれぞれの営みを応援する」というパーパスだったんですが、「応援」という部分に引っ掛かりを感じています。当初は自分が農園を持ったり、農家になることは考えていなかったのでこの言葉を選んだのですが、今は「自分が主体なのに応援でいいのだろうか」「いっそ応援のプロになればいいのか」などと違和感を感じています。そこで「命を育む農あふれる日々づくり」というパーパスも出てきたのですが、しかし、まだまだ参加する側で主体的にどうすればいいのか分かっていない部分もありますし、、、これから活動を続けることで見えてくるものがあるのかもしれません。
 ビジョンは、「土と生活が遠くなってしまった都市部でも、人が減っている農村部でも、環境に負荷をかけすぎない方法で有用植物を育てることを人々が享受できるようになっている」です。有用植物とは、食べ物のほかに繊維として使うもの、例えば麻や竹など含めて考えています。
 ミッションとしては、「一人でも多くの人が生物多様環境で農に関わる体験を楽しんだり安全な食を当たり前に享受できるような農園を大都市部にも地方にも、アメリカにもつくる」です。現在、素敵なテーブルウェアを創られている方と、埼玉の敷地でファームレストランを開きたいといった話もしています。


ーー最後に一言お願いします!

 MINTには「5歳児の好奇心、17歳の野心、82歳の品格、をもつ」というクレドがあります。5歳児の好奇心は、プログラム中充分に発揮させて頂きました。さらに、これからは17歳の野心を思い出しつつ、勿論人についてきてもらうには品格も大事ですので、この3つを常に胸に抱きつつ活動を続けていきたいと思います。

Fin.


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