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~自分のポテンシャルを最大限に伸ばしたい~ #インタビュー 黒田垂歩vol.2

Project M'INTでの学びを経て、黒田さんはついに最終ステップである複業を開始します。何のために複業をするのか?黒田さんの目指すこれからの世界とは?

早速伺っていきましょう!
(Project M'INTでの学びにつきましては、vol.1をご覧ください)

ー思考が変わり、世界が広がる

ーーProject M’INTでは、フェローがそれぞれに決めた長期ゴール・ライフテーマを深堀りして分析するのですよね。

そうですね。私は「日本のライフサイエンス・エコシステム」を深堀りしました。私は子供の頃からライフサイエンスをこよなく愛していましたし、またこの領域で研究者をしていたことから今でも愛すべき研究者仲間が沢山います。日本のライフサイエンスのレベルは、ノーベル賞受賞者の数や日本発の薬の多さが示すように、世界的にも非常に高いレベルにあるんですね。しかし残念ながら近年、ライフサイエンスにおける日本の存在感は下がっていくばかりなんですよ。対極的に、私が留学していたボストンではライフサイエンスがものすごく盛んですが、これはなぜかというとエコシステムがうまく機能したおかげなんですね。なので、どうにかして日本のイノベーション・エコシステムを盛り上げて日本のライフサイエンスを再興させたいと強く思っています。

ーー長期ゴールの深堀りの際、具体的にどのようにProject M’INTの学びが活きましたか?

M’INTで学んだシステム思考のアプローチが活かされました。日本のライフサイエンスの問題点を探すといろいろ見つかるんですね。例えば、研究者が実用的な研究をしていないとか、起業家の数が少ないとか、はたまた政府が提供する研究費が少ないとか。ではそのうちのどれか一つに対策を打てば解決するのかというと、そんなに簡単ではないのです。なぜならこれは、多くの団体や組織が関わる「システム」の問題だからです。だから、研究者とか政府といったの個々の問題であると同時に、全体の関係性の問題でもあるんですね。「木を見て、森も見る」必要性です。

コメント 2020-06-17 220951


ーーProject M’INTで学ぶ思考習慣がそのように役立つのですね。次に、Project M’INTの特徴の1つである複業について伺えますか?

自分の長期ゴールを考慮すると、複業先は投資家であるベンチャーキャピタル(VC)がいいかなと考えていたんです。VCというのは、投資を通してスタートアップ企業を育て自立へ導くという、ライフサイエンス・エコシステムの中でも非常に重要な役割を持っているのです。これまでの私のキャリアの中で、大学、研究者、大企業は経験しているので、更にVCも経験できればエコシステムの理解がより深まるなと。
この考えをProject M’INT創始者の植山智恵さんにコーチング中に伝えたところ、Fresco CapitalのGeneral Partnerである鈴木絵里子さんとお会いする場をセットアップして下さいました。そこで鈴木さんと私はお互いのビジョンに共感し合いましたので、Fresco Capitalで複業をさせていただけることとなりました。

ーー複業先としてVCで実際に働いてみてどうですか?

現在はVCの業務を手伝わせてもらいながら、自分の新しい世界が拡がっていくのを感じています。Project M’INTの複業では、フェローはインターンのように複業先から学ぶばかりではなく、これまでのキャリアで身につけたノウハウや人脈をメンターとして積極的に提供することでWin-Winな関係を目指します。M’INTの由来、Mentor with Intern’s mindsetですね。実際、私の人脈を提供することで実現した成果として、Venture Café Tokyoの「次世代のヘルスケア」に関するセッションでの共演が実現しました。

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左:黒田 垂歩 氏、右:鈴木 絵里子 氏(Fresco Capital)、下:宇佐美 克明 氏(Digital Garage)

ーー複業先でもその他の場でもご活躍されていますが、本業に支障はないのでしょうか?

Project M'INTやアライアンスに時間を割いている分、時間のやり繰りが大変な時もありますが、なんだかこの歳で新たな成長期を迎えているようで(笑)毎日が充実しています。また、ビジョンをしっかり持つことで本業に対してもその意味が再定義できた感じで、より熱心に取り組めていますね。相乗効果は確実にあります。

ーーProject M'INTを通じて、黒田さんの世界がどんどん広がっていますね!

それはとても実感しています。複業先のFresco CapitalではImpact Partnerという肩書きをもらいまして、これからより密接にVC業務に関わらせていただく予定です。また、複業とは別に、4月に行われた成果発表会を聞きに来てくださったForbes JAPANの方からご依頼をいただいて、「IT x 新型コロナの取り組み」について寄稿させていただきました。エコシステムを作っていく人間としては、世間に対する発信力が必要だと感じていたので、このように情報発信をする機会をいただく事はとても大切だと感じています。更に自らの自助努力として、効果的なプレゼンテーション、話し方のトレーニング、聞き上手になる練習など、自身のポテンシャルを最大限に伸ばす努力を重ねています。

ービジョンを持つ人に人はついてくる

ーー最後に、黒田さんはこれから何を目指しているのか、教えてください!

ライフサイエンス・エコシステムのコーディネーターですね。エコシステムを分析してたどり着いた私の結論は、エコシステムを育てるというビジョンを多くの人と共有すること、そしてエコシステムの参加者をまとめあげるコーディネーターの必要性です。自身の経験を活かし、私がそのようなコーディネーターとして独立・起業できたら最高だと思います。イノベーション・エコシステムが上手く回れば、仲間の研究者たちの研究環境が改善するでしょう。また、スタートアップ企業が大きく成長すれば、新しい雇用やGDPの創出にもつながります。日本のため、そして巡り巡って世界中の人の健康のために、貢献できたら嬉しいです。

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Project M'INTのおかげで、自身の過去・現在・未来が一直線につながるビジョンを持てるようになったので、今は視野がすっきりと広がりましたね。以前は「どうやって儲けるか?」をまず最初に考えていましたが、今は「どうやってよりよい社会を構築するか」に焦点が移動しています。「人を動かすのは、お金よりもビジョン」ーーーそんな時代が近く来るのではないでしょうか。大きなビジョンを沢山の人に伝え、自分が目指す社会変革を推し進めていきたいと思います。


Project M'INTでの学びを通し、次々と世界を広げている黒田さん。インタビュー中の生き生きとした表情、自分のビジョンに向かって邁進しながらも人生を楽しんでいる様子がとても印象的でした。これからのさらなる活躍に期待しています!

fin.

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