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<定期購読マガジン特典>【対談編-18回】中村敬佳さんとの裏話対談...カーボンコンポジットの話-そのⅡ 「R35GT-Rと、R34GT-Rに装着した、カーボン製品の新技術開発と製造について…」

 R33GT-Rの販売促進策の一環として、スカイラインGT-Rファンの皆さんと一緒にル・マン24時間レースにチャレンジする企画に応えるため、急遽 '94年の秋に栃木工場で製造されたR33GT-Rを種車にしてGTレース仕様車をつくり上げ、'95年6月の24時間レースに出場しました。
 競合車は、ポルシェGTやマクラーレンGT-R等、フルカーボンコンポジット・モノコックで作られレース専用に開発されたGTカー。
そんな中でも量産工場で作られたR33GT-Rのレースでの戦闘力を向上させるために、4WDをFRに変更して「重量の軽減と旋回性能の向上、そして空力性能を造りだす大型床下アンダーカバー」などの改修を施しました。

95年ル・マン24hrレース出場車(10位)

その後、車両開発主管として高性能車の開発を担っていた私は、これらのレース用に開発した技術の中から、市販車でも走行性能が向上できる技術を抽出して投入した中の一つが、R34GT-Rへのカーボンコンポジット製大型アンダーカバーでした。勿論、量産車の混合生産ラインにこのような大型新開発部品を採用するのは世界初。製造プラットフォームでの車両検査方法や装着手順、ディーラーでの整備方法など色々な難問にぶつかりましたが、チャレンヂの中村さんや工場担当者の支援により、R34GT-Rは発表発売をしました。 その後の、超高性能マルチ・パフォーマンス・スーパーカーを目指して開発した日産R35GT-Rでは、フロントアンダーカバーまでを空力性能部品として走行性能を向上させたり、インテリアの装飾の一部として更に多くのカーボン製品を採用しました。そのような要求に応える技術開発として「プレス工法によるカーボンパーツの設計技術と製造方法」などの開発も積極的にやって頂きました。

R35GT-Rで開発されたプレス工法によるカーボン製品の製造

今回は、スカイラインR34GT-Rのカーボンコンポジット製大型リヤアンダーカバーの開発や製造に関わる色々な話や、日産R35GT-Rの開発に於ける新しいカーボン製品の開発の裏話など、中村さんと対談させて頂きました。

次回の中村さんとのカーボンのお話は、「これからのカーボンコンポジット製品の世界について」を配信予定です。
どうぞ、ご期待ください。

実際に新しい製品を生み出した方の、きっかけや歩んだ道、そして本質を知ると新たな商品の開発や提案の貴重な参考になります。
皆さんもビジネスの一助として、活用して下さい。

ここから先は動画でお愉しみください。

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・世界唯一の監督兼チーフエンジニアとして参戦の"Gr-Cメーカー選手権レース"では、Daytona2…

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