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【クルマ編-第27回】SUBARU BRZ-R

第二世代となった スバル BRZ-R、トヨタとの共用化開発を手探りでスタートさせた前型モデルに対して、手慣れた開発になりどの様な成長を遂げたか…? キープコンセプトで正常進化し、いい車になりました。しかし…

手頃なエントリースポーツとして、重心が低い 2.0L自然吸気 水平対向エンジンを ベーシックな「FR+2WD駆動方式」と組み合わせて売り出された BRZ。
前型モデルでは「トヨタとのコンセンサスを合わせる連携協議の結果や、重くのしかかる投資償却負担への対応」等が、性能や仕様の中に見え隠れするちぐはぐさも少し見られた。 
しかし、今回の2代目では「販売した結果に基づく市場要望やフィードバックなどの共通の評価軸」、「プラットフォーム基本流用で償却費などの負担軽減」そして「開発陣の開発技術やノウハウの習熟」等で、開発スタッフの仕事のやり方も随分と手慣れ、その結果「商品として狙う方向やデザイン、仕様の設定、そして性能や走りも前型より良いクルマ」になった。
あえて言うならば…リヤサスペンションのセットアップをもう少し煮詰めて「スプリング反力と、ショックアブソバ―の伸び側の規制力のバランスを修正し、動きのしなやかさ」を訴求して欲しい。

正規配信ビデオ写真後ろSUBARU BRZ R.21.9.29

しかし…私が強く感じた事は「作り手は、走り好きの為に良いエントリースポーツを作った、しかし…一部のユーザーの為のクルマにしか見えない」と言う事でした。
300万円前後で収益を確保し、何世代にも渡り長く継続する商品として存続する為には「販売台数の確保」は絶対命題。しかし「スポーツカーなのだから走りの車を作れば良い」・・・この誰でも知っているコンセプトだけではスポーツモデルは長続きしません。販売当初こそ、走り好きな人が待ち望んで買うので、どっと売れて派手に台数も出ますが…半年もして一通り行き渡ると台数は減少。

「走りが好きなユーザーの嗜好だけでなく、日常の中で家族やパートナーにも愛され、そしてご近所さんにも一目置かれるクルマ、決して走りが好きな人だけの商品にするな!!!」これは私がスポーツモデルを開発する時の重点ポイントで口うるさく言い続けた事でした。
ゆえに、優雅さを大切にして「家の駐車場に停めている時のご近所への見栄え」も大事にし、Z33フェアレディやS14&15シルビア等は「走りだけでなく、女性目線の優雅さ」なども訴求しました。
(私が開発から抜けた後はこのファクターは薄れ、走り中心のコンセプトになってしまいましたが…) 
スポーツカーは派手な商品です。だからこそ家に停めているクルマを見て、ご近所から「お宅の旦那さんはスキなのね」と言われるのでなく、「素敵なクルマね、うらやましい」と言われる事が、プロが創るスポーツカーの最も大事な商品要件であり買ってもらえ続ける商品像なのです。

今回のBRZは2世代目になり、スポーツカー&走りの好きな人にとって良い車になりました・・・。

ここから先詳しくは動画をご覧ください。

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