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<定期購読マガジン特典映像>    【対談編-第2回】鈴木利男さんとの裏話対談…アメリカNPTI担当のレースになぜ日本からNISMOは参戦したのか? そしてアメリカのレース文化は楽しさと本気の戦いが同居!!

初めて語られる本当の話を興味深く楽しんで…そしてビジネス改革の大切なヒントも随所にあります。

 レーシングドライバーとして日本はもちろんのこと世界に結果を残し、市販車でも世界に誇れる開発ドライバーとしてR35GT-Rの超高性能を育て、現在は株式会社ノルドリンクの代表取締役として多くのスーパーカーファンが憧れる、鈴木利男さんとの裏話対談の第2回目です。
今だから話せる、今まで決して何処にも漏らさなかった秘めた話の続きです…。

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“グループC メーカー耐久選手権国内レース”で、王者ポルシェと闘いチャンピオンを決めた1990年11月、すでに私の心の中には「’91年はル・マン24hrレースとデイトナ24hrレースの両レースでダブル優勝をする」という大きな野望と自信がありました。
’90年の結果をフィードバックし、100%私の構想を織り込んだR91CP(’91年型レース車)の開発性能と昨年の結果から、私は周囲に「勝てる!」と漏らしてもいました。

元々デイトナ24hrレースはアメリカ日産が管轄するNPTI(日産・パフォーマンス・テクノロジー・インターナショナル)のレース活動テリトリーの為、日産本社のモータースポーツ活動計画の中には、日本のNISMO(日産・モータースポーツ・インターナショナル)が参戦する計画は在りませんでした。

私は”心にあるダブル優勝”の話は出さず、これはレースへの参戦ではなく、「ル・マン24hrレースや国内メーカー選手権レースで良い結果を造る為の、オフシーズン期間のチーム訓練と車両開発テスト」の為の参戦であり、「開発活動としてのレース参加なので、費用も開発費から引き当てる範囲で実行する」という提案で日産本社とアメリカ日産を説得しました。

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1991年1月2日からのデイトナレース公式練習テストの為に、12月30日成田発ワシントン経由でオーランド行きの飛行機に乗りました。(747ジャンボの中に乗客は数人…!)
そして1月2日、いよいよ走行テストが始まりました、が…!!!
車は決して悪くないのにラップタイムはクラス下のレース車並み…日本や欧州には無い、初めての慣れないオーバルコースで350km/hを超えるスピードにより発生する強烈な下向1.2Gが掛るオーバルコース・バンクでの走行にドライバーたちは手こずっていました。
たった1時間の練習走行後の鈴木利男さんの手は「豆ができ、破れて出血」。日本や欧州では何時間走ろうとこんな事は起きないのに!!
その時、私が取ったとんでもない秘策と対応策は本編の中で……
三日間のテスト結果は私に「勝てる」という確信を生み、日本に帰って社長には「ここだけの話ですが…デイトナは勝ちます」と伝えました。

しかし……突然に私の野望は立たれました。
湾岸戦争が勃発し、1991年2月に予定されたデイトナ24hrレースは政府の指導もあり日本のチームは参戦できなくなったのです。
更に、6月のル・マン24レースへの参戦もNG、突然のレース規則の改定でR91CPは出走不可能となりました。勝てる自信はありましたが…!!
(この年はマツダのロータリーエンジン車がレース規則の特別優遇処置で参戦し優勝)

そして翌1992年1月、私たちのチームは再び昨年の無念を晴らすべくデイトナの地で公式練習に参加していました・・・

今回の対談では、実際に現地でテストを開始した時から、デイトナ24hrレースが終了した後までの話、またアメリカと日本&欧州のレース文化の違い。
そして更に、オーバルコースの壁に増幅された独特のV8サウンドを轟かせ300km/h以上のスピードで走るアメリカン・ストックカー・レース”NASCAR”に出場したレース話など、色々と語ってもらいました。
今まで決して話されることの無かった、秘話や実際に起こった本当の話を包み隠さず喋ります。

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鈴木利男さんとの話は、内容が豊富で真実を編集なしのノーカット版でお届けしたい為、今後も下記プログラムでの配信を予定しています。ご期待ください。

・R35GT-R開発初期段階で続発したトラブルの苦悩と評価方法の自己改革
・R35GT-R発表までとその後のイヤーモデルを育て進化させ続ける葛藤
・本当に大事なクルマのセットアップ点、運転スキルの向上法とその評価
・台湾の自動車開発メーカーでの開発とその文化の違いに戸惑う日々

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※今回のインタビューはノルドリンクさんで実施させて頂きました。ソーシャルディスタンスを取り、換気を行い、日々の検温や消毒などに気を付けながら実施しました。(まだまだ油断は禁物ですね・・・)

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①クルマの徹底検証動画➪試乗評価+技術,造り,開発背景やデータ&解析含め検証[約60分,1回/月] ②「本質の見抜き&先見の思考」➪「水野式実践法」でケーススタディする講座[ 約30分/回,1回/月 ] ➂ベストカー"水野和敏が斬る"連携の業界初の配信➪…紙面では書ききれなかった確かな検証…[約30分/回,1回/月]:解説や雑誌編集委員と本音を語る ➃ ⓐ 「達人との真実の裏話」,ⓑ 「水野が語る“よもやま話 ”」➪[ⓐとⓑは交互約30分/回,1回/月] ➄Q&Aへの回答[約30分,1回/月]

たった2年半の短い時間と通常の半分以下の”人、モノ、金”で、ポルシェを凌ぐ世界ブランド日産GT-Rを創り上げ、’90年代には” Gr-Cメ…

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