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N中等部×プロジェクトN ワクワクインタビュー!3DCGモデリングに熱中してやり切ったら「SEMBA賞」に選ばれた!

去る6月にN中等部通学コースで実施された「未来のワクワクキャンパス制作プロジェクト」。2022年度が始まり、最初のプロジェクトの全国発表会でキャンパス代表として堂々と発表し、最優秀賞である「SEMBA賞」を同率受賞した二人の生徒。彼らはどのようにプロジェクトに邁進したのか、話を聞いてきました!

プロジェクト概要

アート思考などについて学び、ICT技術を取り入れ、環境に配慮した、未来のワクワクする学びの空間(=キャンパス)を自分視点で企画を考え、3DCGモデリングソフトウェア、TinkercadやBlenderを使い、その企画を表現するプロジェクト。N/S高、N中等部キャンパスをデザインいただいた株式会社船場の社員の方々に制作のヒントとなる講演・全国発表会の講評等でご協力いただき実施しました。

<インタビューを受けてくださった二人>
河村さん/2年生  小倉さん/3年生 (以下、敬称略)
*インタビューはプロジェクト終了後の7月にZOOMで実施。学年はインタビュー時のもの。一部構成を変えています。

プロジェクト開始時の第一印象は真逆だった

ー 今回のプロジェクトNはいかがでしたか?
小倉:最初のお題を聞いた時に「3Dモデリング」って言ってて、前から3DCGが好きだったから、やる気になりました!

インタビュアー(以下、イ):なるほど!「未来」「キャンパス」というテーマはさておき、とにかく成果物を制作する3Dモデリングのツールでやる気がアップしたのですね。笑。

河村:僕はめちゃくちゃ3DCGモデリングは苦手で。最初は、正直そんなに気分が上がるとかなかったですね。逆に何か難しそうで、やる気もそこまで出なかったです。あと、Tinkercadもほぼ初めて触りました。

イ:そうだったんですね。ちなみにテーマについては何か思うところはありましたか。「未来」というキーワードや「ICT技術を取り入れたキャンパス」と「環境に配慮したキャンパス」というテーマ設定がありました。

河村:環境面は昔から興味があったので重視してやろうかなと思って、作品を作りましたね。

小倉:「未来」って聞くと、いろいろ想像できたんですけど、やっぱりちょっと難しそうだなっていうのが第一印象でした。

イ:お二人は使うツールとテーマに対しての第一印象が真逆で面白いですね。笑。そんなお二人に共通するのは、作品のクオリティの高さ。もちろん全国発表会で発表した他のみんなの作品も全てクオリティーが高かったので、株式会社船場の審査・講評ゲストの方々も最優秀賞の「SEMBA賞」を選ぶ際にも甲乙つけ難く、審査にとても時間が掛かりました。そんな中、お二人はTinkercadやBlenderの3DCGモデリングの表現力の高さや制作したキャンパスのコンセプトやワクワクポイントといった面が評価されて「SEMBA賞」に選ばれました!

▲全国発表会の授業スライドより。

プロジェクトをやり切ったら、最優秀賞(SEMBA賞)受賞という結果がついてきた!

ーちなみに全国発表会は緊張しましたか?
小倉:
僕は全然緊張しなかったですね。発表の最初は画面共有で手間取ってしまったんですけど、やっぱり自分の好きなBlenderで作ったものを人に発表できる機会はなかなかないと思うし、そういう機会が折角あって、しかも全国発表会だったから、楽しむ方がいいかなと思って。緊張とか考えないで、自分の推しポイントを言うことだけに集中した結果、特に緊張とかはしなかったです。

「全国発表会は楽しむ方がいいかなと思って」と小倉さん。
そんな小倉さんにつられ、発表を聞いて「ワクワク」した人も多かったのでは
と感じる発表でした。

河村:緊張でつぶれるかと思いました。キャンパス代表に選ばれての発表も初めてで。キャンパス内の発表は、キャンパスの人しか見ていないので、ちょっと安心できたんですけど。全国発表は、プロの人が見てる中で自分がやりきった作品であったけれど、発表するのは緊張しましたね。

イ:なんと!発表会の様子ではそこまで緊張してるように見えなかったです。淡々というか、でも緊張してたんですね。発表を終えて、何か変化はありましたか。

河村:うん、ちょっとは自信がつきましたね。また、こういう機会があったら発表したいです。

イ:今回、全国発表会で発表したい人がたくさんいて、代表者に選ばれることはとても大変だったかなと思うんですが、またの機会には、どんどん積極的に手を上げていって欲しいなと思います!小倉さんは、発表してみて変わったことなどありますか。

小倉:N中等部で3年間もやってると、人の前で発表する機会がたくさんあるから、そこまで緊張しなかったです。今後のNミーティングなどにも出てみたいかなっていう心境にはなりましたね。

ー「SEMBA賞は小倉さんと河村さんです!」と呼ばれたとき、どう思いましたか?
小倉:
発表が終わった後で、すごく安心して。あんまり見てなかったんです。もう終わったからいいやって。友達に「小倉、お前だぞ」と言われて。「マジ!?」みたいな感じで嬉しかったです!

河村:一応、聞いてはいたんですけど、「えっ!これ本当なのか」と、信じ難かった。一瞬、疑いました。少し経って、嬉しかったですね!

ー「SEMBA賞」を取りましたっていう話は、ご家族の方や、友達、周りの反響って何かありましたか。
河村:
「すごいね」って言われたりしましたね。まぁ俺自身は頑張ったけど、やり切りすぎて、もう何か賞を取っても取れなくてもどっちでも良くなった

▲「とにかくプロジェクトをやり切った!」と言っていた河村さん。
作業にはまって、自宅で4時間位作業に没頭したこともあるとか。
「その4時間はとても楽しかった」とのこと。

小倉:今回の作品に関してすごく頑張って仕上げたので、帰った瞬間に親に伝えました!「やったじゃん!自慢できるね」って言われて。

イ:一緒に喜んだんですね。やっぱり頑張ったことが評価されるって嬉しいですよね。

作業が楽しめるようになったらどんどんクオリティが自然と高い作品になった

ーどのようにクオリティの高い作品を制作したのでしょうか。
河村:
えーなんで作れたんだろう。自分でもなぜ作れたのかってわかんないですけど、なんだろうな。最初は操作が分からないっていうのも問題で、制作を全然楽しめなかったというか。でも、ちょっとやっていくにつれて、まあまあ操作がわかるようになってきて。自分が考えてるものにTinkercadで作っているものが近づけられるようになってから面白くなって、想像も膨らんできて、そして、あの作品が作れました!

イ:Tinkercadの操作が分かるようになったことが一番の大きなターニングポイントとなって、どんどんプロジェクトに対しても印象が変わっていったんですね。Tinkercadの操作が分かるようになったとのことですが、どのような試行錯誤を行ったのでしょうか。

河村:まず、キャンパスの形決めて、土台作ってみてイメージが違ったら、また作り直してとずっとやってみたり。意外と操作に慣れてきて、これいけるやんっていう形になって、で操作も慣れてきてから、これいけんじゃねって思って。

イ:なるほど小倉さんは元々3DCGモデリングが好きだったってことだったと思うんですけど、それにしてもすごいクオリティですよね。このBlenderのスキルというのは元々この作品をイメージ通り、パッと作れるぐらいのものを持っていたのでしょうか。

▲ 小倉さんの作品「新しい時代のキャンパス」

小倉:そうですね。多分、中1の頃からやってたんです。光の入り方とか、どこにライトを置けば影ができるだろうとかそういう点は得意なんです。ただ、装飾が苦手なので、本やサイトを開いて、壁紙を木材とかにすると、あったかい印象になるというのを調べて試したりしました。

あとは、自分の通っているキャンパスに足りないものは何かって考えて、手を動かしながら、どんどんアイデアを膨らませて。自分に足りないスキルが出てくると、その都度調べて取り組んでいたって感じで結構学びはあったといえばあったのかな。

イ:今回の作品を作ってみて、さらにBlenderが好きになったとか、自分の変化では何かありますか。もっとこういう作品を作りたくなったとか。

小倉:今回ので、建築にもちょっと興味持ったりとか、工業系高校に行ったりしようかなと思うようになって、そういう意味で、こういう仕事があるんだなっていうそういう事を知るきっかけになったなって。

イ:ちなみに河村さんの方の作品なんですけど、キャンパスの形である六角形に込めた想いが印象的でした。キャンパスの形に意味を持たせたのは、他の人の作品にはない点だったのかと思います、そういう意味で、多くの人に印象に残ったのかなと思うんですけど、これは制作しているうちにアイデアを思いついたのですか。

▲ 河村さんの作品「理想のキャンパス」

河村:作ってたら六角形って色んな方向つながるやんって。だから拡張もできるし、人と人とのつながり的な意味もあるし、キャンパスが繋げる場所でもあるって思って。人と人と。まだモデリングも初心者なので、こういう意味を持して、こういうのをプレゼンの内容にしてもいいんじゃないかなって思ったりもして、こういうのを入れました。自分のちょっとスキルが足りないかなっていうところを補う意味でも。多分あれなかったら無理でしたね。

ーお互いの作品を覚えていますか。印象を聞かせてください。
両者:
覚えてます!

河村:Blenderで作った作品のクオリティがマジですごかった。光の入り具合が特にすごかったですね。

小倉:その六角形の間接照明にしたかったんですよ。全体が明るくなるように。間接照明のモデルを探してたら幾何学模様のやつがあったので、いいなと思って作ったんです。あと、やっぱり部屋を2つに絞ったところが推しポイントですね。

イ:次に河村さんの作品ですが、推しポイントは、やはりこの六角形の形ですか。

河村:そこですね。あと、人を配置したところが推しポイントです。そして、Blenderもちょっとやってみたくなりましたね。やっぱりTinkercadでは表現できないものも表現できるところが魅力ですね。光とかね。

イ:小倉さん、河村さんがBlenderをやってみたいということですが、どのように始めたら良いのでしょうか。アドバイスをいただけますか。

小倉:僕がBlenderを使い始めた時、Tinkercadみたいな感じで、三角とか四角とか丸とかの配置するだけのシェイプがあったんですけど、最初はそのシェイプを組み合わせて拡大・縮小だけでクマや人の足を作ったり。そういうところから始めたりすると、やりやすく割と始めやすいかな。

河村&イ:なるほど。

イ:小さいものから始める。やっぱり自分の興味あるものを作る方が良いのでしょうか。作りたい!という強い思いがあるものというか。

小倉:そっちの方が楽しくできるかなって思います。

イ:ありがとうございます。プロジェクトNの授業では、直感的な操作がしやすいTinkercadを使って作品を作ろう!というプロジェクトはちょくちょくやっているのですが、全員が使うツールとしてはややハードルの高いBlenderを使ったプロジェクト実施がこれまでにありません※。でも、初学者にも使いやすいツール(Tinkerca)で魅力を感じた人がさらに上級者が使うようなツール(Blender) にステップアップしてくれたらいいなというのは教材制作をする際にも考えていることだったりします。
※今回のプロジェクトでもBlenderは任意使用のツールでした。

3DCGのものづくり・ゲームが好きすぎることの他に、基礎学習も頑張りたいと巡り巡って気づいた

ー 最後に。何か今後プロジェクトNに限らず、何か頑張りたいことってありますか。
小倉:
Blenderの物づくりが好き過ぎて、普通の勉強をしてなかったんです。関係ないですけど、Blenderもやりつつ、3教科の勉強もしていきたいかなと。

イ:BlenderやTinkercadでも大きさや図形の角度を変えたりする時に数値で入力することもありますよね。数字の感覚、数学の知識もクリエイティブな作業に役立ちそうです。

小倉:僕が思ったのが、わりと図形の知識を使うなと思って。そういうのだったら、確かに俺も興味あるかなと思って勉強したいなと思いました。

河村:でもやっぱり、頑張りたいことといえば、勉強になっちゃいますね。1年の時に勉強をまともにやらずゲームばっかりやってて、2年生になってから、めっちゃ後悔したんで、勉強頑張ります!学力診断テストだったかな、受けた時に、結果が散々で…..そのあとからちょっと勉強するようになったんですけど。とても残念な気持ちになったんですね。

イ:頑張ろうと思った時が頑張りどきですね!それこそ、今回のプロジェクトでもテーマに挙げていた「ワクワク」ですが、「ワクワク」によって人は生産性が高まる生き物らしいので、ワクワクポイントを見つけながらやってもらえるといいかなと思いました!

▲ 授業スライドより。プロジェクトのタイトル「未来のワクワクキャンパス制作プロジェクト」
にちなみ「みんなの最近ワクワクしたこと」を共有するアイスブレイクも行いました。

ー今後、こういうプロジェクトNあったら楽しいなあと思うことありますか。
小倉:
そうですね。モデリング系のプロジェクトがあったらまたやりたいです。例えば、理想のドワンゴ本社をBlenderで制作するとか。笑。あとは、現代アート、モダンな建築を作ることも好きなので、そうゆうのも作りたいと思いました。

河村:えーと、動画はよく作るので、動画制作のプロジェクトがあったら面白そうです。Adobe Premiere Proとか使って。

小倉:去年の文化祭のオープニングCG動画をBlenderで作ったりしてたんで動画のプロジェクトも面白そうです。Blender、大好きだから。

河村:Blenderって3DCGモデリングだけだと思ってた。Blender、それだったら普通に面白そう。めっちゃ、使ってみたくなりましたね。興味が湧きました。

イ:興味の幅がさらに広がっていきますね。どうもありがとうございました!

▲ プロジェクト最終日のスライドより。
みなさんの今後の活躍を心から応援しています!

インタビュー後記

プロジェクトに対しての第一印象が真逆だった河村さんと小倉さん。どちらにも共通する点は、ツールまたはプロジェクトのキーワードに「自分の好きなこと」を見い出し、とりあえず取り組んでみる姿勢とその過程でどんどん自分の企画にワクワクし、最終的に「SEMBA賞」という結果につながったのかなと感じたインタビューでした!
河村さんの「やり切ったから結果はどうでも良くなった」も小倉さんも頑張りを見てきたご両親と「自慢できるね!」という素直な喜びも、どちらも、自分のワクワクする気持ちを大事にしながら、課題に真摯に向き合わないと出てこない反応ではないでしょうか。たった1ヶ月、12回のプロジェクト学習からそれだけの経験を得てくれたのかと制作担当者としては胸が熱くなりました。熱中して「やり切る」経験は、確実に今後の更なる飛躍に生きてくる経験です。二人の活躍を心から応援しつつ、今後も生徒の皆さんが熱中し「やり切る」経験を得られるようなプログラム作りに邁進したいと思いました。ありがとうございます!

同プロジェクトの他の作品はプロジェクトN Twitterアカウント(@ProjectN_info) などで紹介しています。興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。

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