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日本の「おもてなし」と成立ち!

現代社会の「おもてなし力」と「物づくり」

最近インバウンドへ期待からか、
【和と洋のおもてなし】について数多く
の情報・知識が書籍やネット上で溢れ
過ぎている現代の社会生活環境です。

お客様を主体に捉える『応対意識』が
サービス業の本質なのに【対応意識
で捉えているサービス業も実在している
ことはサービス業に従事し和の心を提唱
して来た私には誠に残念でなりません。

応対と対応

お客様に支えられているサービス業です。
故に、常に他人称のお客様中心を意識し
心身の活動をするサービス業の「本質」は
どんなに社会が進化しても変わりません。

最近は、テレビやネット、S.N.Sなどと
言ったツールを通じて得られる様々な
人気がある美味しい食やおもてなし・
接客サービスに関する情報の豊かさには
目を見張るものがあります。

また、テレビや書籍で接客・接遇サービス
や第一印象の大切さや具体例が伝えられ、
顧客や「おもてなし」を受けるお客様
=ユーザーの意識や目も以前とは違い
レベルアップし、豊かになって来ています。

当然ながら接客や接遇に係わるおもてなし
C.S(顧客満足)に関し、各々の業界の顧客
やユーザーの意識や見方や捉え方、
サービス業全体に対する意識(見方)や
感じ方(受止め方)も以前とは違って、
大変高レベルになりつつあります。

また、感動(期待以上のことを受けた時に味わう)
についても今まで感動を与えられたからと考え、
再び同じことをしても感動して頂けることが
少なくなっているのが現状です。

因って、感動を常に追い求めて活動する店や
会社はいつも追いかけっこをしています。

毎年様々な海外の国々から日本に
訪れられる方々が増加している中、
その殆どの方々は、歴史文化や名所旧跡
を観光する目的と共に、人的な日本独自の
「おもてなしの心」を味わうことを期待し
訪日されていると捉えて居ます。

一方、
ネットやТV等で流される情報に振り回され、
個の社会なのに個性と人間味の感じられない
「おもてなし」やその人の心が感じられない
「パホーマンス」も実際に多く見られます。

このような世情(社会環境)や企業が多い中、
おもてなしや接客サービス関連の仕事や
係わりを持っている私達は現在までの
「おもてなし」について改めて取組意識
を顧み改善する必要があると考えられます。

その「おもてなし」を学び身に付けるため、
進化(流れ)の早い現代社会で今迄のような、
先ず作法=型(所作・仕草・形)を学び知り、
それを日々実践しつつ多くの月日を費やし
「おもてなしの心」を身に付けると言う
プロセスは今の少子化社会で適切でしょうか❓

では、進化の早い今の社会環境で
「おもてなし」を修めるために
一体どうすれば良いのでしょうか?

そのヒントは、世界中から評価される
日本の「物づくり」にあると思われます。

皆さん御存知の通り、戦後日本では、
「モノづくり」に大きな力を注いで来ました。

その結果一時GDPも世界一になりましたが、
現在は中国や韓国に追い越されてしまいました。

しかし、世界に類のない日本独自の文化
「モノづくり」が社会から消えて無く
なってしまったのではありません。
 
近年ノーベル化学賞でも日本人が
受賞したことでも明らかなように、
様々な日本独自の素晴らしい「物づくり
の精神が存在し、斬新な多くの「物」
が日々誕生し続けております。

今の日本は、
この様な「モノ造り」に集中し、
良い商品や製品を生産しそれに依存して
顧客満足をさせていた時代は、現時点で
終焉の時を迎えつつあると思われます。

今迄の日本は、
多種多様な「物」やそれに関わる情報が
巷に氾濫し結果として長期的な物余り
現象を引き起こし過度な価格競争をする
社会生活環境になってしまいました。

最近の消費者の考え方は、
その日本の素晴らしい「物」をどう使い、
どのようなコト=心身の体験が出来るか❓
その「物」を使いどのようにして楽しむ
ことが出来るのかと言ったことを多くの
店舗で重要視する傾向になっています。

即ち、日本の消費生活は、
このような「物」である物質重視の時代から、
「コト」とも言える『人の心(思い・体験意識)』
を重視する社会環境へ国民(ユーザー)の意識が
変化して来ていると思われます。

同時に、行動や思考、感動、思い出作り
などのソフト面に、夫々の価値を求める
ようになったことでも明らかなように、
日本人の周りの「モノ」に対する捉え方
と共に意識の変化が見受けらます。

恐らく今の日本では、
「リアル=実在(物)」だけでなく、
「バーチャル=現象(こと)」である、
「モノ」から「コト」への転換が
起つている社会になったと言えるでしょう。
 
また、物づくりの達人と言われる皆さんは、
物の元となる素材や道具、その物の本質を
予め学び知り認識した上で、真剣に本気で
魂を込め、物づくりすると言われます。

おもてなしを修めるためのヒントが、
日本の「物づくり」にあると申した
のはその最も大切な
【素材である、その人の備え持つ心や
 資質(スキル)を知り認識する】

この「」を備えることで、
おもてなしの型(所作等)を自心に
落とし込み易くなるということです。

古より日本では「侘び寂び」と言った
情緒的な感受性(文科系)を重んじ
生活して来ましたが少子化が進む
今の社会で共に必要なのは「知」である
「分析力=理数系」であると考えます。

この「知」を修めるには、
自分と自心を理解認識し自他を認め、
愛他・利他の活動をすることです。

「おもてなし」を表現する人の
人間力=知情意」の中で最も
大切なのは、利他の思い遣る心です。

大切な人、お客様への≪おもてなし≫には、
もてなす個々人の心を内なる利他心と
その相手に対しての重り遣りの表現と
伝達する活動をする心を「以って成す
=おもてなす
」ことが何よりも大切です。


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