「小説家になろう」における読者獲得法 その1

 「小説家になろう」に投稿しても自作品は読まれない。だから素人には向かないサイト。そんな声をよく見かけます。

 でも、諦めるのはまだ早い!

 面白い小説を書いた上でそうなってしまうのは、自分の戦場をちゃんと分析できていないからですよ?

 今から紹介するのは流入経路から逆算した読者獲得法です。

 この他にも、連載開始前に書き溜めて最初は毎日更新にする、話数毎に分析して急激に読者が減っている話は何か対策する等ありますが、今回紹介するのは読者流入経路から逆算した方法のみです。


Lv1 更新のタイミングで優位に立つ

 皆さんが書いた小説を「小説家になろう」に投稿した際、読者がどのような経路で皆さんの小説を発見し、開き、読んでいるか、その手順をイメージしたことはあるでしょうか?

 読者は公開されている作品を、公平に、順番に、すべて読んでくれるわけではありません。もちろん、書き始めたばかりの初心者作家には、作家名や作品名から検索してくれるファンはいません。
 だから読者は数ある作品の中から、積極的にあなたの作品を探し出して、最初から最後までじっくり読んだりはしないのです。
 しかし、それでも読者からのアクセスは来ます。では、それはどこから来ているのでしょうか?

 答えは簡単で、なろうのトップページからのアクセスです。一度なろうのトップページを見てください。上から順番に、「月間ランキング」、「完結済み連載小説」、「更新された連載小説」、「新着の短編小説」となっています。

 ここで狙うのは、「更新された連載小説」への掲載です。
 少し経験を積めばわかりますが、なろうは更新時に急激にPVがアップし、時間の経過とともにアクセス数が少なくなります。なぜそのようなことが起きるかというと、トップページの「更新された連載小説」に掲載されている間は急激に読者が流入し、その下にある「もっと見る」で浅い階層にいる間も読者の目に触れる事ができるためアクセス数が伸びるのです。

 ここに長期間作品を残す事が出来れば、その分読者の目に触れる機会は増えるでしょう。逆に短期間しか残らないのであれば、多くの読者の目に触れることはできません。

 まずは読者の目に触れる事が、読んでもらうための第一歩になります。

 ここで注目すべきなのは、なろうには平日と休日、時間帯などで作品更新数が大幅に変わる事です。
 例えば、16時頃~22時頃は読者数が圧倒的に多いため、その時間帯を狙う人もいますが、作者の活動も活発で、作品更新数も圧倒的に多くなります。結果、トップページに載ることは至難の技となります。ですからこの時間帯に更新しても、ファンのいない初心者はほとんどPV数を稼げません。

 同様に、予約更新機能を使った毎時0分更新は、ライバルが多いためトップページに載る事ができませんので、初心者はほとんどPV数を伸ばせないでしょう(運が良ければ定時更新時にトップページに掲載されて、たまにグッと伸びますが、競争率はかなり高いです)

 また、毎時1分~10分の間は、ずらして手動更新してくる強者が多くいて、定時更新ほどではありませんが、やや競争率が高くなります。

 詳しくは、「もっと見る」を開いて数分ごとに更新し、どの時間帯にどの程度の作品が更新がされているか計測してみると良いでしょう。更新のタイミングを意識せず、漫然と更新しても読者はあなたの作品を見つけてはくれません。

 このあたり、各作家の企業秘密の部類に入りますので、教えてくれる事はまれです。(僕もライバルが増えるので、具体的な時間帯は教えたくありません)

 ちなみに、少し古いデータですが、「なろうRawi」というサイトの管理人さん(データ分析しまくって作品をヒットさせ、こないだ書籍化に成功した方です)が、会員制のブログで時間帯分析をやっていましたので、そちらを参考にしてみるのも良いかもしれません。

【参考リンク:なろうRawiファンクラブ】
 なろうで新作を投稿するベストな時間

 さて、この対策が出来れば、「読者の目に触れる」という争いには優位に立てるようになるでしょう。しかし、目に触れても選んでもらえなければお話になりません。


Lv2 タイトルとあらすじで優位に立つ

 Lv1をクリアできれば、お次は「読者に選んでもらう」事が焦点になります。もう一度なろうのトップページを見てください。

 「更新された連載小説」には、どんな情報が表示されているでしょうか?

 答えは、「タイトル」です。つまり、ここでタイトルに差をつけることができれば、自分の作品に読者を導くことができます。

 次に、下にある「もっと見る」をクリックしてみてください。どんな情報が表示されているでしょうか?

 答えは「タイトル」と「あらすじ」です。つまり、読者が「もっと見る」をクリックして一覧を表示する場合、読むかどうか決める要素は、タイトルとあらすじしかないわけです。

 読者に選ばれるためにはどうすれば良いか。ここでも熾烈な争いがあります。

 長文タイトルの場合はキャッチコピーの書き方や、プレスリリースの作り方を勉強するのがよくて、短文タイトルの場合は詩や俳句、短歌なんかの作り方を勉強するのがオススメです。

 詳しくは僕のnoteの別記事に「小説のタイトルの決め方」というのがありますので、そっちを参考にしてください。

 なお、長文タイトルの場合は、先ほども紹介した「なろうRawi」というサイトで「タイあら診断」を試してみると便利です。

 けっこう効果があるらしく、なろうRawi利用者がランキング上位に入るのも、珍しくなくなってきました、
 僕は元々長いタイトルに抵抗があるタイプでしたが、E判定のタイトルからC判定のタイトルに変更すると、PVが3倍に伸びたので、しばらくはこのスタイルでいこうと思っています。

 ここまでが2枚目の壁を突破する方法です。読んでもらえるだけの実力があれば、この二つを実践するだけで、更新時に話数一桁でも日間のPV数で500ぐらいは軽く行くようになります。

 これを繰り返し、固定読者を増やしていけば、有名なスコッパーさんに掘り当ててもらったり、外部ランキングへの掲載されたりと、いずれステップアップチャンスがやってきます。

 そうなれば、場合によっては日間ランキングも射程にはいるでしょうか。


Lv3 完結ブーストを狙う

 なろうのトップページにいかに載るかが勝負の分かれ目になるのは、先ほどからお話している通りですが、実はトップページにはもう一つ狙い目があります。

 それが「完結済み連載小説」欄への掲載です。完結は更新に比べ、最大で1時間程度トップページに残留できるおいしい欄です。「続きを待つのは嫌だ。まとめて完結まで読みたい」という読者もかなりの割合います。

 そのため、作品を完結させると通常更新の4~5倍程度のPVが来ます。これが完結ブーストと呼ばれる現象です。

 これは作品を完結させた者だけの特権です。その最後の後書きに、次の作品への誘導路を設けておけば、最後まで楽しんでくれた読者は次の作品にも興味を持ちやすいですので、うまくいけば非常に強力な味方となります。


 いかがだったでしょうか?最終的に読んでもらえるかは、投稿した小説が面白いかどうかにかかっていますが、こういったテクニックを知っていれば、「面白いのに読まれない」といった事態は避けられます。

 とにかく、作品のタイトルなどを読者の目に触れさせて、存在を認知してもらえなければ話になりませんので、いろいろ工夫をしてみる事をお勧めします。


 さて、3000字を越え、僕もそろそろ眠くなってきました。明日も仕事なので、この辺でいったんお別れです。

 おやすみなさい、良い夢を!