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【インタビュー後編】 アナログな介護業界を大阪・浪速区から変えていく

ケアマネジャーとしてケアプランセンターを運営するかたわら、介護現場のICT化を進めるため大阪市浪速区独自の医療・介護情報連携システムの啓発などに取り組む五十川さん。

インタビュー前編では日頃の取り組み内容についてお伺いしましたが、後編では、活動を始めたきっかけやモチベーション、業界の未来についてお話を伺いました。

五十川 昌弘(いそかわ まさひろ)氏
合同会社CareSTEP5 代表/浪速区在宅医療介護連携相談支援室 コーディネーター
地域密着型のケアプランセンターを目指し法人を開設。主任介護支援専門員として利用者さんへのケアマネジメントを行うほか、大阪市浪速区独自の医療・介護情報連携システム(愛称:Aケアカード)の啓発や、全国で業務改善セミナーなどを精力的に行っている。

応援を胸に、次は自分が誰かの背中を押したい

— このような活動を始めたきっかけはありますか。

五十川さん:最初は(ハタフレ認定アドバイザーの)三浦さんからの「セミナーに登壇してみないか」というお声掛けがきっかけでした。三浦さんのお誘いがなかったら、現在のように様々なエリアでセミナーに呼ばれることはなかったでしょう。ためらう私の背中を押してくれた三浦さんの言葉は、今も私の心にしっかり残っています。
活動を進めていくとさらに新しい出会いが生まれ、様々な方とのつながりが増えました。周囲の人から応援されて、背中を押されて、今の私があります。今度は、私が誰かの背中を押す番です。ギブ&テイクを忘れないようにと、いつも思いながら行動しています。

— 本業もお忙しい中で、何が五十川さんの原動力となっているのでしょうか。

五十川さん:昨年、地域の訪問看護の事業者の方から、日頃のお礼とともに水筒とオリジナルのステッカーをプレゼントしていただきました。水筒には富士山が描かれていて、「頂点にのぼりつめてほしい」という意味を込めて選んでくれたそうです。その気持ちは、涙が出るほどうれしいものでした。

自分が取り組んでいることは、他人から見ると小さなことかもしれませんが、今後も業界の未来のためにこういった活動を積み重ねていこうと改めて気持ちが引き締まりました。活動を通して感謝の言葉をいただけるのが、何よりも自分を動かす原動力になっています。

プレゼントされた水筒とオリジナルステッカー

介護業界が疲弊しない未来のために

— 今後、介護業界のために取り組みたい活動はありますか。

五十川さん:先ほどお話ししたように、介護業界では約90%の事業所がICT化に取り組めていない現状があります。まずこれを30%まで減らしたいと思っています。そのために自分ができる手助けをしたいですね。実現のためには、ICT活用のモデルケースを行う関係者が積極的に啓蒙していくことが大切です。

— 五十川さんにとって、介護業界の未来はどうあってほしいですか。

五十川さん:人生の最期に関わることも多い介護の現場は、その人らしい生き方で人生をつくるお手伝いができるとても大切な場だと考えています。その介護業界が疲弊しない未来であってほしいと思っています。

— 実現のためには何が必要でしょうか。

五十川さん:医療と介護がしっかりと手をつないで、一緒に同じ方向に向かって動くことが必要です。現在、国が地域包括ケアシステムを推進していることからも分かるように、医療と介護が一体となって、一人ひとりを地域の皆で支えていく流れになってきています。しかしながら、まだまだ理想の状態にはほど遠いのが現状です。

医療関係者にも、介護関係者にもそれぞれの考えがあります。医療は患者さんの医療的ケアをどのようにするかを考え、私たちは、利用者(患者)さんの今までの人生観、想いを元に生活を考えます。
それぞれの考えをもって、全員が患者さんの近くに寄り添うことができるといいですね。


アナログではうまく足並みを合わせられなかったことも、デジタルのさまざまなツールを活用すれば連携して対応できるようになります。そんな未来の実現のために、私たちも動いていかなければいけないと思っています。

— ありがとうございました。


※ 掲載内容は取材時点(2024年2月)の情報です。


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