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創業30年のIT企業が“ブロックチェーン技術×DX”で新たな挑戦を仕掛けるワケ<代表インタビュー>

1990年創業、昨年設立30年を迎えた株式会社ピー・アール・オー。当社は、3DCADシステム開発からスタートし、現在は、キャンペーンサイト、ECサイト、SNSプラットフォーム、スマホアプリ、タブレット向けアプリなどの大規模なB2C向けシステム開発やブロックチェーン技術を用いた分散型アーキテクチャのプラットフォーム開発など、数多くの開発プロジェクトを手掛けています。また、カードゲームを中心とした自社ブランドで40種類以上のスマートフォンアプリをリリースしており、AppStore無料アプリランキング総合1位を獲得した「ソリティアV」 をはじめ、自社スマホアプリは、累計1350万DLを突破し、成長を続けています。

ネットワーク登場前のパソコン時代に創業し、データベース・インターネットの普及、フィーチャーフォン(ガラケー)の登場、iPhoneの誕生などによる大きな転換点を乗り越えてきている当社が、現在、第2創業を掲げています。コロナ禍により急速に加速する企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進む中、これからどう変わるのか。代表の大高にインタビューし、創業経緯、会社の変遷から今後の展望まで存分に語ってもらいます。


<プロフィール>
代表取締役社長 大高潤

新卒でNTTに入社。仕事でコンピュータに関わったことを契機に、 原子力CADシステム開発のSEに転身し、複数の会社の設立メンバーとして従事。その後、1990年にピー・アール・オーの前身となる会社を設立(1994年に社名変更)し、代表取締役社⻑に就任(現任)。1995年に北京中訊計算機系統有限公司(現:shinocom)の設立に参画し、 2003年同社の香港メインボード上場を役員(董事)として経験。2013年株式会社ねこまた設立し、取締役会⻑就任(現任)。2015年に株式会社ジャパン・カレント設立、取締役副社⻑就任(現任)。近年はブロックチェーン技術に着目し、2019年に株式会社CryptoLabを設立し、代表取締役に就任(現任)。「あったらいいなを実現する」をスローガンに、常に新しい技術を用いたサービスを提供し続けている。


大企業勤務、ベンチャー企業の立ち上げを経て起業

ー創業するまでの経緯や創業当初のお話をお聞かせください。

新卒でNTTに入社をしました。仕事でコンピュータに関わったことを契機に、プログラミングに興味を持ったことが、システム開発を始めるきっかけになりました。当時は、交換機がコンピュータ化され始めたくらいの時期で、ミニコンが主流でパソコンが普及し始めた時期ですかね。数年NTTで働いていたのですが、「仕事でシステム開発に携わりたい!これからはITの時代だ!」と確信し、高校時代の先輩が働いていたソフトハウスに転職し、原子力3D-CADシステム開発のSEに転身しました。当時、数学と英語はゼロから勉強し直しました。学生時代も含めて人生で一番勉強したかもしれません。笑

NTTを退職してから会社設立するまで7年ほどあるのですが、その期間で3社の会社の立ち上げに参画をしました。その後、1990年に3D-CADシステム開発会社として株式会社ピー・アール・オーの前身となる会社を2名で立ち上げました。(1994年株式会社ピー・アール・オーに社名変更)当時、3D-CADエンジニアは日本に殆どいない状況だったので、大企業から発注をいただけ、創業から3年位で20名ほどの組織に成長しました。安定した売上を確保できていた状況ではあったのですが、より成長を加速させるために、1995年に中国北京にオフショア開発の会社を設立しました。その後、日本の複数の大手SIerとも業務提携し、設立から8年後、2003年に香港メインボードにてIPOをしました。

ーまさに順風満帆ですね。このまま順調に進んだのですか?

いやー、そんなことないんですよ。実は、2001年頃からメインクライアントであった企業からCAD案件の受注が激減するようになってきます。まさに、時代の変化ですね。そして、インターネットの普及に伴い、メイン事業をCAD事業から PC、PDA(携帯情報端末)、ガラケーなどのWeb事業に転換することになります。僕たちは、創業当初からPC向けのアプリケーション開発をしていたので、プアな開発環境に慣れていた点もあり、PDA(携帯情報端末)やガラケーのCPU制限やメモリ容量などに苦戦することもあまりなく取り組めたと思いますね。そして、1998年に当社の社員が開発した「文庫ビューワー」がSHARPザウルスのアプリグランプリを受賞します。「文庫ビューワー」はザウルスや携帯電話にプリインストールされるソフトウェアとなったため、100万台以上出荷され、10社の出版社が定めた電子文庫パブリのフォーマットに採用されました。そして、著作権を売却し、3〜4年で終了しました。常に新しいことにチャレンジし、実績を積むということを繰り返し続けてきていますが、新規ビジネスは、まさに山あり谷ありだと感じましたね。笑


iPhone発売。ピンチをチャンスに変え、新しい挑戦が始まった

ー30年間の中で1番、ピンチだったことはありますか?

そうですね、2004年頃、ITミニバブルで業界自体が人材不足になりました。当社も人材不足になるので、新卒を中心に20人程度採用していました。一生懸命採用した約2年後、リーマンショックでバブルが崩壊しました。2007年には、社内失業率30%程度にまでなったときは、ピンチだと思いましたし、苦しかったですね。しかし、その年に、iPhone が発売され、社内から「これからはスマホの時代だから、スマホ用のアプリ作りましょうよ!」という声が上がり、新規事業としてiPhone向けアプリ開発をスタートしました。その時に作ったのが「ソリティアV」でこれが総合無料アプリのダウンロード1位を取り、2009年に無料アプリ総合DL1位獲得・100万DLを突破し、広告収益が上がるようになっていきます。そして、2009年〜2011年までにクライアント企業のスマホアプリを300個ほど開発・リリースし、2011年には広告配信最適化エンジンを開発したことから、広告収益が急上昇していきます。

ここ数年の取り組みとしては、ブシロード社とスマホ向けゲームプラットフォームの構築・運営で資本業務提携を締結し、キンプロやブシモのWebアプリケーションとスマホアプリのマルチプラットフォームをフルスクラッチ開発したり、セキュリティビジネスやブロックチェーンテクノロジーにチャレンジするなどしてきました。また、2019年に株式会社CryptoLabを設立し、ブロックチェーンビジネスの構築支援や世界中で急速に活用研究が進んでいるブロックチェーン技術を活用したSNS型評価プラットフォームの開発などを行いました。CryptoLabがビジネスモデル、サービスモデル・アーキテクチャーなどのコンサルティングを行い、ピー・アール・オーが、そのブロックチェーン技術を活用したシステムの要件定義から設計、開発、実装などを主に担っています。

これまでを振り返って思うのが、「現状維持は下降線だと捉え、常に新規ビジネスにチャレンジしてきたこと」や「ピンチを“変化するチャンス”と捉えられてきたこと」が、今も会社を続けてこられた要因だったと思います。中小企業の存続において、10年存続する会社は100社のうち2〜3社、20年存続する会社は1000社のうち2〜3社、30年存続する会社は10000社のうち2〜3社などを言われますが、事業継続するには、変化を楽しむことや好奇心を持ち続けることがとても大事だと思います。


DX化の加速。新たな進化のきっかけに。

ーコロナ禍で社会や企業のDX化が加速されていると思いますが、現状をどのように見ていらっしゃいますか?

僕自身、DXコンサルティングをやっているので、企業のDX推進が加速していると実感しています。これまでは、大企業が大手SIerと一緒にDX化を取り組んでいたことが多かったと思いますが、当社のクライアントの中心となる売上が50億円〜1000億円位の中小企業やベンチャー企業もDXに対する取り組みを加速していますね。しかし、お客様先の情報システム部門が小規模だったりするので、ノウハウやスキルが持ち合わせていないケースも多く、そうなると当社のような小回りが利くSIerに声がかかってきている感じですね。また、一度、大手SIerを活用して自社のDX化に取り組んでみたけど、あまりうまくいかなくて現状を改善したいというお客様からの相談も増えてきているように感じます。

当社としては、DX化の波は、とてもビジネスチャンスですし、僕らがその企業のプライムベンダーとして新しい取り組みを行える機会だと感じています。また、社内でDX推進プロジェクトも立ち上げ、僕ら自身がDX化することで、お客様のDX推進に役立てるだけではなく、新しいプラットフォーム開発をするきっかけにできるのではないか、と考えていますね。

ーこれまで新規ビジネスで実績を積み重ねてきていますが、今後取り組みたいことはありますか?

ブロックチェーン技術を活用し社会や企業のDX化を推進したいですね。ピー・アール・オーの子会社であるCryptoLabでは、世界中で急速に研究・開発が進んでいるブロックチェーン技術を活用したSNS型評価プラットフォーム「ScoreBase」やブロックチェーン技術を利用した高セキュリティな個人情報認証サービス「BaaSid Service」、分散型データストレージサービス「BaaS DeStorage」などを展開しています。

「ScoreBase」の評価対象は日本のみならず、世界中に広がりつつある仮想通貨やブロックチェーンプロジェクトであり、監査機関、セキュリティ/テクノロジーの専門家、投資家、取引所などのステークホルダーが参加し、様々な角度から評価することを可能とする仕組みで、これらの評価者を評価する相互評価を可能とすることで、偏りのない正当な情報が発信できるプラットフォームです。これまでは、対象が仮想通貨やブロックチェーンプロジェクトでしたが、今後は、一つの元本性のあるデータが合意によって物理的な立ち会いをなしに構築できるメリットを活かして、その評価対象をECサイトやヒューマンリソース、中古車販売、中古物件販売など、様々な領域に展開していきたいと考えています。

また、「BaaSid Service」や「BaaS DeStorage」では、ブロックチェーン技術を活用した高セキュリティな個人情報認証やデータを分散保管し、外部攻撃に強く強固なセキュリティを持ったDB構築を可能にするサービスを展開しています。こちらは、社会や企業のDX化が進んでいく中で、デジタル上で攻撃を受けたり情報の漏洩や改ざん・悪用される可能性が高まるため、セキュアな情報共有や耐改ざん性、ガバナンスを保つなど重要な役割を担っていくことができると考えています。今後、ブロックチェーン技術は、よりデジタルの利便性を高め、デジタルのエコシステムにおけるインフラの一つになっていくのではないか、と考えています。

ピー・アール・オーとしては、CryptoLabと連携し、ブロックチェーン技術を活用したシステム開発実績も日に日に増えています。今後は、これまで積み重ねてきたブロックチェーン技術を活用したシステム開発実績をピー・アール・オーの一つの武器として研鑽を続けるとともに、企業のDX化の実績も積み重ねていき、ブロックチェーン技術で社会や企業のDX化を推進し、そして、近い将来、“DXプラットフォーム”を構築したいと考えていますね。



■終わりに


これからも株式会社ピー・アール・オーは『フルスタックカンパニー』として、個性×技術×アイデアで喜びと驚きを創造し、提供し続けます。

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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