私と先生と天体写真と

 それは中学1年生の時、理科の先生が優しくてユーモアのあるイケメンで、子供でかつ同じ男として、初めて憧れた大人という先生でした。
 小学三年生辺りから天文学に興味を持ち始め、でも当時の自分は天体望遠鏡のカタログを眺めたり天文雑誌を読む程度。でもその先生が天文に詳しいとわかり、天体写真の撮り方を教えてもらったりしました。
 当時父親が持っていた一眼レフカメラを借り、初めて星夜写真を撮影。もっとも、自動露出も自動フォーカスもないメカニカルな写真機。フィルムも白黒。それでも、フィルムに写った星々に感動した物です。
 その先生は、8年間にわたり、星に纏わる話を「はとぶえ会」の会報に寄稿されており、その話を集めた「星のはなし」という本を製本されました。私は当時その本を手にした時、宝物を手に入れたような感動を覚えた物です。
 しかしながら、当のその先生はその本を手にすることなく若くして病気で亡くなられました。私は、身近で、しかも憧れの先生が死ぬというショックに涙したことを今でも覚えています。
 そんなことがあり、私には天文学=その先生=何かもの悲しいもの、という風になってしまいました。もっとも、それはいつの間にか星に対する静かな情熱となって、ずっと私の心に生き続ける事になったのだと思います。

 えっと、おかしいな、いきなり悲しい話から始まってしまった。
 こうやって書き始めると、やはりこの件はいつまでも私の心に残っているのだなと改めて認識させられます。

 さて、いつかきっとまた天体写真をと思いながらそんな機会もなく、既にそれから○○年経ちましたが、最近とうとう機材を揃えて天体写真にチャレンジしてみました。
 なお、全くの初心者、かつ、機材も最低限なので、その辺りはまあ温かい目で見て頂ければ(笑)

 揃えた機材は以下の通り。
カメラ:Canon EOS-RP + RF 24-240mm f4/6.3 IS USM
(もともとカメラが趣味なので、これはそれなりの性能です)
天体望遠鏡:ミード Infinity102AZ(屈折望遠鏡、口径102mm、焦点距離600mm、F6)

 初写真は、カメラ単体で、ネオワイズ彗星。家の近くで見える場所を見つけて撮影できた。結構もたついて撮った割には上手く撮れた。ビギナーズラックでした。
 なお、場所は北米ノースウェスト、オレゴン州とワシントン州の境目辺りです。

画像1

天体望遠鏡を使った初めての写真は、これ。月、木星、土星。

画像4

画像2

画像3

 この微妙にぼやけていびつな画像がなんとも可愛くないですか?(笑)
 なにせ、初めてなので、取りあえず望遠鏡の視野に入れるだけでも必死。ピントも良く分からない。これだけ撮れただけでも奇跡です。
 さて、上記の写真は、天体望遠鏡についてきた経緯台を使ったのですが、初心者用目視用ということもあり、カメラを繋げると安定性が全くない。ちょっと触るだけで揺れまくり。星が動くのも早く、さすがにこれは無理という事で、赤道儀を導入することに。

次回は、赤道儀導入後の話を予定。



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