見出し画像

英語ってどう勉強したらいいの?プログリット流 「英会話の5つのステップ」と課題別学習法

こんにちは。プログリットで英語コンサルタントをしているデイビッドです!

ここ数年、新たな分野や職務で新しいスキルを習得する「リスキリング」が注目を浴びていますが、リスキリングに関する調査アンケートなどを見ていると、身につけたいスキルとして度々ランキング上位に入ってくるのが、英会話などの語学スキルです。

多くの人が習得したいと考える英会話力ですが、いざ英語学習を始めようと思った時、とりあえずオンライン英会話を始めればいいのか?単語をたくさん覚えれば話せるようになるのか?何からスタートすれば良いのか分からないと悩む方はとても多いです。

また、始めてみても、伸びている気がしない、この学習法でいいのか?と学習法に納得感がないことで不安になってしまい、いろんなやり方を試してはやめてを繰り返している、という話もよく聞きます。

英語学習は、なんとなくで始めてしまっては習得に多大な時間を要します。

学習の効率を上げて最短で英語力を身につけるためには、英会話における自身の課題を明確にし、その課題を解決するために必要な学習法を実践していくことが重要です。

「英会話ができない」と言っても、何がネックになっているのかは人それぞれであるため、プログリットにおいても、一番はじめはお客様が「英会話ができない原因」を明確にすることから始めます。

この課題を明確にする際に使用しているのが、応用言語学から導いた「英会話の5ステップ」というフレームワーク。この学習フレームワークを用いて、お客様一人ひとりに必要な英語学習をご提案しています。

今回は、この英会話の5ステップと、課題別の英語学習法についてお話しします!

英会話の5ステップとは

英会話の5ステップとは、英語を聞いてから話すまでの一連の流れを5つのステップに分解したものです。

英会話は、まず当然ながらリスニングとスピーキングの2つのステップに分解することができます。リスニングは音声知覚と意味理解の2ステップ、スピーキングは概念化、文章化、音声化の3ステップにそれぞれ分解でき、下記の通り、合計で5つのステップに分解することができます。

図にある「知識データベース」とは、頭の中に蓄積されている単語や文法、発音など、英語に関する知識のことを指します。

この5つの一連のステップを滞りなく処理できるようになると、スムーズに英会話ができるようになります。

英会話ができない人はどこかのステップで問題が生じているわけですが、先ほどもお伝えした通り、どこのステップで躓いているのかは人それぞれ。

ここからは、各ステップで何が行われているのかをご説明していきます。

リスニングの2ステップ

まずは、リスニングの2ステップについてご説明します。

①音声知覚

音声知覚とは、聞こえた音がどんな音なのかをキャッチするプロセスです。

例えばこのような音が聞こえてきたとします。
[アィ プドフ ザ ミーリン]

こちらは、[I put off the meeting.] という英文が発音された時の音をカタカナにしたものですが、[アィ プドフ ザ ミーリン]と聞いて、[I put off the meeting.] であると認識するのが音声知覚です。

もう少し詳しく説明すると、
耳に何か音が入ってきた時、脳内にある知識データベースにアクセスし、そのデータベースの中から正しい音を取り出して、聞こえてきた音が[I put off the meeting.]だと認識すること、これが音声知覚です。

音声知覚

「文字で読めば分かるけど、音で聞いた時は何が何だか分からないor考えてしまう」という方は、音声知覚に問題があるかもしれません。

②意味理解

意味理解とは、音声知覚した文章の意味を理解するプロセスです。

つまり、音声知覚した[I put off the meeting.]が、「ミーティングを延期した」という意味であることを理解するステップです。

音声知覚の時と同じく、知識データベースにアクセスし、今回は音ではなく、単語や文法の知識を取り出してくることで、英文の意味を理解します。

意味理解

「ゆっくりなら理解できるけど、速すぎると理解が追いつかない」という場合は、意味理解に時間がかかり過ぎている可能性があります。

スピーキングの3ステップ

スピーキングは3ステップあります。

①概念化

概念化とは、何を話すか、どんな内容を伝えたいかを考えるステップ。

例えば、先ほどの[I put off the meeting.]という英文を聞いた時、それに対してどう返事をするのかを考えるステップが概念化です。

②文章化

文章化とは、概念化のステップで考えた内容を英文に変換するステップです。知識データベースにアクセスし、そこにある単語や文法を組み合わせて英文を作ります。

例えば「次回のミーティングの日程を教えてください。」という日本語を、[Please tell me the new schedule of the meeting.]という英文に変換する。
これが文章化です。

「単語や文法はある程度知っているのに、言いたいことがパッと出てこない」という方は、文章化に課題がある可能性が高いです。スピーキングにおいては、ほとんどの方が文章化に課題があります。

③音声化

音声化とは、文章化のステップで頭の中で組み立てた英文を、実際に声に出すステップ、いわゆる発音をするステップです。

課題別の学習法

ご自身の課題が何なのか、何となくイメージがつきましたでしょうか?
ここからは、それぞれのステップごとに効果的なトレーニングをご紹介していきます。

音声知覚を鍛えるには

音声知覚を鍛えるのに有効なのは、「シャドーイング」というトレーニングです。
シャドーイングとは、英語の音声を数語遅れてそっくりそのまま発話するトレーニング。「そっくりそのまま」というのが肝で、音を正確に捉えて発話することで、音をキャッチする精度やスピードが上がります。

シャドーイングのやり方については、下記記事で詳しく解説されているのでご興味ある方はぜひご覧ください。

意味理解を鍛えるには

意味理解を鍛えるためには、文章をたくさん読む「多読」というトレーニングが効果的です。多読とは、文字通りたくさんの英文を読むトレーニングです。

リスニングなのにリーディング?と思った方もいるかもしれませんが、リーディング学習でリスニングの意味理解は鍛えられるんです!

耳から入ってきた音の情報の意味を理解するのと、目で見た文字の意味を理解する意味理解のプロセスは、リスニングにおいてもリーディングにおいても同じだからです。(下図参照)

音声知覚が苦手な方は特に、リスニングの意味理解はリーディングで鍛えることをおすすめします。
リスニング教材で意味理解を鍛えようにも、音声知覚することに集中してしまい、意味理解の学習にならないからです。

リーディングは意味理解にフォーカスしてトレーニングをすることができるため、リスニングの意味理解力を鍛えるにはうってつけの方法です。

多読のやり方について、詳しくはこちらの記事でご紹介しています。
多読と言っても自分流でたくさん読めばいいということではなく、ルールを守って読むことで効果が出るため、トライしたい方はぜひご覧ください。

概念化を鍛えるには

自分の言いたいことを考えるステップにトレーニングが必要なのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本語が母語の方にとっては、概念化で意識して行うべきことがあります。

それは、シンプルな日本語で考える、ということです。これはつまり、自分が英語で作れる文章レベルの内容で日本語を考えるということです。

例えば、「健康を維持するために、毎日栄養価の高い食べ物を摂取するように心がけている」という日本語をそのまま英語にしようとすると、「維持する?」「栄養価が高い?」「摂取する?」「心がける?」と、なかなか簡単には英文にできそうにありませんよね。

しかし、この文章を「健康のため、毎日良い食べ物を食べている」という日本語に変換できるとどうでしょうか。随分英語の文章を作りやすくなりますよね。

母語の日本語で考えると、言いたいことがつい難しい言葉になってしまいがちです。簡単な単語にしたり、文章を短くしたり、自分の英語レベルにあった概念化をするよう意識することが、英語を話せるようになるコツです。

シンプル化力を鍛えるには、オンライン英会話等のアウトプット学習をした際に復習を行うのがおすすめです。
・言いたいことはあったのにうまく話せなかった内容を書き出す
・それを平易な日本語に直す
・英訳する
これを継続することで、徐々に概念化がスムーズになっていきます。

文章化を鍛えるには

文章化のトレーニング方法としては、日本語の文章をできるだけ早く英文に変換して発話する「口頭英作文」が有効です。

自分の頭の中にある単語と文法を素早く組み合わせて英文にするトレーニングを重ねることで、徐々に文章化のスピードが上がってきます。

市販の教材を使った口頭英作文のやり方をこちらでご紹介しているのでぜひご覧ください。

音声化を鍛えるには

音声化は、リスニングの音声知覚を鍛えるトレーニングでご紹介したシャドーイングである程度鍛えることができますが、プログリットでは発音向上のためだけのトレーニングをすることは滅多にありません。

なぜなら、多少発音が訛っていたとしても相手に意味は伝わるため、英会話において100%正しい発音を目指す必要はないからです。

世界の英語話者においては、ネイティブスピーカーより非ネイティブスピーカーの方が多い時代です。多少の訛りはむしろアイデンティティと捉えても良いのではないかと思います。

音声化よりも、他のステップを優先して学習することをおすすめします。

知識データベースを鍛えるには

各ステップで何が行われているかを読んでいただければ分かる通りですが、リスニングにおいてもスピーキングにおいても、そもそも知識データベースに英語の情報が入っていなければ始まりません。

特に初級者の方は、知識データベースに単語や文法の英語の知識を蓄えることを最優先で行うべきです。

単語学習については、こちらの動画でやり方をご説明しているのでよければご覧ください。

文法についてですが、英会話においては難しい英文法を知っている必要はありません。ネイティブの英会話でも、使われている英文法はほとんどが中学校で習うレベルのものです。

中学校の英文法がある程度問題ないという方は、あえて文法に特化した学習を行う必要はありません。不安な方は、中学英文法を総ざらいできるような教材で復習してみてください!

終わりに

今回は英会話の5ステップと課題別英語学習法についてご紹介しました!

英語学習をする際には、この学習を何のためにやっているのか?、どこを鍛えるトレーニングなのか?、学習の目的が明確になっていることで、納得度高く学習することができ、効果がアップします。

英語学習を始めようと考えている方は、やみくもに学習するのではなく、ぜひご自身の課題発見から始めてみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?