史上最強のアナボリックステロイド 〜THG〜
1.THGとは
THGは「デザイナーズアナボリックステロイド」と言われる化学者が分子構造をオーダーメイドで作成したアナボリックステロイドです。
アメリカの化学者が当時のドーピング検査を通り抜けられる様に作った経口摂取型のアナボリックステロイドであり、実際にドーピング検査で検出されたのはTHGが開発されてから5年後です。
それでは通常のテストステロンとTHGの構造を示します。
あまり変わらないと思うかもしれませんが、この少しの変化を付ける為に化学者は意外と苦労します…
この構造の変化によって次の効果が現れました。
・テストステロンの50倍の筋肥大効果
・2003年当時のドーピングチェックで検出されなくなった
・糖質コルチコイド受容体と高い親和性をもつ
驚異的な変化です。
これらの驚異的な性質はどの様にもたらされるか、どの様な特徴があるのか、専門的な知見も含めて解説していきます。
このnoteはTHGの使用を推奨するのではなく、正しい知識を付けていただくために執筆しています。
2. 筋合成促進の仕組み
THGはアナボリックステロイドの一種であるため、筋肥大効果を引き起こす過程は他のアナボリックステロイドと同様です。今までのnoteにも記載しましたが、アナボリックステロイド(今回はTHG)が筋肥大を引き起こす仕組みを以下に示します。
❶THGが細胞に届く
❷ステロイド骨格を保つ為細胞膜を容易に通過する
❸細胞質にあるアンドロゲン受容体と結合する
❹核膜孔を通り核内に侵入する
❺タンパク質を過剰に合成するように標的遺伝子の転写活性を調節する
❻過剰にタンパク質を合成する情報が込められたmRNAが作られる
❼mRNAが核膜孔を通り細胞質中のリボソームと結合する
❽リボソーム(肝臓が主)でタンパク質が合成される
アナボリックステロイドの筋肥大効果の強さは次のバラメーターで決定されます。
① アンドロゲン受容体との親和性
② 体内動態
③ アロマターゼとの反応性
次の章ではTHGが①②の点において何故最強の筋肥大効果を生み出すのか解説していきます。
3.THGが最強の筋肥大効果を導く理由
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