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大阪大学 Innovetor’s Club × Progate Path共催 ミニハッカソンを開催しました

2024年4月20日、イノベーション・新規事業・スタートアップ・学生起業等に興味のある人たちが集まるコミュニティとして、2017年10月1日に設立された「大阪大学Innovetor's Club」と、エンジニア実務に繋がる経験が積めるプログラミング学習サービス「Progate Path」の共催として、ミニハッカソンを開催いたしました。

この記事では、今回のハッカソンの開催目的や当日の様子などをイベントレポートとしてご紹介していきます。

今回の講座ではチーム開発の経験と楽しさの体感を重視

「大阪大学 Innovetor's Club」は、「社会に新しい価値を生み出すこと」に関心のある学生・大学院生・若手研究者等ならどなたでも随時参加できる、オープンなコミュニティです。大阪大学の学生・大学院生・若手研究者を中心として、1,000名以上が所属しています。

このようなコミュニティに所属し、起業やイノベーションに興味のある若手人材の中にはプログラミングに興味を持つ方も多く、学習ニーズが高まっています。
そして、起業やスタートアップで活躍するためには、大学の授業で学ぶような理論や情報科学、プログラミング言語の文法だけではなく、「現場の生きた知識」の習得も求められます。

しかし、「現場の生きた知識」を教えることは教材の作成に手間やコストがかかる他、学内で実際に現場を体験できる機会を得ることが難しいことも多く、どれだけ興味がある人が増えていたとしても、教育体制を整えたり講座の開設を進めるのが難しいのが現状です。

そこで”、開発現場で直面するような課題を学習テーマとして取り扱っている「Progate Path」を教材として活用し、Progateで活躍する現役エンジニアがメンターとしてサポートをしながら実務の擬似体験をしてもらう今回のハッカソンを企画しました。

現場での開発においては必ずと言って良いほど「チームでの開発」を行う機会に直面します。しかし、一緒に開発する仲間を見つけたり、そもそも「何を開発するのか」といった目的がないとチーム開発にチャレンジする前の段階でつまづいてしまうことも多く、学生のうちにチーム開発を経験できる機会を見つけられる方ばかりではありません。

今回のミニハッカソンでは、プログラミング初心者の参加者が多いということもあり、技術力の向上やプログラミングスキルの習得はもちろんですが、「まずはチームで開発する楽しさを感じてもらう」という点に重きをおき、プログラムを設計しました。

プログラミング未経験でもスムーズに参加できるミニハッカソン、実際の現場でも使われる手法を活用してチームで開発

今回のミニハッカソンのテーマは「Webページのレイアウト作成」です。
Webページは身近なものでありつつ、自分の書いたコードが成果物に反映される様子が分かりやすく、コーディングの難易度も高くないため、プログラミング未経験の参加者が多い今回のミニハッカソンに最適なテーマとして採用しました。

参加者同士で3〜4名のチームを組み、2時間という限られた時間の中で見本となるWebサイトの見た目により近づくよう、HTML/CSS/JavaScript を活用したコーディングにチャレンジします。
「どれだけ見本のサイトの見た目に近づけることができたか」をスコア化して、成果物の完成度を評価しました。

この日のために用意された「Webサイトのレイアウト作成」という課題では、あらかじめ用意されているHTMLのコードに対して、見本となるWebサイトの見た目に近づくようにCSSを実装しました。元となるコードがあらかじめ用意されていることで、企画やセットアップに時間を取られることなく、Webページのレイアウトをスムーズに体験できるようになっています。

採点は自動テストを用いて、見本と成果物の差異を判定します。
採点対象となる4箇所に対して0〜100点の間で採点が行われ、130点以上で合格となります。

テーマとなったProgate Path のタスク「Webページレイアウトハッカソン」の採点基準

実際の開発現場でもゼロから新しくコードを書くことは少なく、既存のプロダクトに参加して開発を行うケースがほとんどです。見本を見たり既存のコードに変更を加える課題では、現実の開発体験により近い経験を積むことができます。

また、今回は「モブプログラミング」という開発方法を採用しました。
モブプログラミングでは一つのモニターに複数名が向き合いながら開発を行います。今回は「Live Share」という実際の開発現場でも活用されているVSCode(※1)の拡張機能を活用しました。
(※1…Visual Studio Code、Microsoft社が提供している、高いシェア率を誇るソースコードエディター)

この開発手法ではチームの誰かが一つのモニターに成果物のプレビューを映し出し、全員でそれを見ながら開発を進めるため、メンバー間でのコミュニケーションが自然と生まれやすくなります。今回は初対面同士の参加者も多かったため、このようなコミュニケーションが生まれやすい開発手法を採用しました。

モブプログラミングは、複数人が同時に同じ開発課題に向き合うため、メンバー全員で議論したり、その場でフィードバックをしあったりすることができます。メンバー間での知識の共有にも繋がるため、今回のように短時間で成果物を開発する場で効果的です。

そして、今回のミニハッカソンで最も特徴的な点は、講義がほとんどなく「Progate Path」を教材としてハンズオン形式で手を動かしながら学ぶという点です。Progate Pathを活用することで「現場の生きた知識」に近い体験が積めるポイントとなりました。教材について簡単にご紹介します。

Progate Path の学習で実務に近い開発体験

Progate Pathは「実務の擬似体験」ができるプログラミング学習サービスです。事前に細分化された学習テーマ毎に題材となる課題とコードが用意されており、学びたいテーマを自由に選び学習に取り組むことができます。実際に現場で活躍しているエンジニアが教材や講座のプログラムを設計しているため、トレンドや学習目的に合わせた現場の生きた知識が教材に反映されています。

Progate Pathの正誤判定にはProgate CLIというコマンドラインツールを導入しており、このツールでは学習者がローカル環境で書いたコードの実行結果を確認することができます。ローカル環境で演習結果を実行することで、VSCodeなど実際の開発現場で使われているツールを活用したり、実務における開発フローに沿って課題に取り組むことができます。

さらに、Progate Path以外にも「Progate」を用いて様々なプログラミング言語の基礎文法を学ぶことができるので、Progateで基礎知識のインプットを行い、Progate Pathでアウトプットを行う、といった学習サイクルを構築することができます。

今回のハッカソンでも、学習目標によって細かく切り出された課題をテーマにしたProgate Pathの教材を活用し、実務に近い開発に取り組みつつ、不足している基礎知識はProgateで学ぶことで一貫した学習フローを提供できました。

チームで楽しむ2時間の挑戦、初めてのプログラミング体験を通じた成長

真剣に課題に取り組む参加学生たち

今回のミニハッカソンは2時間という短い開発時間での挑戦でしたが、「技術力の向上よりも、まずはチームでのものづくりを楽しんで欲しい」という狙いの通り、チーム内で活発にコミュニケーションを取りつつ、協力して開発を進めている様子が見られました。

授業では体系的に1から学ぶことが多いですが、今回のハッカソンでは実際のWebサイトのコードを模写し、自分の手で書いたコードが動くことを体験してもらいました。

参加学生の皆さんは最初こそ初めてのプログラミングやメンバーに対して緊張している様子も見受けられましたが、開発を進めるうちに会場はどんどん和気藹々とした雰囲気に。
チーム内で議論を行ったり、メンターへ質問を積極的に行うなど、試行錯誤を繰り返しながらものづくりを楽しんでいました。

実際のエンジニア業務では、0からプロダクトを作ることは稀です。元々存在しているコードを読み解き、そのチームの開発に参加していきます。今回は2時間という短い時間の中で実際に現場で使われているコードを読み解いて模写し、自分たちなりにアレンジするという実践的なアプローチを通じて、机上の知識ではなく、血の通った知識を身につけてもらうことができました。ほとんどの方がプログラミング未経験に近い状態でしたが、チームで共に学び、試行錯誤しながら一緒に成長していく姿が印象的でした。授業や書籍でプログラミングの文法を学ぶだけでは得られない、開発の楽しさを知る貴重な経験となったのではないかと思います。

また、「わからない」という経験も、一人で学んでいては絶望的な挫折に繋がりがちです。しかし、動く成果物を前にチームで試行錯誤することで、わからないことを皆で共有しながら解決に向かって努力する、楽しい挫折体験をしてもらうことができました。「できた!」という成功体験の後で、「もっとこうするにはどうしたらいいんだろう?」といった疑問が生まれていたので、今回の経験を今後の学習に活かしてくれることを期待しています。

成果発表時にも「力不足を感じた、もっと学んでいきたい」と今後の学習意欲を輝いた顔で語ってくれる様子が見られました。

このイベントを通じて、参加者の皆さんは”自分の手でプログラミングを活用したものづくり”を経験し、さらにはチームで協力しながら目標を達成する楽しさを実感することで、次のステップに向けた自信をつけてもらうことができたのではないかと思います。

「大阪大学 Innovator’s Club」矢倉 誠人様からのコメント

プログラミングを学びたいという学生は大阪大学の中にもたくさんいます。今回このような学びの機会を提供いただいてたいへんありがたいです。これを機にプログラミングを学んで自分のアイデアを形にしてみようという学生が増えれば嬉しいです。ありがとうございました。

Progate Pathでは大学と連携した授業・講座の学習プログラム設計をサポートしています

今回は「大阪大学 Innovator’s Club」主催、Progate Pathが開催協力を行ったミニハッカソンイベントについて紹介してきました。

Progate Pathでは学生コミュニティでの勉強会やハッカソンの開催以外に、大学と連携した授業や講座の開設、学習プログラムの設計サポートにも積極的に取り組んでいます。

  • 「実務」「現場の生きた知識」などをキーワードとしたプログラミング教育を実施したい

  • プログラミングの授業や講座を開設したいが、シラバス設計や教材選択に悩んでいる

Progate Pathでは、これまでにもProgate Pathの教材と開発チームのハンズオン形式の講義を組み合わせて短期間でエンジニアスキルを習得する「全力サポートプログラム」を開催するなど、「自学×現役エンジニアのハンズオン講義」でエンジニアを育てる知見が蓄積されています。

課題をお持ちの大学関係者のみなさま、ぜひ一度Progateにご相談ください。

Progate Pathは今後も「エンジニア実務に繋がる経験が積める」「チームでのものづくり経験が積める」機会を、学生のみなさまに提供してまいります。

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