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オンライン遠隔授業成功までの道程 (4)

僕は基本的に、抵抗勢力である。新しいことにチャレンジしたり、これまでと変わったことをすることが嫌いで、なんとか今まで通りできないかと考える。しかし、僕のような抵抗勢力は特別不思議な存在ではない。マーケティングでは、僕のような抵抗勢力のことを、アーリーマジョリティだとかレイトマジョリティと呼ぶ。

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「マジョリティ」なので、抵抗勢力とは特段不思議な存在ではない。そもそも新しいことを積極的にやろうとするのは、イノベーターとアーリーアダプターの16%程度で、こちらのほうが実際は異端な存在だ。

僕は名古屋商科大学に移籍するまで、国立大学に在籍し、ほぼ全員が抵抗勢力のような存在であった。文部科学省から「先進的な取り組みを」と言われても、「総論賛成、各論反対」とか「面白い取り組みだが、時期尚早」とかいう話だけで、何も変わらない。変わらずに行けるところまで行こう!というのが基本哲学だった。本当に日本人らしい、日本の組織を代表する、日本とは抵抗勢力であるという哲学を体現する、日本に数多みられる組織だった。

歩く「建学の精神」

名古屋商科大学の建学の精神は、「フロンティアスピリット」である。

「建学の精神」とか「社是」「企業理念」とかいろいろあるが、そんなものは額縁に飾って埃をかぶっているものだと、僕は考えていた。ところが、名古屋商科大学では、僕の目の前に、歩く「建学の精神」が存在する 笑。名古屋商科大学理事長栗本先生にスカウトされて、僕は名古屋商科大学に移籍したのだが、それから2年弱、栗本先生を横から眺めていると、オンラインMBAを立ち上げたり、矢継ぎ早に東京校、大阪校を拡大したり、書籍出版プロジェクトを立ち上げたり、霞が関との交渉も自ら積極的にガンガンこなし、と、「LEON」好きのちょい悪イケメン風でありながら、道なき道を切り開いていく。今回のオンライン遠隔授業も同様だった。「教育を止めない」と決めたら、絶対に止めない。その執念と道なき道を切り開く哲学で、今回のオンライン遠隔授業は成功をつかみ取った。

リーダーの条件

世の中には、数多リーダーの条件が提示されている。

しかし、リーダーの本質、リーダーの条件とは、究極これだけだ。周りがそのリーダーのためになにか協力したいと思うこと。名古屋商科大学理事長栗本先生と、東京でも名古屋でもお茶をご一緒することが多いのだが(実際には、ワインを飲んでいるのだが)、常に道を切り開こうとしている。そして、誰かに丸投げするのではなく、自分自身で道を切り開こうとしている。理事長というものは理事長室でふんぞり返っているのが普通だと思うのだが、常に現場の最前線にいる。今回のオンライン遠隔授業でも全週末、常にどこかスタジオブースのそばで、僕たち教授陣をサポートしてくださっていた。その姿を横で拝見していると、抵抗勢力の僕ですら、何か協力したくなる。これが、リーダーの本質だろう。

ということで、(3)の最大の功労者であるNUCBのスタッフの頑張りに対してもそうだが、僕は名古屋商科大学の新たなチャレンジに、自分のできることを協力することにした。次回は、同僚の教授陣の取り組みについて振り返りたい。


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