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臨床心理士・公認心理師が独断と偏見でコーピングをランク付けしてみた

はじめに

弁護士はどんなストレス発散をしているのか!?

専門職団体アミでは、弁護士の先生方に普段どのようなストレス発散をしているか、20名程度の方に協力していただき、アンケートを実施してみました。

中には興味深いものもあり、大変楽しい企画となりました。

実は、心理学の世界ではストレス発散のことを「コーピング」と言ったりします。

コーピングは「質より量」と言われることもあります。自分にとってストレスの発散方法になっていれば、基本的にどんなものだってかまいません。

しかし、中には「要注意」と言うものもあります。

果たしてどのようなコーピングは注意が必要なのでしょうか?

そして、弁護士は要注意なコーピングをしてしまっているのか?

今回は「弁護士がやっているコーピング ワースト3」を臨床心理士・公認心理師が独断と偏見でランク付けしてご紹介(他の臨床心理士・公認心理師の方が記事を書くと、ランキングが変わることもあります!)。番外編で、トップ3もありますよ!

あなたのやっているコーピングは、ワースト3に入っているのか!!??

ドキドキしますね・・・・・・!

前置きはこの辺にして、早速ランキングを確認していきましょう!

なお、今回のアンケートで集められたストレス発散方法は以下です。

・仕事をする場所と自宅の場所を分ける(川を挟んだ場所に家を借りて,橋を渡り終えたら仕事を忘れる)
・土日には一切携帯や会社PCを開かない
・性的に奔放になる
・定期的にジムに通う
・美味しい物を食べる(体重が増加傾向にあります。)
・アマゾンとかでちょくちょく買い物をする
・ソシャゲに課金する(数万単位)
・毎週末温泉に行く
・飲みに行きたいけど行けないのでZOOM飲みで妥協
・自炊
・飲酒
・自動車運転
・ファッション
・飼っている猫、猫の動画を見る。猫をモフモフ(ぎゅっと)する。
・タバコを吸う、手巻きたばこを無心で作る
・ジムに行く
・ゲームをする
・事務所の人でも家族でも話をすること
・仕事とは全く関係のない話をする(大学時代のバカ話など)
・大量の本を買い込む
・Twitterの別アカウントで愚痴やため込んだことを吐き出す。
・恋人・夫婦でデートする
・人に愚痴る
・一人カラオケに行く
・漫画を読む(仕事の合間や休みの時)

あなたが考える、「要注意」なコーピングはありましたか?

心理士が選ぶコーピング ワースト3

まずはワースト3から参りましょう。

心理士が選ぶコーピング ワースト3は……

です。

意外に思われましたか?

もちろん、温泉につかるのは、とってもいいコーピングではあるんです。

温泉は、普段家のお風呂ではなかなか味わえない効用がたくさんあります。
ゆったりと足を延ばしてくつろげたり、温泉から上がったあとのフルーツ牛乳なんて最強です。

温泉後のフルーツ牛乳でご飯何杯でもいけます←

ではどうして、今回ワースト3になっているのか?

それは、「毎週末」という点からです。

温泉には特大のコーピング力があります。たいていの疲労なら温泉につかるだけで吹っ飛ぶと言っても過言ではないでしょう。

でもね、だからこそこの回答をしてくださった方のことが心配なのです。

もしかして、平日の疲れやストレスを、日々ひたすらため込んではいないでしょうか?

ため込んだ疲労やストレスを、温泉で一気に発散させているのではないでしょうか?

最初にも申し上げたとおり、コーピングは「質より量」

もし、「毎週末の温泉」以外にコーピングがないのであれば黄色信号です。

弁護士というお仕事の性質上、なかなかゆっくりできる時間がないのでしょうが、やっぱりそれでも身体が資本です。

一日5分でもいいので、仕事から離れてお茶やコーヒーを飲みながらボーっとするような時間も作ってくださいね!

でも、これだけ頑張っているあなたのこと。
「ボーっとするなんて、非生産的だ」と思われたのではないですか?

わかりました。

では、「これはコーピングという生産的なことをするために、意識的に取っている行為だ」と思いながらやってみるのはどうでしょう?

コーピングは「意識的にやる」ことで、効果が高まることが知られています。

是非、何か普段の生活で気軽にできるコーピングを見つけてみてくださいね!

心理士が選ぶコーピング ワースト2

ワースト3の話が思ったよりも長くなってしまいました。

サクサク行きましょう!

続いて心理士が選ぶコーピング ワースト2は……

です。

ここでは、「アマゾンとかでちょくちょく買い物をする」「ソシャゲに課金する(数万単位)」「ファッション(ブランド物の靴を大量に買いこむ)」を指しています。

とはいえ、買い物って、いいですよね(笑)

新しい服を買えばそれを着てどこかに出かけている自分を想像できるし、本を買えば新しい知識が得られる好奇心でワクワクするし。

けど、悲しいかな。
これが依存的になってしまうと危険です。

人間には耐性があるため、以前満足できていた量では満足できない身体にちょっとずつ変化していってしまうのです。

アマゾンもソシャゲもファッションも、消費者に時間とお金を投入させることに心血を注ぐことで成り立っている業態。

一度その手中に落ちたら、そこから這い上がってくるのは至難の業。

だから、買い物はほどほどにしておきましょう。
「買い物がストレス発散♪」という状態から、気が付いたら「買い物しないとストレスが減らない……」という状態へいってしまうリスクがありますから。。。

番外編  心理士が選ぶコーピング トップ3

心理士が選ぶコーピング ワースト1は……!

とその前に、「心理士が選ぶコーピング トップ3」も見てみましょうか。

トップ3

トップ3は、「仕事をする場所と自宅の場所を分ける」です。

常に戦闘(仕事)モードだと、神経がいかれてしまいます。
オンオフを切り替えましょう!​

仕事とプライベートを分けることの重要性は、過去の記事でも解説していますので、そちらも参考にしてくださいね!(https://note.com/profession_ami/n/n67cad0eb477f

トップ2

続いてトップ2は……「ジムに行く」です。

身体を動かすことは、心理学的にも有効であることが知られています。

その最たる例は、行動活性化療法というものでしょう。

行動活性化療法とは、(誤解を恐れずに言えば)日々の生活の中に達成感や充実感を感じる運動を取り入れることで、精神的な障害を治療していこうという心理療法の一種です。

運動がうつ病の治療にも効果があることが知られているのです。

そうまさに、
筋肉は裏切らないっ!! です!

(※ここではかなり雑に解説しています。より詳しく行動活性化療法についてお知りになりたい方は、こちらを参照してください。http://npsy.umin.jp/pdf/nyumon2.pdf

トップ1

そしてトップ1は、、、「恋人・夫婦でデートする」です!!!

身近で重要な人物との関係が良好であればあるほど、精神的な健康度が高いという相関関係があることが知られています。

ですから、恋人や夫婦でデートして楽しい時間を過ごせる関係性は、非常に理想的であると心理学的には判断できるのです。

「恋人も夫婦もいないんだけど・・・・・・」

と言う方、安心してください。
まずは涙を拭いて。

恋人や夫婦がいなくても、家族や親友、特に仲の良い友達などとの関係でも構いません。そういった人達との関係が良好でも、精神的に安定することが知られています。

どうでしょう?
次のお休みの日にでも、実家のご両親に久しぶりに電話してみてはいかがでしょうか?
(もちろん、各家庭色々な事情がおありでしょうから、一概に全員にお勧めするわけではありません)

心理士が選ぶコーピング ワースト1

さて、トップ3~1も見てきまして、残すところ「心理士が選ぶコーピング ワースト1」だけとなりました。

まぁ、でも、皆さん。ぶっちゃけ予想がついているのではないでしょうか?

そう、心理士が選ぶコーピング ワースト1は……

です。

もうこれは、心理士が選ぶ云々抜きにしてもダメですよね(汗)

「同意があればいいじゃない」という人もいられるかもしれませんが、性病のリスクや望まない妊娠のリスクなどを考えると、もはや当人同士だけの問題ではなくなってきます

心理学は心の健康を科学する学問ですから、「性的に奔放になる」というコーピングは心理学的に考えても、ワースト1とせざるを得ません。
人を傷つけるようなコーピングは、心理学的には赤信号中の赤信号です。

少し話がそれますが、そういえば最近も世間を騒がせる浮気に関するニュースがありましたよね。。。


え?「何があったの?」ですって?

それを知りたきゃ・・・

ネット見ろ!(そのニュースの当事者のセリフ)

まとめ

最後に、復習をしましょう。

臨床心理士・公認心理師が独断と偏見で選ぶ、弁護士がやってるコーピング

ワースト3は「毎週末温泉に行く」です。
温泉に行くのはグッドなコーピングですが、毎週末というのが気にあります。いつでもできる簡単なコーピングもあるとよいでしょう。

ワースト2は「依存傾向のあるもの」です。
耐性が付いてしまうと、かえってストレスになることがあります。

ワースト1は「性的に奔放になる」です。
人を傷つけるようなコーピングは赤信号です。

いかがだったでしょうか?

あなたがしているコーピングは入っていましたか?

もし入っていたとしたら、トップ1〜3を参考に、あなたにあったぴったりのコーピングを見つけてみてくださいね!

それでは次の記事でお会いしましょう!

(書き手:公認心理師・臨床心理士)

※困りごとには個人差もあります。困りごとをとらえる視点も様々であり、本記事はあくまで視点のひとつです。
ご自身のことで思い当たることがあったりする場合は、公認心理師や臨床心理士など心理の専門家の人に相談してみてください。なお、当団体が直接ご相談をお受けすることはできませんので、ご理解いただきますようよろしくお願いします。


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