【司法試験】合格したけりゃこれをしろ! 受験生のためのコーピング講座!
■ はじめに
公認心理師・臨床心理士が、独断と偏見でコーピングをランキングしてみた!の第2段!!
前回は弁護士のコーピングについてのランキングでしたが、今回は司法試験受験生のコーピングについてです。
我々庶民からすると、「司法試験」にチャレンジするってだけで「かなりすごい人!」っていうイメージなのですが、そんな彼らはどんなコーピングで司法試験という強烈なストレスに対応しているのでしょうか……!?
何か特別で効果的なコーピングがきっとあるはず???
我々庶民にも参考になるコーピングがあるかも???
意外と良くないコーピングしてたり???
気になってきましたね……!
今回もワースト3、ベスト3の両方を見ていきましょうか!
それでは参りましょう!
※「コーピング」とは、分かりやすく言うとストレス発散法のことでしたね。
前回の記事をまだご覧になってない方は、こちらからどうぞ!
ちなみに、今回アンケートで寄せられたストレス発散法はこのようなものでした。
■ ワースト3
上記みていただいて、いかがでしたか?
皆さんが普段されているコーピング、ありましたでしょうか?
そのコーピングがワースト3、2、1に入ってなければいいのですが……(笑)
さぁ、では早速ワースト3からの発表です!
公認心理師・臨床心理士が、独断と偏見で選ぶ、司法試験受験生のコーピング ワースト3は……!
「なし」
です!
「ないんか〜いっ!」っていう皆様のツッコミが聞こえてきそうです。
いや、て言うか聞こえました。
正直言いますね。
前回と同じノリでワースト3から順に発表するつもりだったんです。
でも、さすが日本最難関の試験を目指す司法試験受験生。
アンケート結果を見てみると、まぁコーピングも超一流でした。
「このコーピングはダメ!」というものは特にありませんでした。
どれもとても素晴らしいコーピングです。
アンケート結果を見て、改めて「適切にストレス発散することが、目標を高い基準で達成するためには不可欠なんだなぁ」と思い知らされたほどです。
確かに
「勉強が進んでないことがストレスなのであえてひたすら勉強して疲れ果てて寝る」
というコーピングも含まれていました。
これだけを見ると、「本当にストレス発散出来てる?」と思うかも知れません。
しかし、このコーピングの回答者の方は、「勉強が進んでいないことがストレス」と、自分のストレス要因についてしっかりと把握しています。ここが素晴らしいのです。
実は、コーピングには問題焦点型コーピングと、情動焦点型コーピングの2種類があります。
■ コーピングの2種類
それぞれがどのようなコーピングか、字面を見ればおおよそイメージはついたかも知れませんが、一応ご説明すると……
問題焦点型コーピングとは、問題の解決そのものに焦点を当てたコーピングのことです。
テストに対する不安を、テスト勉強をして解消する、というようなものですね。
一方、情動焦点型コーピングは、不快な感情を処理することに焦点を当てたコーピングのことです。
テストに対する不安を解消するために部屋の片付けをして現実逃避する、みたいな。
はい、私はこっちのタイプです(笑)。
ですが、出来るなら問題焦点型の方を行う方が、コーピングとしては効果的だと考えられています。
まあ、確かにそうですよね。
部屋の片付けで一時的に不安を解消出来たとしても、それでテストで及第点を取れるようになるわけじゃないですもんね^_^;
その点「勉強が進んでないことがストレスなのであえてひたすら勉強」というコーピングは、しっかりと「勉強が進んでいないことがストレス」であると認識し、それに対して「ひたすら勉強」という問題焦点型で対応しています。
しかもしっかりと「寝る」というおまけつき。
とても素晴らしいコーピングです。
ちなみに、私はこの原稿を書くまでに情動焦点型コーピングを相当行って先延ばし先延ばししてしまいました……。
すみません!!!
■ ベスト3
と、いうことで、今回はワーストはナシ。
ベスト3について、公認心理師・臨床心理士が独断と偏見でランキングしていくことにします。
では、まずは3位から!
公認心理師・臨床心理士が、独断と偏見で選ぶ、司法試験受験生のコーピング 第3位は……
「他の受験者の情報をあまり聞かないようにした」です!
素晴らしいコーピングです。
心理学的に、ストレスを感じる時の一つは「コントロール感覚を失っている時」があります。
やりたくないことをやらされる。
聞きたくないことを聞かされる。
言いたくないことを言わされる。
このように、強制され、自分で自分の行動をコントロール出来ない時に人はストレスを感じるのです。
ですので、ストレスを溜め込まないようにするには、自分でコントロール出来ることがらを増やすことが肝要です。
同じ理屈で
「受験生とか新司世代に対して物申すタイプの弁護士の言説を見ると苛つくので、なるべく見ないようにしてた」
も素晴らしいコーピングです。
聞きたくないものは、聞かないことを自分で選択する。
見たくないものは、見ないことを自分で選択する。
これ、大事。
生殺与奪の権を他人に握らせるな!!
■ ベスト2
さて、続いて第2位は……
「筆ペンで習字して精神統一」
です。
これもいいコーピングです。
司法試験は相当なストレスでしょうからね。オンオフを意識的にコントロールしてください。
特に「精神統一」はマインドフルネスにも通じるものもあると思うので、とても素晴らしいです。
アミもマインドフルネスについてはいくつか記事を書いていますので、そちらもご参照ください。
オンオフを切り替えるという意味では、
「スマブラ(ゲームをする)」
「思いっきり筋トレしてサウナにこもる」
このあたりのコーピングも大変オススメできるものとなっています。
3位の「他の受験者の情報をあまり聞かないようにした」に比べて主体性があるコーピングになっているので、オンオフを切り替えるコーピングの方が上位となっています。
休む時は休み、勉強する時は勉強に集中する!
全集中、法の呼吸!! で、司法試験という大岩を真っ二つ!
■ ベスト1
コントロール感覚を維持する、オンオフを切り替える、というコーピングがお勧め出来るとご説明してきました。
これらのコーピングは、もちろん司法試験受験生だけに効果があるものではありません。
あらゆる人がストレスを感じたときに試みたいコーピングです。
さぁでは、これらのコーピングを抑え、第1位に輝いたのはどのコーピングなのでしょうか?
気になるその公認心理師・臨床心理士が、独断と偏見で選ぶ、司法試験受験生のコーピング 第1位は……!
「少なくとも週1回は友人に会う」
です!
おめでとうございます!
このコーピング、何が良いって、まず「友人に会う」というのが素晴らしい。
人は一人だと思い詰めてしまう生き物です。
どうしても視野が狭くなり、多角的な視点に立って物事を考えることができなくなるのです。
ですから、時折気心許せる友人にあって、ホッとする時間を持つことはとても大切。
そうしないと「俺はどうせ受かりっこない」「私は弁護士に向いてない」と思い悩んだままドツボにはまっていってしまう危険があります。
安心出来る対人関係以上に、心のケアに勝るものはないのです。
このコーピングの素晴らしい点の2点目は「少なくとも週1回」と回数を決めている点です。
決めておかないと「今週は別に会わなくていいかな……」みたいに、人に会うことをつい疎かにしてしまいます。
そうならないために、事前に回数を決めておくのはとてもいいやり方でしょう。
もちろん、「事前に回数を決めておく」とは言っても、「絶対に会うべきである」という「べき思考」になってしまうと黄色信号です。
※べき思考についてはこちらの記事も参考になります。
「少なくとも週1回」という努力目標として、緩やかに設定しておけるとベストです。
勉強時間がなくなってしまったら本末転倒ですが、それさえ気をつければ親しい人との交流は、あなたに力を与えてくれるはずです。
仲間を大切にしていたら助けてくれるよ。
1人じゃ無理かもしれないけど仲間がきてくれます。
ぜひ積極的に仲間と会って切磋琢磨し合いながら試験に臨んで頂ければと思います!
応援しております^^
■ まとめ
今回は、司法試験受験生にお願いしたアンケート結果を基に、どんなコーピングが効果的かをランキング形式でお伝えしてきました。
今回は次のようにランキングしました。
以上参考になれば嬉しいです。
では、次の記事でお会いしましょう!
(書き手:公認心理師・臨床心理士)
※困りごとには個人差もあります。困りごとをとらえる視点も様々であり、本記事はあくまで視点のひとつです。
ご自身のことで思い当たることがあったりする場合は、公認心理師や臨床心理士など心理の専門家の人に相談してみてください。なお、当団体が直接ご相談をお受けすることはできませんので、ご理解いただきますようよろしくお願いします。
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