東京医科歯科(東京科学)大学 医学部学士編入試験 過去問の出典まとめ
東京医科歯科大学(東京科学大)の医学部学士編入試験の筆記試験についての出典のまとめ記事です。
TOEFLの足切り(80点)を含む、科目数などの形式変更があったのは2019年度ですが、私が過去問が入手できたのが2020年度からなので、それについて書いていきます。
なお、「◯◯年度」は入学年度を指します。なので「2024年度」といえば、2023年6月に実施された試験のことを指します。
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問題の傾向
例年、試験時間は90分で「問題1」「問題2」があり、それぞれ設問が5問程度設けられています(つまり設問は合計10問程度)。
どちらの問題も生命科学(医学)分野の論文をもとに問題がつくられています。
例年解答に時間がかかる設問が多いです。設問が合計10問だとすると、1問につき9分で解く必要があり、とにかく時間に追われる試験です。試験日では、解けなそうと思った問題は潔く切り捨て、取れそうな問題をとるというのが戦略になるかもしれません。
他の大学の編入試験の「生命科学」とは異なり、純粋な知識問題がほぼ出ない(2021年度以降はほぼ出ていない)のも科学大の編入試験の特徴で、KALSなどの予備校で生命科学の講座をとったとしても、科学大の対策は一筋縄にはいかないと思います。
設問からみても、大学の意図として「問題解決能力・考察力・情報処理能力」などを問うているのだと思います。というのは、TOEFL 80点という足切りを設けており、受験者の間でそれほど英語力に差はないと私は考えるためです(もちろん、受験者層にはTOEFL 100点以上のバイリンガルレベルの人が一定数いるため、日本人で80点をようやく超えた人とでは英語力に差があるかもしれません)。
2020年度
問題1:イントロンが細胞増殖に与える影響
問題2:乳がん診断ガイドライン、それのリファレンス論文
・乳がん診断ガイドライン(2018年版)
(2018年版のガイドラインは、2023年11月現在、日本乳癌学会のHPでは見れないようになっているようです)
・リファレンス論文
文献1:Lancet, 2011
文献2:Journal of Clinical Oncology, 2013
文献3:Lancet Oncol, 2015
2021年度
問題1:カナダ先住民の共同体の水銀暴露について
The lancet Planetary Health, 2020
問題2:マイクロプラスチックがヒトの健康に及ぼす影響に関するレビュー、プラスチックのガバナンスに関する提言書(日本語)
・マイクロプラスチックがヒトの健康に及ぼす影響に関するレビュー
Science of the Total Environment. 2020 Feb(一部有料)
International Journal of Environmental Research and Public Health, 2020 Feb
・プラスチックのガバナンスに関する提言書
日本学術会議、2020年4月7日
2022年度
問題1:線維症に関連する因子についてまとめた論文
Immunity, 2020
問題2:RCTの歴史やその妥当性について
American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 2017
The New England Journal of Medicine, 2016
2023年度
問題1:胃がんの治療法に対するレビュー
Nature, 2021 Dec
問題2:サイトカインストームはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関与するか、ということを論じた論文
JAMA Internal Medicine, 2020 Sep
2024年度
問題1:ウイルスの宿主としてのコウモリや、その生物学的特徴など
Nature 589, 363-370 (2021)
問題2:心肺蘇生におけるECMOの有効性
JAMA. 2023; 329(19):1693-1694
まとめ表
内容と分野
設問数、問題冊子のページ数などまとめ
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