見出し画像

東京医科歯科(東京科学)大学 医学部学士編入試験 過去問の出典まとめ

東京医科歯科大学(東京科学大)の医学部学士編入試験の筆記試験についてのまとめ記事です。
TOEFLの足切り(80点)を含む、科目数などの形式変更があったのは2019年度ですが、過去問が入手できたのが2020年度からなので、それについて書いていきます。
なお、「◯◯年度」は入学年度を指します。なので「2024年度」といえば、2023年6月に実施された試験のことを指します。


はじめに

例年、試験時間は90分で「問題1」「問題2」があり、それぞれ設問が5問程度設けられています。つまり合計10問程度の設問があります。
どちらの問題も生命科学(医学)分野の論文をもとに設問がつくられています。
設問からみても、大学の意図として「問題解決能力・考察力・情報処理能力」などを問うているのだと思います。というのは、TOEFL 80点という足切りを設けており、受験者の間でそれほど英語力に差はないと私は考えるためです(もちろん、受験者層にはTOEFL 100点以上をもつバイリンガルが一定数いるため、日本人で80点をようやく超えた人とでは英語力に差があるかもしれません)。

2020年度

問題1:イントロンが細胞増殖に与える影響
Nature, 2019

問題2:乳癌診断ガイドライン、それのリファレンス論文
乳がん診断ガイドライン(2018年版)
(2018年版のガイドラインは、2023年11月現在、日本乳癌学会のHPでは見れないようになっているようです)

・リファレンス論文
文献1:Lancet, 2011
文献2:Journal of Clinical Oncology, 2013
文献3:Lancet Oncol, 2015

2021年度

問題1:カナダ先住民の共同体の水銀暴露について
The lancet Planetary Health, 2020

問題2:マイクロプラスチックがヒトの健康に及ぼす影響に関するレビュー、プラスチックのガバナンスに関する提言書(日本語)

・マイクロプラスチックがヒトの健康に及ぼす影響に関するレビュー
Science of the Total Environment. 2020 Feb(一部有料)
International Journal of Environmental Research and Public Health, 2020 Feb

・プラスチックのガバナンスに関する提言書
日本学術会議、2020年4月7日

2022年度

問題1:線維症に関連する因子についてまとめた論文
Immunity, 2020

問題2:RCTの歴史やその妥当性について
American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 2017
The New England Journal of Medicine, 2016

2023年度

問題1:胃がんの治療法に対するレビュー
Nature, 2021 Dec

問題2:サイトカインストームはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関与するか、ということを論じた論文
JAMA Internal Medicine, 2020 Sep

2024年度

問題1:ウイルスの宿主としてのコウモリや、その生物学的特徴など
Nature 589, 363-370 (2021)

問題2:心肺蘇生におけるECMOの有効性
JAMA. 2023; 329(19):1693-1694

まとめ表

2024年度問題2は、試験があった2023年と同年の4月27日にpublishされた論文から出題されているため、問題は例年5月に作られていると予想されます。

設問数、問題冊子のページ数などまとめ

上の表の「1問あたりの時間(m)」は、90分を合計設問数で割った時間です。例えば2023年度は設問が10問なので、「1問あたりの時間は」9分ということになります。


サポートのご検討、ありがとうございます😊 HPなどの運営費ほか、撮影機材など、クリエイターとしての活動費にあてさせていただきます。