マガジンのカバー画像

経済

472
運営しているクリエイター

#文春オンライン

日本が貧乏国に転落したのは日本人がエコノミック・アニマルだから

日本が貧乏になっているという言説が増えている。 実のところ、1人当たり実質GDP成長率は他の主要先進国と比べて低くなかったのだが、賃金が上がらない+円安のために、国民の購買力が相対的に著しく低下している。プラザ合意後によく聞かれるようになった「内外価格差」という言葉も、いつの間にか「高い日本」から「安い日本」の意味に逆転している。 その急速な貧乏化の原因だが、日本を敗戦からわずか23年後(1968年)に世界第二位の経済大国へと成長させ、1979年にはアメリカ人に"Japa

金融ビッグバンの成果

日本経済がこう👇なってしまった理由を知るには、1990年代後半~2000年代前半の改革の論調を振り返るのが役立つ。 その一つ。 経済の仕組みを根底から変える改革は、国際的な投資家(株主)の立場からは成功したと言える。 日本の改革論者の多くがおそらく理解していなかったのは、金融ビッグバンとはグローバル投資家の儲けが多くなるように日本経済の仕組みを作り替えるもので、日本経済の「富国」や日本人の生活水準の上昇に直結するものではなかったことである。 改革論者は「第三の開国」に

アベノミクス「成功」は民主党政権の反動

経済再生は「安倍政権の政策の一丁目一番地」だったが、実際、2012年11月~2018年10月(暫定)は戦後二番目に長い景気拡大期となり、10年強続いた消費者物価のデフレからも安倍政権発足とほぼ同時に脱却している。 [マーカーは2013年1月] インフレ転換には、衆議院解散が決まった時から一気に進んだ円安が大きく寄与している。 [マーカーは2012年11月14日と12月26日] 鉱工業生産指数も明確に反転上昇している。 [マーカーは2013年1月] 景気動向とは無関