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経済

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2022年11月の記事一覧

可処分所得は過去最高水準

「家計は所得減少と物価上昇に苦しんでいるのに政府は増税に前向き→殺される」との政府批判をよく聞く。 しかし、家計部門全体では雇用者報酬と可処分所得は名目でも実質でも過去最高水準にある。2020年の定額給付金はコロナショックのカバーに効果的だったことも見て取れる。 貧困に喘ぐ庶民が増えているとすれば、経済全体での所得の減少ではなく、所得の偏りに原因があることになるが、それは庶民が熱烈支持した構造改革が目指していたものである(自業自得)。 雇用を増やす(⇔賃金を下げる)

2021年度の国の決算

国の令和3年度決算が国会に提出されたので、主な歳入と歳出について見る。 新型コロナウイルス感染症の流行にもかかわらず、税収は2年連続で過去最高を更新した。公債金はほぼ半減したものの、過去二番目に多い。 所得税、法人税、消費税が揃って増えている。消費税は2年連続で所得税を上回っている。 空前の規模の国債発行を財源とした経済対策→経済が全体として堅調を維持→税収が増加、ということになる。 社会保障関係費と債務償還費を除いた歳出は1990年代後半から増えていなかった(景気拡

税収は過去最高でも増税が必要とされる理由

その理由は簡単で、景気の拡大期でも公債依存度が高いためである。 増税していなくても税収が増えていることは、日本は不景気ではなく景気拡大が続いていたことを示している。景気が悪くないのに悪いと感じる人が多いのは、日本経済の潜在成長率が低下したことの反映と言える(老化すると病気ではないのに「調子が良くない」と感じるようなもの)。 増税を目指すのは、足元の景気が悪くないことに加えて、税収が過去最高でも赤字国債発行額が30兆円もあるためである。 「なんで還元しない?」とあるが、社

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