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経済

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2021年8月の記事一覧

プライマリーバランスの虚偽説明

藤井聡が今度はプライマリーバランス(基礎的財政収支)について誤った説明をしている。「借金ゼロ」はフローのことでストックではないことには留意。 収入と支出の差額ですから、財政の収支なんですね。これを黒字化しましょうってことですから、要は「借金ゼロにしましょう」って言ってるんです。要するに借金ゼロにするってことは「国債発行額をゼロにしましょう」ってことなんです。国債発行禁止規制なんです。 この👇財務省の説明と比較すれば、藤井の誤りは明らかである。 藤井のデマについてはファク

サナエノミクス

これを見る限るでは、全く期待できない。 第1の矢は同じ「大胆な金融緩和」。第2の矢は「緊急時のみの機動的な財政出動」。マクロ経済的にどんどんお金を出すっていうんじゃなくて、災害だとか今回のような感染症に絞り込んでいく。第3の矢は、私の場合は「危機管理投資」。人の命に関わるようなリスクを最小化するための投資とか、もっと経済が成長するために今やんなきゃ間に合わない投資に大胆にお金をかける。 日本銀行が2013年に量的・質的金融緩和に踏み切る前の時点で、短期金利はゼロ、リスクプ

「安い日本」が続く理由

日本円は変動相場制なので、他の先進国よりも物価が安いのは為替レートが円安過ぎることを意味する。 相対的な物価水準を示す実質為替レートは変動相場制移行後の最低水準に貼り付いている。 2001年にLars Svenssonは"The Zero Bound in an Open Economy: A Foolproof Way of Escaping from a Liquidity Trap"(和訳はIMES Discussion Paper Series 2001-J-6)

クルーグマンの過大評価

3ページ目に日本についてのコメントがあるが、過大評価が甚だしいように思われる。 欧米人はいまだに日本に対して偏見的な見方をしていますが、日本は優れたテクノロジーを創出するとてつもなく創造的な国であり、私たちの想像以上に日本文化には多くの強みがあります。日本は世界に貢献できる能力のある国です。 これ👇には同意。 もう1つは日本の人々がどんどん内向き志向になってきていることです。これは計量的に証明したわけではありませんが、15年前ぐらい前に比べると、私の仕事相手や関係者の中