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2019年12月の記事一覧

高度経済成長は外資依存という歴史修正

どうもこの辺り(⇩)が出所のようだが、日本の高度経済成長は海外からの借金に支えられていたという歴史修正を信じ(たがっ)ている積極財政派・反緊縮派がいるようである。 (23:30~) 佐藤も断っているが、ガリオア援助(Government and Relief in Occupied Areas)とエロア援助(Economic Rehabilitation in Occupied Areas)はその名の通り、アメリカが占領期間に日本の飢餓疫病・社会不安防止、経済復興のために

公的支出とGDPの相関関係

いわゆる積極財政派・反緊縮派の「名目公的支出をa%増やせば名目GDPはa%成長する」との主張についてこちら(⇩)では国際比較を行ったが、今度は日本とアメリカの時系列データで検証する。 国内総生産=民間需要+公的需要+純輸出 なので、この主張は「公的需要をa%増やせば民間需要+純輸出もa%増える」と言い換えられる。 日本 アメリカ 解釈は読者にお任せする。

2020年度予算は「野放図なばらまき」か

国の2020年度当初予算の一般会計歳出が過去最大となったことを、立憲民主党が「野放図に予算をばらまくことは許されない」などと批判している。 政務調査会長談話から主なポイントを抜き出す。 一般会計総額は、2年連続で100兆円の大台を超え、当初予算としては過去最大の102兆6580億円となった。安倍政権による歳出拡大路線には全く歯止めがかかっていない。先の消費税増税で国民に痛みを求めた一方、予算の大盤振る舞いであり、憂慮すべき事態である。 借金頼みの体質がますます悪化してい

WSJの歴史修正

また同じネタになってしまうが、WSJも日本経済の歴史を修正している。 日本の経済政策において歴史は繰り返す。1度目は悲劇として、2度目は茶番として。1997年と2014年の消費税増税がいずれも同じ効果をもたらしたことを踏まえれば、増税が景気回復に水を差したときに政府はいいかげん驚いたふりをするのをやめるべきだ。 実質民間需要の1997年4月の引き上げ後と2014年4月の引き上げ後の推移を比較すると、落ち込みの大きさと期間、前後での成長率の変化が全く異なる。 引き上げた四

MMTの教祖ミッチェルのデタラメ日本経済分析

MMTの教祖ビル・ミッチェルがまた日本経済に関して無知をさらけ出した記事を書いていたので、また指摘することにする。以前の記事と重なる内容になることをお断りしておく。 前編では1972年の調整インフレ論に言及しているが、これは1998年にクルーグマンが"It's Baaack"で提唱した"managed inflation"とは全く別物であり、なぜ取り上げているのか意味不明である。 クルーグマンへの批判も的外れである。 Krugman also claimed that