マガジンのカバー画像

マネー・MMT

235
MMTのルーツは新左翼思想
運営しているクリエイター

#ベーシック・インカム

MMTは財政金融政策ではなく雇用政策の理論

現代貨幣理論(MMT)がわかりにくい/紛らわしいのは、その本質が労使の勢力均衡と「インフレなき完全雇用」を実現する雇用政策の理論であるにもかかわらず、財政金融政策の理論のように見せかけていることが一因ではないかと思われる。 MMTでは、企業は労働者を安く雇いたいので、売り手市場にならないように常に失業者のプールが存在する状態を保とうとするとされる(→恒常的なデフレギャップの存在を含意)。 しかし、失業は本人にとっても経済社会にとっても損失なので、公的セクターが社会的に有益

国民民主党議員の「財政破綻します」

国民民主党の岸本議員の「今のままでは財政破綻はします」「赤字国債は必ず返さなければいけません」との発言について玉木代表が釈明しているが、文字通りの意味では岸本議員は間違っていない。 金を借りるとは、借り手が発行する負債を銀行(正確には預金取扱機関)が発行する負債の預金と交換してもらうことで、銀行から直接借りる場合と、銀行以外が保有する預金を間接的に借りる場合があるが、どちらも等価交換(現在価値の期待値の合計を等しく)するためにはリスクに応じた金利を支払う必要がある。新規借入