マガジンのカバー画像

社会

714
主要国・地域の出生率一覧はこちらから
運営しているクリエイター

#現代ビジネス

堀茂樹(慶應義塾大学名誉教授)に「デタラメ」と批判されました

何様のつもりかえらく上から目線だが、どちらが「基本的な事象すら理解していないデタラメ」なのか読者に判断してもらいたい。 「基本的な事象」が具体的に何を指すのかは不明だが、おそらく、諸外国について山田昌弘と同じ認識をしていると思われる。 西ヨーロッパの大陸諸国(フランス、西ドイツ、イタリア、スウェーデン、オランダなど)は、さらなる子ども数の減少、つまり、少子化に直面することになる。合計特殊出生率が2を割り込む事態が起きたのである。次節で述べるように、その中のいくつかの国々で

近親相姦の禁止と知的後退

まだこんな「狼少女」のような非科学的なことを言っているのかと呆れた。なお、天才学者とはレヴィ=ストロースのこと。 近親相姦の回避は人間に特有のものではなく、他の動物にも広く見られることは、それが文化的・社会的に構築された規範ではなく、hard-wiredされた本能的なものであることを強く示唆している。 レヴィ=ストロースの親戚のトッドは「知的後退」と酷評している。 レヴィ=ストロースの「驚きの学説」は数学的に綺麗な説明になっているので称賛されてきたが、優秀な人にありがち

Assassin's Creed Shadowsと1579プロジェクト

日本ではまだ👇のような認識が主流のようだが、これでは甘すぎる。 Assassin's Creed Shadowsは単なるシリーズ物のゲームの一つにとどまるものではなく、日本史に黒人を捻じ込もうとするwokeism白人とAfrocentrism黒人による「1579プロジェクト」の一環だと認識するべきである(1579年は弥助がヴァリニャーノと共に来日した年)。「1579プロジェクト」だというのは、最初の黒人奴隷がヴァージニア植民地に着いた1619年が真のUSA建国の年だというN

京都市東山区の合計出生率が低いのは大学生が多いから?

京都市東山区の合計出生率が全国最低なのは「産まない属性」の大学生の人口割合が大きいから、という説が多く唱えられている。 しかし、合計出生率は各年齢の女の出生率(=出生数÷人口)を合計したものなので、各年齢のウェイトは等しく、年齢構成の偏りには影響されない。従って、この説は正しくない。 これに対して、この👇ような修正説が唱えられている。 だが、東山区と全国の有配偶率の差が大きいのは、大学生が多い20~24歳ではなく、それより上の年齢階層である(←20代前半は全国的に有配偶

「東京の出生率が高い」の欺瞞

少子化関連記事には不正確なものが多いがこれ👇もその一つで、無理やり理屈を捻り出しているだけである。 以下、記事がフェアでもナイスでもないことを見ていく。 全く役に立たないわけではない。市町村レベルではあまり意味が無いが、奥沖縄県や北海道といった十分な人口とまとまりがある地域の比較であれば参考になる。 当たり前で「ポイント」にはならない。 有益性は何を論じるかによって違ってくる。夫婦の出生率を論じるのであれば有配偶出生率が有用なのは当然だが、日本の少子化の主因は晩婚化・

ソ連化したアメリカ

ソ連崩壊時にアメリカの駐ソ連大使だったジャック・マトロックが冷戦期のソ連と冷戦後のアメリカの外交ドクトリンの類似を指摘している。 ソ連の「世界に社会主義を広める/社会主義勢力を守るためには軍事介入も辞さない」の社会主義をリベラルデモクラシーに入れ替えれば冷戦後のアメリカになる。この独善性の根底には、社会主義・共産主義あるいはリベラルデモクラシーが全人類の最終到達点(歴史の終わり)だという確信がある。 ソ連が秩序を失って崩壊してしまったのはブッシュ政権にとっては失敗だったと

日本のリベラル政党が勝てない理由

日本でリベラル野党への支持が広がらないのはキリスト教が広がらないこととも関係している。 この👆善悪二元論はキリスト教に由来している。アングロサクソン諸国で急進化したリベラリズムは共産主義、ファシズム/ナチズムと同じくキリスト教の代用宗教、あるいは装いを新たに復活したキリスト教である。なので、啓蒙というよりも「リベラル教化」が相応しい。 急進派リベラルがトランスジェンダーに執着するのはキリスト教の心身二元論が関係している(→詳しくは後日の記事で)。 日本の外交・国際政治の

¥100

「プーチンは被害妄想」という妄想

時間が経過するにつれて、メディアで引っ張りだこになった「権威」のお粗末さが露になっているが、 その中でもこれ👇は酷すぎる。この程度の思考レベルの人物が「専門家」として有り難がられるようでは世も末である。 プーチン大統領が軍事侵攻に踏み切った理由ははっきりしている。 👆をロシアのプロパガンダなので信用できないという読者もいると思われるので、第三者の見解として元スイス軍情報将校Baudの分析👇を示す。"Part Two: The War"の"1. The Outbreak

¥100

二度目の「非軍事化」と「非ナチ化」

アップロードし忘れていた記事を遅ればせながら掲載。 ロシアのプーチン大統領がウクライナへの軍事侵攻の目的とする「非軍事化」と「非ナチ化」だが、 ここ👇から来ていると考え方られる。 今のウクライナ(のキエフ政府)がナチとされるのは、この👇ような思想が蔓延しているためである。 2014年の暴力クーデターで活躍した極右暴力集団(→内務省軍に昇格)👇 ウクライナの北欧人至上主義の根拠👇 これ👇はウクライナの国立記憶院がツイートした画像(人種差別的と批判されたために削除)だ

¥100

「結婚という制度」が特別扱いされる理由

婚姻制度が特別扱いされるのは、社会の安定と存続に必要だからである。結婚がcultural universalであることがそれを裏付けている。 社会の存続には人口再生産が必要だが、人間は他の動物とは違い、母親だけでは子供を独り立ちさせるまで育てることは難しいので、父親が母子の用心棒兼食料調達係として子育てに共同参画するようになったと考えられている(→家族の起源)。結婚には「誰と誰がペアになったか」を社会に明示すると共に、誰が子育ての責任者であるかを明確にする意味がある。 繁

リベラルが狂暴化した理由

寺圭の記事には「自己矛盾」とあるが実はそうではない。「攻撃や排除」はリベラルにとっては正しい行動である。 政治的・道徳的価値観を異にする者の言論・表現活動に対して「政治的ただしさ」を背景にした攻撃的で排他的な言動をとっていることなど、まさしく現代のリベラリストや人文学者たちが陥っている自己矛盾を、イシグロ氏は端的に指摘している。 彼らは、自分たちの世界観や価値体系にリベラル以外の声を反映するどころか、リベラル以外の価値観に基づく表現や存在そのものを、現在のみならず過去に遡

リベラルが冷静さを失った理由

群馬県草津町のリコール騒動に詳しくない人のために先に書いておくと、これは「白昼の町長室で町長が町議を性的暴行したという告発については『真相は藪の中』なので、町長が元町議を名誉棄損で訴えた件の司法判断が出るまでは判断保留にするべきであり、町民に判断させたリコールは妥当ではなかった」というレベルの話ではない。町議のその他諸々も含めた言動に対して町民の大多数の堪忍袋の緒が切れた結果である。36:03~の黒岩町長の説明には十分な説得力がある。 ここからが本題。結論を先に書くと、フェ

ナイキ・草津町・従軍慰安婦

群馬県草津町の町議会議員のリコールに関して、朝日系と海外のリベラルメディアが不正確で偏った報道を続けているが、「従軍慰安婦」に代わる日本攻撃を正当化する材料として既成事実化を狙っているのではないかと考えられる。MeTooに便乗した「嘘も百回言えば真実になる」の作戦である。 群馬県の山本一太知事はこのように述べている(動画の38:25~)。 何度も言いますが、私は個人的には黒岩町長は100%無実だというふうに確信しています。 司法判断を待たずにリコールしたことは適切ではな

アメリカの分裂と『イージー・ライダー』

この記事👇は当noteの読者には特に目新しい内容では無いと思われるので、米民主党の変質はそれ以前から進んでいたという分析を紹介する。 なぜ、バイデンは「歴史的敗北」を喫したのか。1980年代以来、民主党は労働者階級を見捨て、むしろエリートの党として「企業政党(コーポレート・パーティ)」化していった。バイデンはその流れの中心にいた1人だからだ。 81年のレーガン政権の誕生は、民主党が存亡の危機を感じるほどの歴史的異変であった。今日でいうラストベルト一帯の白人労働者らが雪崩を打