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地方創生とは、その場所に住む人が、地域を本気で「面白がること」だと思う!

僕は、「地方創生」っていう言葉が好きではない。というか嫌いだ。

東京などの首都圏の人が、課題ばかりの地方を何とかしてあげよう、力を貸してあげようという上から目線をとても感じる。本当に地域で地に足をつけて取り組めば、課題はシンプルでないことを痛感する。

「地方創生」という言葉が好きではないが、ただ、何しているの?と聞かれた時に「地方創生関連の仕事をしている」と伝えることで、すぐに伝わったり、首都圏の人には響きがよいので、好きではないがよく使う。実際に「地方創生事業」と会社ではなっている。ちなみに、もともとは「Life Shift Design」事業として生き方をシフトすることをデザインする事業としていた。が、どうしても「説明」が必要で、結局「地方創生」事業の方がすぐに伝わって便利だ。

「地方創生とは何か?」

さて、本題の「地方創生」とは何か。一般的には、地方の課題を解決して、地方を盛り上げる取り組みのことイメージする人が多い。例えば、地方の課題として、「高齢化」「人口減少」「医療の問題」「限界集落」「耕作放棄地」「後継者不足」「空き家問題」などなどあげればキリがない。

これらの課題を、何かしらの手法を使って「地方」を元気にする取り組みのことだと思われている。

でも、実際にその地域で生活をしてみると、そして地域でずっと暮らしている人に話を聞いてみると、「課題」だと思ったことが「課題」と感じている人は本当に少ない。むしろ「課題」だと思ったことが、その生活を支えているんだなと思うことよくある。

例えば、地方では80歳、90歳のおじいちゃん、おばあちゃんが朝から晩まで農業をしている。また、草刈りや地域の仕事とかも含めてとても忙しい。これを後継者がいないとか、生産性が悪いとかで「課題」と考え、全自動のハウス栽培施設を作り、おじいちゃん、おばあちゃんがボタンひとつで収穫できるようにすることが、地域課題の解決だろうか!?

一見すると便利になって、生産性も上がって良いと考えると思う。でも、おじいちゃん、おばあちゃんが80歳、90歳になっても元気なのは、朝から晩まで畑仕事をして足腰を酷使して、筋肉を維持して、自分で手間暇かけてつくった美味しい野菜を食べるという日々の生活が、いつまでたっても「元気」を作っている。これは絶対に間違いない。全自動で何もしなくてもよくなったら、歩けなくなるおじいちゃん、おばあちゃんは一気に増えるだろう。

このように「課題とおもっていたけど、それは課題でないのではないか?」と思うこと本当に多い。

せっかくだからもう1つ具体的なお話。
「地域が盛り上がればよい」と思って、田舎に東京の有名なお店を誘致したり大型施設を作ったりすることがある。

一見すると、田舎に東京の流行りの集客力のあるお店ができて盛り上がっているように見えるが、、、、、大自然のその地域にしかない魅力がたくさんあるのに、「東京化」して何が面白いんだろうと思う。東京と同じようになってしまうことで、結局その地域の魅力はどんどん減ってしまう。

とまあこんな感じで、課題解決って意外と難しい。

で、改めて地方創生って何なんだろう!?

私が、3年間地域で「地方創生」に関わってきた結論として、その場所にする人たち(地元の人、移住者の人)がその場所でしかできないことやコミュニティを全力で面白がることだと思う。

そこでしかできない体験やプロジェクトとみんなを巻き込んで取り組む。そこからその地域が好きになり、そこの人が好きになること。このなんとも言えない熱量が、その地域を魅力的な場所として、結果的に人が集まる場所になることなんじゃないかなと思う。

大事なことなので、もう一度言うと「人を集める」のではなく、結果として人が集まる場所になること。

何かを変えるのではなく、その場所で楽しむこと

つまり、地方創生とは「何かを変える」ことでもなく、「何かを解決」することでもなく、もっとシンプルにその地域の人とその場所で全力で楽しむことなんじゃないかなと思っている。そして、実際に地域ではそう思っていて実行している人も本当に多い。

「地方創生」をしたいと思ったたら、まずはその地域で人と出会って、楽しいことを一緒に創って、その地域の人や場所を好きになることから始めてみよう。

きっと、みんなにとって幸せな「地方創生」になるはず!

                              以上



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