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広報・PRを楽しく学ぶ本、おススメ6選

広報・PRを“楽しく”学べる本のおすすめをまとめてみました。
2008年から広報の仕事をしていて、本も好きなので、たくさんの本を読んできました。最初はPRど真ん中、そのあと少しずつマーケティングやスピーチライティング、CSR・CSVなど興味のあるエリアを広げてきました。そのなかで、「広報ってこんなこともできるんだ、面白い!」と思える6冊を選んでみました。ためにもなりますが、ワクワクできる6冊です。


世界を動かすPRのすごさを知る1冊

戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争

ボスニア・ヘルツェゴビナがアメリカのPR会社ルダーフィンを雇い、セルビアに「民族浄化」というキーワードとともに悪のイメージをつけ、国際的な世論を味方につけたという実話です。
NHKディレクターの高木徹さんが取材をし、NHKスペシャルで放送されたものの書籍版です。
企業のPRとは毛色が違いますが、「PRってここまでできるんだ」という衝撃を受ける作品です。僕がPRに興味を持ったきっかけでもあるので、最初の1冊に選びました。

本ではありませんが、こちらの映画もおススメです。
銃規制に挑む女性ロビイストの映画、「女神の見えざる手
先を読むこと、メディアを使うこと、世論を動かす空気を作ることなど、広報とロビイストは似ているところが多いです。フィクションですが、PRパーソンは共感できること多めで見れると思います。


初心者向け: 広報になったら読む最初の1冊

実践マニュアル 広報担当の仕事: すぐに役立つ100のテクニック

広報初心者が「広報って何?」を簡単に理解するための1冊です。見開き1ページに1テーマが書かれていて、ビジュアルも多め(文字少なめ)です。文字多め、ページ数多めのほかの広報本よりも、眠くならずに、さくっと読めます。広報のポイントがわかりやすくまとめられた参考書という感じなので、繰り返しポイントを確認できます。繰り返し確認することで、気が付いたら100のテクニックが自分のものになっています。
実際、僕が広報1年目に、何度も見返して使っていました。


PR視点を身につける1冊

戦略PR  世の中を動かす新しい6つの法則

日本のPR業界では1番有名であろう本田哲也さんの本です。2009年に「戦略PR 空気をつくる。世論で売る」を出されて、戦略PRがブームになったわけですが、戦略PRについてまとめた最新版です。(最新と言いつつ2017年です)
商品そのものをPRするのではなく、商品が売れるような空気を作るという考え方は大切なPR視点です。そのPR視点の身につけ方を言語化された良書だと思います。W.リップマンの「世論」や山本七平の「空気の研究」が理論本だとすると、空気をマーコムに取り入れた実践本という感じでしょうか。
2008年にPRの世界に入った僕は、当時、戦略PRに新しいPRの波を感じました。


誰のためにPRしているのかを知れる1冊

明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法

PRをやり始めたころは、プレスリリースを書いて、それが記事になったり、取材依頼がくると嬉しかったりするわけです。でも次第に、「その記事はちゃんと読まれているのかな?」「届けたい人にこの情報は届いているのかな?」と疑問がわいてきます。「SNSやnoteを使って直接発信するのもありだよね」と思ったときに、この本を読むととても腹落ちします。
日本の広告業界で有名なさとなおさんが書いた本です。さとなおさんの最新著書は、「ファンベース」というもっとファン向けコミュニケーションについて深堀りして書かれていますが、「明日の広告」、「明日のコミュニケーション」、「明日のプランニング」、「ファンベース」の順で読むと頭の整理ができます。
個人的には、「明日の広告」が一番好きです。


PRにマーケティングの力を取り入れよう。なるほど編

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

PRをやっているとマーケティング部門の人と話すことがたくさんあります。マーコムをやっている人には、マーケティングは切っても切り離せません。PRとマーケティングは補完しあうスキルだと思っています。
マーケティングも知りたくなってきたPRパーソンにおススメ、PRパーソンが納得しやすいマーケティング入門書です。お話はUSJの復活劇なので、読み物としても面白いです。著者は、マーケティングのプロ集団P&GからUSJにやってきた森岡毅さんです。
マーケティングの本を読むと、大体P&Gに当たります。そして大体、楽しみながらしっかり学べます。


PRにマーケティングの力を取り入れよう。実践編 

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

森岡さんの本を読んで、広報にもマーケティング的な考え方を取り入れたいと思ったら、この本を読むのをおススメします。「メディアにプレスリリースを送って、たくさんの人に届けばいい」という考えから脱却して、たった一人の届けたい人に届けるにはどうすればよいかという考えになったときに、この本は参考になります。著者の西口一希さんも元P&Gです。
マーケティング=広告宣伝でマスの認知を取る、と考えている人もいますが、森岡さんも西口さんも、ファンやターゲット顧客を絞り、数値化して分析して、アプローチを考えています。森岡さんの「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」も良書ですが、再現性の面でヘビーな感があります。西口さんのこの本は、再現性のハードルが割と低いと思います。実践してみたい方はまずこちらをおススメします。


今回の6冊は、広報の概念が広げられる良書だと思っています。これまで僕がnoteに書いてきた「PR=プレスリリースを書いて、メディアに送って記事にしてもらう“だけ”がPRじゃない」に通じる6冊です。
ご意見や感想、またおススメの本がある方はぜひ教えてください。

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