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世界を動かすPRってどんなもの?カンヌライオンズ2019報告会ゆるレポ

3年にわたって123通りの国内広報PRのあり方を発信してきた #PRLT 。ひとくちに「広報PR」といえど本当に多様な向き合い方があるーーそんなことをひしひしと感じる毎日です。

そんな中、第17回広報LT大会を一緒に盛り上げてくださった「オフィスおかん」で有名なOKANの人事広報・なかむらさんのTwitterで、とあるPRの勉強会が開かれる情報をキャッチ。なかむらさんといえば前回(第20回)の共創LTが記憶に新しいですね!

あのカンヌライオンズに参加されたPRパーソンからお話がきけるというではありませんか。ということで、きよしとおそらが参加!(偶然2人とも申し込んでいました)久々に?きよしがレポを書きます。

お話くださったのは、6月より神戸市役所でPRを担当されているPRプランナーの大橋さん。個人でチケットを購入されたそう。その貴重な経験をお裾分けしていただきました。

OKANの社内勉強会「OKAN大学」として開催されたものにお邪魔したので、当日はOKANの社員さん含め20名程度で聞かせていただきました。

カンヌライオンズって?

世界最大級の広告・コミュニケーションに関するアワードです。カンヌ国際映画祭の広告部門が独立したもので、毎年6月末にフランス・カンヌで5日間にわたって開催されます。今年で66回目。約16,000人が参加され、うち日本人は400人ほどだったそうです。

カンヌライオンズの参加はコスト面のハードルがとにかく高い。29歳までであればオーディエンスチケット代の22万円+交通費宿泊費etcで50万円ほど、30歳以上だとチケットだけで40万円…!エントリーフィーもかなりの金額なのだとか。だからこそ受賞するとキャリアに大きなインパクトが生まれるのも事実です。

ちなみに長年「広告祭」として認知されてきたカンヌライオンズは近年、「クリエイティビティ」の要素を重視する傾向にあるそう。「何を伝えるためにどんな広告にしたか」から、「広告で世の中をどう良くしたか」が問われるようになりました。

デジタルを活用した社会課題解決型のPRが高評価だった2019年

今年の受賞作をおさらい。下記の記事がとってもわかりやすくまとまっているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

PR部門の受賞作の傾向としては、シンプルながらもインパクトや影響力のある作品が高い評価を得ていたそう。

例えば、グランプリの「The Tampon Book」は法をハックした画期的な取り組みが話題となり、タンポン税廃止の署名運動に15万人分の署名を集めることに成功。また「SECOND CHANCES」の取り組みはカリフォルニアを超え、カナダでも展開されました。「PERUSSIAN PRICES」では価格変更に働きかけるなど、これもPRか…!とワクワクするものばかり。

今年はテクノロジーをどう活用しているかも注目されたそうです。PR部門「HARMLESS GUNS」では3Dプリンタ技術を駆使して偽のブループリントをオープンソース化して銃の複製を抑制。

広告部門でもバーガーキングの販促企画として、AR技術を活用してスマホを競合他社・マクドナルドの看板にかざすとそれが燃え、焼け跡からクーポンが配布されるアプリが注目を集めました。

Health & Wellness部門では、IKEAが家具用3Dプリント製補助器具シリーズの3DCADデータを公開し、既製品と組み合わせてユニバーサルデザインにアップデートできるようにした取り組みがグランプリを受賞。

また、PR部門の「THE PEOPLE’S SEAT」にみるように、ほぼすべての作品にソーシャルでの人々の反応がクリエイティブに取り込まれたのもポイントです。

Appleが、ネット署名を受けて不評だったベーグルの絵文字をクリームチーズ入りにしたのも話題だったとか。

コンテンツを通じた企業とステークホルダーとの双方向なやりとりこそが、現代のわたしたちを共感させるものなのだと、はっとさせられた時間でもありました。

既存の「PR」のあり方を超え、「コミュニケーションズ」という大きな枠組で今の仕事に取り組んでいるという大橋さん。こうした軸で考えられた作品たちは、社会にとって良い取り組みであることはもちろん、その過程で自社の知名度向上やプロダクトの売り上げにもしっかり寄与しています。そんな三方よしの貫き方はあらゆる企業でお手本となるはず。

「30歳が作った動画は20歳には刺さりにくい」

大橋さんが総括としておっしゃった言葉のなかで、個人的に印象的だったフレーズです。

テクノロジーの進化が著しい昨今。TikTokなどのツールも増え、だれでも簡単にクオリティの高い動画が作れるようになりました。だからこそ、ターゲットに限りなく近い人たちが作り手となり、エージェンシーや企業は発想を提供する側として機能していくという役割分担が必要だ、ということです。私たち広報PR担当者に、既存の手法や成功事例に捕らわれない新たな挑戦が求められています。

#PRLT はこれからも、「あたらしい広報PR」に挑むPRパーソンや関係者にスポットライトを当てたり、みんなであたらしい広報PRのあり方を発掘する場として活動の幅を広げていこうと思います。

英語という言語の壁を取っ払いつつ、「コミュニケーションズ」という広い視点でPRを捉えていく。そうやって日本からもPRで世界にボケをかましていきましょう!

お話してくださった大橋さん、そして機会を提供してくださったOKANなかむらさん、本当にありがとうございました:)

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