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ゲームは健全な発達に悪影響か?ゲームを毛嫌いする親たち…

作業療法士の中野です。
先日『仕事が麻雀で麻雀が仕事』というアメブロやamebaTVでお馴染みのサイバーエージェント社長の藤田氏著の書籍を読んだ。

某麻雀雑誌に寄稿していたコラムをまとめた書籍だが、麻雀を通じてビジネスのイロハを教えてくれる良書です。
麻雀を知らない人でもビジネス書として手にとってもらえたら面白いと思うよ。

さて、何故冒頭でこの本を紹介したかというと私は麻雀が大好きで、私も藤田社長と同じく仕事が麻雀で麻雀が仕事と思うほど麻雀が好きなのです。
麻雀の実力も企業業績も藤田社長からしたらミジンコみたいな私ですが、同じ麻雀好きな起業家なのです。笑
そんな麻雀ですが、基本的に4人でする競技です。なので、私が麻雀しようと思うと私を除いた三人の都合を合わせて、仕事の終わりが遅い私に合わせてもらう必要があるので、基本的にできない。
無趣味な私が唯一本気で取り組める『作業』なので、まさに私が作業機能障害に陥っています。

そんな私に対するベストな作業療法がオンライン麻雀の導入です。いわゆるネトゲですな。無料でアプリをスマホに入れるだけでできるメチャメチャ手軽なセルフ作業療法を実践したわけなんですが。

前置きが長くなりましたが、今回はそのゲームについて書こうと思います。ゲームってぶっちゃけどうなんだろ?ということを読者の皆さんと一緒に考えられたら幸いです。

ゲーム依存に陥るゲーム障害とは?

WHOがICD-11(国際疾病分類)にゲーム障害(ゲーム依存症)を追加することを明らかにしたのが今年の6月でした。(運用は22年から。)
WHOは「概算でゲームをしている人の2~3%がゲーム障害とみられる」としているがゲームの良し悪しを決めるラインってどこなんだろう?と素朴な疑問を持ったので調べてみました。

WHOではゲーム障害を以下のように定義しています。


・ゲームをしたい欲求を抑えられない
・ゲームをすることを他の日常生活の活動よりも優先してしまう
・家族関係、仕事、学習などに重大な問題が生じていてもゲームをやめることができない
といった症状が12カ月以上続いた場合

ってのがゲーム障害らしい。
確かにここに書かれているような状況に陥っているならゲームはよろしくないだろうと思いますね。

ゲームって子どもにとってどうなの?

小学生の好きな遊び第一位はゲームであり、平均利用時間は1.5時間なのだそう。個人的にはその程度なら良いんじゃないかなと思う。その程度であれば上記のような症状は出ないと思うし。
ネットで調べてみると、1日16時間ゲームして中学3年の男子の肺機能が53歳とか、韓国で86時間ゲームをやり続けて亡くなった方がいるとかというニュースがある。そこまでいけば確かにゲーム障害だよなぁ…。

ゲーム障害は依存症の一種なのだから、アルコール依存と同じでそれが自身の健康や社会生活に影響なければOKということだろう。

別のある研究では目には悪くないとか、時間ではなく内容の問題があるとか、またそれどころか、ある一定時間のゲーム利用は全くしないよりも良いとまで言われたりする。

どっちも極論だけど、仮に何時間やっても健康や社会生活に影響出ず、暴力的なシーンのあるゲームでも現実との分別ができるなら、一つの趣味あるいは職業として全く問題のない活動ではないでしょうか。

健全と思われがちなジョギングも走らないと気持ち悪くてイライラするとかなってたら有害だし、健康食志向がたたって逆に体調悪くしたり、大好きな仕事を脇目も振らず頑張って病気したりなんてのも有害なわけだから、結局活動の種類ではなく、用い方の問題だったりするんだよね。
まぁ、もちろん他の活動に比べて依存性が強い可能性はどうやら高そうだという記事をみかけたので、その他の活動よりは依存症に陥りやすいみたいです。

私が今関わっている子どもの中にこのゲーム障害に当てはまりそうな子が一人いる。ゲームの新キャラが気になりすぎて勉強に集中できないし、不登校でデイへ通っていない日はほぼ一日中ゲームをしている状態の子です。
この子以外にも多くの子どもがゲームばっかりしていますが、止めたほうが良いんじゃないかと思うのはこの子だけかな。

ま、要するに生活に支障のない範囲、つまり子どもなら夜遅くまでやって授業中に寝てしまうとか宿題やらないとか、決められた約束を守らないとかあったらちょっとゲームの使用を控えた方が良いんじゃないかという感じかな。

ゲームを取り巻く環境の変化

昔、ゲームばかりしてたらアホになると言われたことはありませんでしたか?私は言われたことがあるような気がしています。
ですが、そうとばかりは言えず、先程のゲーム障害に当てはまりそうな子はゲームで漢字が読めるようになっているし、ゲームで色々頭を使うようになっています。ゲームで歴史を学んでいたりするし、ゲームの影響で暴力的な行動したりもしない。
また、先のアジア大会ではE-Sportsというものが競技として正式に認められていましたし、海外を中心に開かれている大会の優勝賞金は平均年収の3倍なんてこともザラにあります。おいおいはゲーマーの中からオリンピック選手が現れる可能性も無きにしもあらず。

また、ゲーム市場は年々増加しており、ゲームを取り巻く雇用も多くあります。ゲームが好きでゲームばかりやっていたから人生上手くいっていますなんて人もきっと周囲に増えていくことでしょう。

親は何故こんなにもゲームを毛嫌いするのか?

先日私は担当児童の担当者会議に朝から出席していました。ゲームを毎日やらせるなんて信じられないというお母さんに育てられているケースです。
私は前からそれくらいならやらしてあげーやと言い続けてきましたが、お母さんは納得できず事あるごとにゲームを禁止したり、ゲーム時間の増減で適応行動を増やし、不適応行動を減らす提案しても子どもが頑張ってゲームの時間を増やしたのにそれが許せず、せっかく適応行動が増えているのにそのルールを勝手に止めっちゃったりってことがありました。

その子は学校のあと習い事やデイへ行き、帰ったら18時過ぎ、夕飯やお風呂など済ませたらゲームする時間なんて殆どありません。
それでもどうしてもゲームがしたくて、早起きして準備を済ませて学校へ行くという手段をとっていましたが、朝からゲームなんてありえないという母に威圧されておりましたが、この前の担当者会議でみんなから、学校に遅れず行って居眠りするわけでもなく授業を受けているんだから良いじゃないかと言われてました。笑
これで、ちょっとは考えが変わってくれたら良いんだけど…。

もちろん、このお母さんは極端な例ですが、親って基本的にゲーム嫌がりませんか?
女性はゲームしない人が多いからかなぁなんて思ったりもしましたが、いやいや電車内でスマホゲームしている女性は男性と比べても変わらず多いですよ。だから、そういうわけじゃないっぽい。
私は、去年のクリスマスにSwitch買ってやりましたが、買うまでに妻に止められましたしね。まぁ、私自身がやりたかったのもあって買いましたが。
やりたいと言わないのに、わざわざさせる必要はないと思いますが、やりたがっているのを我慢させる必要もないはずです。

逆に子どもが別に乗り気じゃない習い事させたりしてるのにね。よっぽどその方が不健康じゃない?って私なんかは思ってしまいます。

おわりに

結局親は大なり小なり子どもに自分の理想通りに育ってほしいんですよね。
ゲームなんかしている時間があったら勉強したら良いと前出のお母さんは言いますが、宿題とは別に1日に1時間半も自ら進んで勉強してたらちょっとキモいっすよ。いや、もちろんその子の興味で進んで勉強しているならそれを止めることはしないけど、ちょっと将来不安になる。

私は田舎育ちで、近所みんな顔見知りみたいな小さな町に住んでいましたから町内全部庭みたいな感じで走り回って遊んでいました。(まぁ、それでも1日2時間位ゲームもしてましたが…)
でも、今は子ども達だけで外で走り回って遊ばせるってちょっと不安。学校から不審者情報のプリント持って帰ってくることもあるし…。
しかも、特に夏場なんて親がついてても外で遊ぶなんて殺人的な気候じゃないっすか。ここも昔とは違う。

依存性が強いとはいえ、お酒と同じで適度なら良いという報告もあるくらいだし、もっとゲームに寛容になれば良いのになぁってマジで思います。
こういう多様性を認められないとこらへんなんかは、毒親臭がプンプンするよなぁ…。皆さんはどう思いますか?

参考文献・参考Web媒体

「ゲーム障害」新疾病に、WHO スマホで依存広がる(日本経済新聞)
児童生徒のテレビゲーム依存傾向および暴力的なゲーム使用と,メンタルヘルス,心理・社会的問題性との関連(学校保健研究)
WHOに認定された「ゲーム障害」とは?右肩上がりのゲーム市場の一方で・・・(障害者の雇用・就労支援情報)
ネットゲーム依存、疾病指定へ WHO定義、各国で対策(朝日新聞)
ゲームを1日16時間 依存症になり肺機能は「53歳」(朝日新聞)
WHOのゲーム障害定義は「時期尚早」 専門家らが懸念(NEWS JAPAN)
ゲームの依存性に注意。患者の脳に見られる特徴的な反応がアルコール・ギャンブル依存に酷似(ハフィントンポスト)



I'm Occupatipnal Therapist for children with disorder. I like all children. I hope save the children. I try to write for save the children.