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子どもには怒らない方が良い?最近の育児法は本当か?

作業療法士の中野です。
今日は子育てについての話をしたいと思います。

子育てについて、怒らない方が良いというのは主流ですよね。
私も月に1冊以上のペースで子育て関連本を読みますが、子どもに対してガンガン怒り散らせなんて書いた本は読んだことがありません。
当然でしょうね。人によっては虐待推奨のように取られたりもするかもしれないしね。

そんな主流に反して、私の意見は子どもには怒って分からせろ。特に言って聞かない子にはとことん怒れ!です。
今回はその理由や最近の育児書の問題についてお伝えしたいと思います。

大切なのは子どもに伝わっているかどうかだと思う…

子どもは怒られたくありません。これは発達障がいを持つ子もそうじゃない子も同じです。
発達障がいを持つ子の中には大人の怒りを怒りとして捉えない子もいるため、親が怒っている事に気付かず、別に怒っていないシーンで恐怖を覚えるということもあるでしょうが、子どもは親や先生に怒られたくないと思っているのではないかと思います。

大人が怒り、子どもが恐怖を感じる。そこに適切な愛着形成ができないだろうというのが怒ってはいけないという人達のご意見だと思う。

愛着障害系の事は岡田先生が沢山本を書いていらっしゃるので一冊位読んでもらえると良いかと。

某育児法において、怒って良いのは命に関することだけとか何とか言っているものもある。
そんな事言い始めたら、今どき電車の中で多少騒いでいるだけでも刺されるかもしれないし、それに対して親が怒ったとすると親が刺されるかもしれない。何しか警察官が殺される世の中ですから。
それでも他国に比べて命の危険が少ない我が国日本ですが、極論生きていれば常に命の危険がある。
集団登校で言われた通りの道を通っていても車が突っ込んでくるし、我が家の娘が通う小学校付近でもナイフを持った不審者の目撃情報なんかがプリントで配られるご時世なのです。

命の危険があるから学校になんて行くべきではない!と子どもに怒りますか?
「いやだ!いやだ!学校行く!」と皆勤賞を狙う我が子は言うでしょう。笑
あるいは、給食で出る牛乳が大嫌いだからヤッターと言うかもしれませんが…苦笑

話が逸れました。
例えば、子どもが親にとっての不適応行動を行ったとしましょう。
うちのお姉ちゃんも小学校に行くようになってから言葉遣いが荒くなりました。
度々暴言を吐きます。
「〇〇ちゃん、今…と言いましたよ。…というのは良い話し方なのかな?」
なんて言うのが良い育児だと、恐らく多くの子育て関連本には書かれています。私はそれを否定しませんし、それで伝わるならそれに越したことはないと思っています。

問題は、怒らずに伝わらない子達です。
訪問でも放課後等デイなどでの支援でも小学生以上になってくると大人を(特に支援者を)舐めている子どもが少なからず居ます。
私が小学生の頃、特に5,6年の時の先生はマジで怖かった。始業式の日にビンタ食らって、年間10回で済まないくらいビンタされました…爆
流石に5年の時にビンタされまくったから6年の時は超慎重に生活してビンタは1回もされてないんじゃないかなと思います。
まぁ、アラフォーの私が覚えている位の経験だから相当なインパクトをその先生は私に与えているのです。
でも、今どきそんな先生は居ない。更に放課後等デイなどの施設においてそこまで怒ってくれる人は更にいない。だから子どもは舐める。
子どももバカじゃないから、ここまでは大丈夫、これ以上は駄目という値踏みを常にしている。大人のあなたもそうじゃない?
うちの社長はここまでは言っていい、これ以上はダメっていうラインを見定めながら関わってませんか?笑

そこで活きていくるのが怒るという行動(しつけ)です。
言っても聞かない子どもには分からせないといけませんよね。
大人に対してその態度はどうなの!?なんて、私が訪問する先で子どもが生意気な態度を取ると親はそう言い静止しようとします。
しかし、私はその態度を攻めたりしません。私は私が嫌だと思う態度に対して、子どもが嫌だと分かるように伝えます。
未就学児の子ども達に対してはあまり怒りの表出をしません。そこまで怒りを使わなくても伝わることが多いからです。
ですが、そのまま学齢児には通用しません。先程も書いたように舐めます。
ですから、私は怒りを使います。「ぐぉらぁ〜!」とか「あぁ〜!?」とかちょっと(だいぶ?笑)大きめの声で言ったりします。初めて私の訪問に同行するスタッフは引いていると思います。(えぇ〜、そこまで言っていいかい!みたいなwww)

テーブルの上に足を置いていたら足を叩きますし(もちろん事前にテーブルの上に足を乗せてはいけないと伝えた上でですよ!)、命令形の口調も多用します。
一見すると私の行動は子ども達の嫌われ者になりそうですが、そんなことはありません。

今日なんかは多少怒りの表現を使っても聞かない子どもの所に訪問しました。小5の彼は私と遊ぶのが大好きですが、態度は悪いです。まぁ、普通の小5です。(ここでは普通の小5になんでOTが訪問しているんだという疑問はスルーします。笑)
以前は怒りを使い、その行動を改善しようとしましたが無駄だと再計画を立て彼にとってのメリット(私と遊ぶこと)を奪うことにしました。
今日も提供した課題に真面目に取り組まず、言っても帰る準備をし、「今日はそういう態度だから帰ります。来週は改めると約束しますか?約束できないなら今日で終了にして来週以降は来ません。」と伝えると態度が一変します。
「来週以降は改めます。」ではなく、今日も帰ってほしくないから、そのタイミングで帰ってほしくないから「もっと居て!(と口には出しませんが、行動で示します。笑 でも、それで良いんです。)」という態度を取ります。苦手な課題に対してもいきなり集中力を高めます。
すると、「しら〜ん、わから〜ん、めんどくさ〜い」しか言わなかった子どもが真剣に考えて答えを出そうとします。

そう、できるんです。できるのに、しないんです。しないでいい環境を周囲が作ってるんですよ!奥さん!
しっかりしつけたい内容が伝わっていたら子どもたちは覚えて行動を変えるんですよ。

中・高校生とかなったら、マジで無理だよ

さて、ここまでは小学生の子どもでの体験談をお伝えしたけど、それが中高生とかなってくるとマジで難しくなる。
別に一緒に遊ぶわけでもないので私が訪問しないならしないで良い子が大半です。私が多少怖い顔や声を使ってもビビりません。勝手に言ってろとなるわけです。

怒りを使っても、使わなくても子どもはこんな風にもなります。
そんな子たちの行動を変える為に、私が初回(というより契約前に)私が訪問するあなたにとってのメリットをメチャメチャ真剣に考えます。
発達障がいを持つ中高生ともなると、訪問の以来は本人どうこうとか関係なく、親の為に訪問してほしいという感じになります。
親は訪問してほしいけど、子は訪問してほしいと思っていない。だから、子ども達が訪問するメリットを感じ、お願いをしてくるまで訪問はしません。
私が訪問することで、何かしらメリット得られるのでなければ訪問を受け入れてなんてくれません。

要するに、怒るかどうか?ではなく、子どもに伝わるように伝えているか?なんですよ。

こちら(親や支援者)の意図が伝われば子どもは変わる!

不登校の小4男児の家には学習支援で訪問しています。
年中の頃から不登校気味で小学校(IQは高いが支援学校に在籍している)は殆ど行っていない。
知的には高いので、学校言ってない割には読める字は多いし、コミュニケーション能力も高い(が故に、揚げ足をとってくると周囲に言われている。)し、計算もそれなりにできる、また教えたことに対する理解も早い。
この子には昨年から関わり始めて、今年の夏前から九九を教え始めたのだが、最近は学年相応の計算をさせるようになってきています。(マジで覚えが早いんです、この子。)

当初は全く勉強には取り組めず、私の言うことなど一切聞かない感じでした。つまり、彼にとって私が訪問するメリットなんて一切ない状態だったわけです。親が勉強をなんとかという理由で訪問依頼があり、親の希望で訪問することになってしまった、今から考えるとダメなパターンだったわけです。
ですから、最初3ヶ月位は訪問して彼がテレビゲームをするのを見学しながら、そのゲームの話を聞くという形でした。
そんな話の端々に大人としての知識を散りばめ、少しずつ彼の知的好奇心を挑発し、勉強するメリットを伝え始めました。また、私が弊社社長であるという(全然報酬もらってないのに)尊敬の念も用いて、今では1時間の訪問時間中半分はゲーム、半分は勉強と彼自身がしっかりと時間を管理し勉強できるようになりました。

集中すると半年で小学1年生レベルから学齢レベルまで追いついたわけですから、賢い子です。
ですが、流石に最近の課題は難しくなってきて集中力がもたなくなってきていました。
そこで初めて勉強に対して怒りの行動を使いました。(今までは大人に対する態度や言葉遣いを教える為に怒りの態度を用いましたが、勉強に対しては取り組めているだけで御の字というところで怒りの態度までは用いていませんでした。)
私が伝えたのは「ここまで時間内にやらんかったら、残りを宿題にして来週からゲームの時間なしにするからな!嫌なら来週から来ない!」と伝えました。
すると、態度を改め集中しました。今回の内容については集中しても難しかったようで…
「ヤバイ来週からゲームなくなる、中野先生来なくなる、あー、でも難しい、できない!(※彼から伝わった心の叫び)」となっていて、あーヤバイ、ヤバイ(これが言語的コミュニケーション)と呟いていたので今回は助けを出し、丁寧に教え直しました。笑

要するに怒ってはいけないとか、そういう話じゃないってことです。
仮に勉強に集中しない彼に対して、私が感情的に怒ったとしても「アホや、怒っとる」くらいにしか感じないと思います。
ですが、私は感情的にではなく彼の行動を変えるために『あえて』怒りの態度を使います。
自分のイライラの発散ではなく、彼の行動変容を求めて関わるわけです。

多くの育児書に書かれているのは感情的に怒らない方が良いってことだと思います。

おわりに

今日、訪問したご家庭で、子どもの親に「こんな態度取られてムカつきませんか?」と聞かれました。
私の答えは「ムカつきませんけど、お母さんがムカついているから問題だと思うので、それを改善する態度をとっています。」です。
最初の方に書いた子の話ですが、お母さんからは「何でムカつかないんですか、私なんてイライラして仕方がないんです」と言われます。
「ムカついて子どもが変わるなら良いですけど、ムカついた所でなんも変わりませんよね?」とお母さんに伝えると、「うん、まぁ、そんなんですけど…(反省)」みたいな感じでした。笑

先日、テレビで泣きわめく子に対して親が「泣いても!」と言って、子どもが泣きながら「解決しない…え〜ん!」というシーンを見ました。
まさにその通り!この合言葉ステキ!と思い、我が家でも下の子(年中)に用い始めました。笑

そう、子どもには泣いても解決しないことを教えないといけないのです。
そして、今回紹介したようなお母さんにはムカついても解決しないことを教えないといけません。

しつけとは正に問題解決の手段を教える方法なんだろうなぁと思います。
結論、怒っていいとか悪いとかではなく、適応的な行動を促すために最善の方法を取るべし!ってことだと思います。

I'm Occupatipnal Therapist for children with disorder. I like all children. I hope save the children. I try to write for save the children.