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【プリズンライターズ】刑務所より俳句と短歌 Vol.4 (つぶやき付き)

呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!高圧線ビリー!です。プリレポ愛読者の皆さんお元気されてますか?
初心者に毛が生えた程度ではありますが、今回も短歌を花束にしてお届けさせて下さい。
同時に、作句作歌をするにあたって日本語の特徴・特質を理解するのも大切なので、僕の拙ない知識を少しお裾分けさせて下さい。

早速ですが、日頃我々が見たり聞いたり喋ったりしている日本語って、とっても曖昧だと云われがちなのは、曖昧な表現を好むし、ズバリ云わない方が丁寧と云う感覚があるから曖昧表現に長けてるんです。
敬語を過剰に使うのもそうだし、人を傷つけない為の何かに包んで云う表現は、日本語がすごく発達している証拠。

例えば、『〇×をお預かりします』と云ったり、〇×が到着した事を報せるのに『〇×が到着しました』ではなく『〇×が到着したようです』と云ったり。
 『〇×とか』もそうで、『買い物とか行く?』の様に、買い物しか行くつもりはないのに『買い物とか』と云う。
最近の傾向でやはり広い意味での曖昧表現の一つですよね。日本語はいい意味でも曖昧な表現が得意中の得意なんです。
それを日本人として、作句作歌人として、投稿職人として頭の片隅にでも覚えておいて損はないと僕は考えます。
それではここから短歌始めまSHOW!


・やがて死ぬ蝉に群がる蟻たちは 砂の巣穴へ死を持ち帰る
(獄のグラウンドを走って後、クールダウンでトボ×2歩いてる時に見かけた光景。弱々しくもがいてる蝉をたくさんの蟻たちが担いでる。助けようと手を伸ばしたものの、思い止まった。だって、人間目線が必ずしも正しいとは限らんしね。自然はキビシーッ!! )

・本日はニュースがないから新聞は休刊ですと云う日も欲しい
(新聞を捲ると某国の独裁者が隣国に侵攻し悪逆の限りを尽くしたり、親が我が子を虐待で殺めたり…。人生に一回はニュースがないからって日を経験してみたいよね。 )

・逢いたいと想う気持ちを溜めている 逢いたき想いに利子がつく程
(この気持ちはまだ「恋」の段階。恋を愛に昇華させようと熱くなる日々って、病み付きになるよね! )

・眠れずに獄窓から月を眺めたり 懐かしい人思いたたずむ
(あの人、今頃なにしてるかなぁ? )

・面白いと囚友が貸してくれた本 栞を挟んで今日はここまで
(僕は基本的にほんの好みが合わないけど、この囚友が貸してくれる本はいつもお僕好みで有難く読ませて頂いてます。サンキューッ1 )

・今はまだ語り合い得る自由あり 9条の下にあるべき未来
(人の数だけ考え方があるし、護憲か改憲かはデリケートな問題だから多くは語らないけど、僕は護憲派です。刑務所にいると無関心になりがちだけど、日本人としてたま~に考えてみようよ! )

・床に就き歌の言の葉五・七と 無関心にさぐる我が導眠法
(なぜだか知らないけど、無関心にアレコレさぐってると、ホントよく寝れるんですよね。ここ5年位は眠剤の世話になった事ありません! )

・夏がくる覚悟を決めるように食む ゴーヤ多めの獄のチャンプルー
(生まれも育ちもゴーヤチャンプルーで有名な島の僕は、夏のゴーヤチャンプルが欠かせない。小さな事だけど、献立表にゴーヤチャンプルがあると小躍りしたくなる。小さな事だけど、それってとても大切っ! )

・本が好き書くことも好きアナログの償いの日々いま生きる糧なり
(僕ら受刑者は、ホントよく本を読む。本も好きだけど、投稿文を書いたり、イラスト描くのも好きっ! )

・人間の命はとても壊れやすい あんな小さな地雷に触れて
(小さな地雷ごときに大切な命は容易く奪われる。地雷を発明したのは人間、殺されるのも人間。う~ん、考えれば考えるほど溜め息が…。 )


以上になりますが、刑務所生活は苦難の連続です。
でも、決してそこで腐って諦めたら負けになる。そこからは何も生まれない。
生きる為にはその意味と方向、そして健康も大切です。自分自身を本当の意味で大切にして下さい。
またお目にかかれる日を楽しみにし、この辺で失礼します。


2024年2月23日

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