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第3章〜川越少年刑務所編 第4犯〜え?刑務所って選べるの?

犯罪を犯して入居希望の刑務所まで指定したいのが囚人です。
理由は人それぞれあると思います。
今日はそんな感じの話をメインに書いていきたいと思いますので、最後までよろしくお願い致します。

まず最初に刑務所を選ぶことはできない
タイトルを読んでの一発目にこれはないでしょうwという感じで書いちゃいましたが、あくまで「希望」を話すことはできます。

センター工場で作業していると、たまに人が呼ばれていきます。
作業中に呼ばれる場合、大抵が面会か面接です。
センターでの面接は「分類面接」と呼ばれていて、【こいつにはどこの刑務所が相応しいか?】という判断をされます。
とは言っても形式上こんな面接が存在するだけで、ほとんどは刑期だったり犯罪傾向だったり暴力団関係者か否かって感じだけで判断されているらしい。

面接内容はいたってシンプルだった。
身元引き受け人はいるのか?とか、罪名や満期日などといった、自分のプロフィールを再確認させられるだけの質疑応答なので「絶対に意味ないじゃん?」と思った。
で、ランチタイムの際に同テーブルの奴らに色々聞いたんだけどみんな同じ質問だったらしい。

でも一個面白いことが分かった。
暴力団員がいた。
川越は施設区分YAと呼ばれる施設だ。
Yはヤング。アカ落ちした年齢が26歳に達していない者が収監される。
Aは初犯刑務所で暴力団でない者。何回も行ってる人専用刑務所はBと呼ばれる。Bは初犯であっても犯罪傾向が進んでいたりすると行かされる。

川越はYAなので本来であれば暴力団はいらっしゃらない施設のはずだ。
で話を聞いたら逮捕時に組を抜けたらしい。
どんな理由があるのか深くは聞かなかったが、何となく仮釈放目的なんだろうなと思った。
AはBに比べてたくさんの仮釈放を頂ける。刑期満了の前に出所できるんだからこんなに嬉しいことはない。
Bに行っちゃったら仮釈放は諦めた方がいいみたい。。。
ちなみにシャブの売買で4年半と言っていた。

他の奴らもATM盗んで3年とか、オレオレ詐欺で4年とか、罪名言わないけど5年とかの奴らがいた。きっと性犯罪者なんだと思う。
当時の刑務所では性犯罪者は人間として見られていませんでした
当然バレると過酷なイジメを受けます。だから言わなかったんだと思う。

「同世代」+「犯罪者」=「親友」
こんな意味不明な方程式が生まれるのも面白い。
今の若者はどうか知らんけど、当時の20代なんてみんながみんな絶好調でイキってた。
あとなんかすごい知り合いがステータスみたいなのもあった。
で、こんなところにいる奴らは大体が遊んでナンボみたいな人生だったから、意外と共通の知り合いがいたりする。んでイキりたいからすぐ人の名前出す。するとちゃんと繋がってるっていうのが心底ウケた。
もうこれで親友になる。
「出たら連絡するね」が口癖になる。
ぶっちゃけ大量の「連絡するね」を頂戴したが、ちゃんと連絡して来た奴なんて5人もいない。

注:連絡先の交換がバレると懲罰を受けますのでやってはいけません。

そんなこんなでめでたく分類も後期を終え、いよいよもって長年の住まいとなる刑務所が発表される。

引越しの当日はとりあえず部屋から追い出される。
んで何人かごとにまとまって移動したりするんだが、俺らの集団はどうやら刑務所の奥深くを目指して進軍を開始した。
でガランとした部屋に入れられ、「お前たちは川越少年刑務所で過ごすことになる」と、夜逃げした時オトンから言われるような感じのトーンで言われた。

ちなみに面接時になるべくオカンの負担にならないよう実家からピクニック感覚で行ける場所の刑務所を希望していた俺的にはちょっと残念だったが、まあ大方の予想通りだったので良しとした。

そんなこんなで今回もお読み頂きありがとうございました!
最後まで書き切りますので、今後ともよろしくお願い致します。

川越刑務所 センター第2工場 1434番

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