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大人の夏休み自由研究(科学)、まじめに「宇宙の謎」に迫る!!

こんにちは。
子供たちは夏休み満喫中と思います。しかし、ただ遊んでいるだけではなく、それぞれ、夏休みの宿題として「自由研究」を頑張っていると思います。
今回は大人の自由研究として、テーマは大きく「宇宙の謎」について考えてみたいと思います。

まず、「宇宙の謎」について、どのような謎テーマがあるかをみていきます。

・宇宙の始まり/終わり/宇宙の果て/宇宙の膨張
・ブラックホール
・多元宇宙論
・ニュートリノの存在
・反物質が存在しない
・宇宙の構成要素(ダークマター/ダークエネルギー)

それぞれが重たいテーマですね。

それでは、次に、テーマごとに今年の最新トピック(ニュース)を見ながら、人類は宇宙の謎に対してどこまで迫っているのかを見てみたいと思います。ニュースソースは日本経済新聞です。


(1)宇宙の始まり/終わり/宇宙の果て/宇宙の膨張

2024年5月31日 ウェッブ望遠鏡、最古の銀河観測、宇宙誕生から2.9億年後

宇宙はおよそ138億年前にビッグバンにより誕生したと言われています。その後、数億年後の期間に銀河が形成されたと考えられていますが、今回、発見された銀河は、観測史上最古の銀河で、宇宙の始まりからわずか2億9千万年後の姿を観測したようです。
ちなみにウェッブ望遠鏡とは、ジェームズ・ウェッブ望遠鏡といい、地上ではなく、なんと2021年12月に打ち上げられて、宇宙空間から星々を観測するNASAの最新観測機器なんですよ。
観測機器の精度が上がれば、宇宙誕生の瞬間が観測できる日が来るかも。

そして、こちらは日本の東京大学の最新の観測機器、拠点のニュースです。
2024年5月1日 東大、ギネス認定「世界一高い天文台」で宇宙の謎にせまる

宇宙が膨張しているという発見は、20世紀から21世紀にかけて、物理学最大の発見と言われています。2011年のノーベル物理学賞は「宇宙の加速膨張の発見」として、ローレンス・バークレー国立研究所(米国)のソール・パールムッターら3人が受賞しました。

東京大学が最近、南米チリの標高5640メートルの高地に新たに建設したアタカマ天文台は、まさにこの膨張宇宙の誕生間もないころの原始的な銀河などの天文体を観測することが目的です。

(2)ブラックホール

ブラックホールは我々の太陽より30倍以上重たい質量の恒星が一生を終える際に、星の核が自らの質量により、中心の特異点に際限なく押しつぶされて形成されると言われています。こうしたブラックホールは我々が観測できる範囲に1000億個以上あると推測されています。
ちなみに、ブラックホールの中からは光さえも抜けることができないため、観測は周囲の光を背景に、影絵のように捉える方法となるようです。

2024年5月31日 重さ太陽の数千倍、ブラックホール形成 東大など解明

さて、東京大学の藤井准教授らは、国立天文台などと共同でコンピューターシミュレーターを使って、太陽の数千倍の質量をもつブラックホールが形成される過程を計算することができました。現在は、コンピュータの高度化によって、理論形成と実際の観測以外に、その物理現象をシミューレーションするというプロセスもできるようになりました。
ブラックホールについては、観測が難しく、また近づくこともできないことから、こうしたコンピューターシミュレーションによって、その形成過程を検証することは有効なやり方ですね。

(3)多元宇宙論

一般にマルチユニバースと呼ばれる量子力学が説く「多世界解釈」に基づいた、無限の数の宇宙が存在するとされるモデルです。
このモデルによると、我々の存在する宇宙は、無限に何種類もある宇宙の中から、たまたま今の物理学定数があり、人類が生まれることができた一つの世界であると解釈できます。
つまり、他に無限大に異なる宇宙の姿や人類が存在しない宇宙があるということです。
ちなみに、このマルチユニバース理論については、もし、そうだとしても、普通の観測で解明することは不可能と言われています。

(4)ニュートリノ

ニュートリノとは素粒子の一つで、質量がほとんどなく、宇宙空間で物質を透過し、飛んでいると言われています。このニュートリノの性質解明も宇宙研究の中で直近の大きなテーマです。

2024年8月6日 高いエネルギーのニュートリノ 千葉大などが測定に成功

千葉大学が参加しているのは、FASER実験という欧州原子核研究機構(CERN)で、大型ハドロン衝突加速機を用いて、光速近くまで加速した陽子同士を衝突させ、発生する粒子の中に、今回、ニュートリノを測定することができたそうです。

これ以外に、宇宙空間から地球を透過するニュートリノを観測するための設備として、カミオカンデという検出機が岐阜県飛騨市の地下にあります。
このカミオカンデによるニュートリノ検出の成果では、2002年に小柴昌俊教授、2015年に梶田隆章先生がノーベル賞を受賞しています。宇宙の謎の中で一番早く解明されそうなテーマが、このニュートリノかも知れませんね。

(5)反物質が存在しない

約138億年前に起こった宇宙の始まり、ビッグバンでは、物質と、その反対の性質を持つ反物質が同数作られたとされています。ところが、今の我々が観測できる宇宙には反物質は存在していません。そのため、物理学者たちは、この反物質が消えた謎を解明するために、様々な観測実験を試みています

2024年2月2日 国内最大の加速器再始動 「反物質」の謎を探索

今回、高エネルギー加速器研究機構(KEK)国内最大の円形加速器を再稼働しました。そして、今回は性能が大幅に向上しており、今後、宇宙を構成する物質誕生および反物質消滅の謎に挑むと期待されています。

(6)宇宙の構成要素(ダークマター/ダークエネルギー)

さて、つい最近の日経新聞に載っていたこのニュースが私的には一番驚きでした。

2024年8月3日 銀河地図が示す宇宙の行く末 「暗黒エネルギー」がカギ

国際研究プロジェクト「暗黒エネルギー分光装置(DESI)」2021年から米アリゾナ州のキットピーク国立天文台に取り付けて、600万個の銀河やクェーサーが出す光を分析して、銀河の地図を作ったそうです。
この観測結果と既知の宇宙の距離を測る「赤方偏移」「バイオリン音響振動」を組み合わせて解析すると宇宙膨張の推移がわかるそうです。

そして、2024年4月にその結果を公表したのですが、驚くべきことに、従来の宇宙の理論モデルよる宇宙膨張とずれが生じたそうなのです。
つまり、宇宙の実際の膨張が理論モデルよりもゆっくりである可能性が示されたということです。そして、そのカギが宇宙の加速膨張の原因である「ダークエネルギー」の性質にあるということです。

ここでのポイントは2つあります。

まず、宇宙の膨張のスピードが実際に遅くなり、今後、収縮に向かうかどうかです。今までのモデルを大幅に変更しなくてはいけません。

次に、こうした宇宙の膨張に大きく関係する「ダークエネルギー」についての調査研究です。
というのは、宇宙にとって、今回、非常に重要と考える「ダークエネルギー」「ダークマター」は現在、観測もされておらず、全くその性質がわかっていないのです。

ちなみに、現在の宇宙モデルの構成要素は以下のようになります。
ダークエネルギー 68%
ダークマター 27%
水素や酸素のような物質 5%

この数字自体も驚きですよね。我々が目に見えて観測できる物質が、宇宙全体からすると、たったの5%しかないとは。それ以外の宇宙の95%は正体不明の何かなのです。

今後、DESIなどの最新の観測機器を元に、「ダークエネルギー」の正体に迫っていくということですが、宇宙はまだまだ謎だらけのようです。

それでは。

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