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デモンズソウルクリア ELDEN RINGまで届いた2人(宮崎、梶井)の熱い思いを感じろ!!

こんにちは。

フロム・ソフトウェアの「ソウルシリーズ」最初の作品である「Demon’s Souls/デモンズソウル」(以下「デモンズソウル」)を140時間で1周目クリアしました。

今でこそ「ELDEN RING」は世界中で大ヒットしているフロム・ソフトウェアですが、この「ELDEN RING」に繋がる「ソウルシリーズ」の第1作目がこの「デモンズソウル」です。

2009年に広告もなく全く無名のゲームとしてリリースされた「デモンズソウル」。その後、口コミや評判の良さから、順調に販売本数を伸ばし、結果的に販売本数は国内で20万本弱、北米で38万本とまずまずのヒットとなりました。

この「デモンズソウル」を開発販売するにあたり、中心となった人物がご存知、フロム・ソフトウェアの宮崎英高さんと「ソニー・コンピュータエンターテイメント(SCE)」(当時)のプロデューサー、梶井健さんのお二人です。

この「デモンズソウル」は、なんとプレイステーション本体(当時はPS3)の開発販売元であるソニーのエンターテイメント会社、SCEが主体となり、フロム・ソフトウェアが協力することで開発、販売されました。SCEが全体を仕切って、ゲーム開発はフロムソフトウェアが行うという役割分担です。そして、SCEのトップが梶井健さんでした。

梶井健さんが、当時「デモンズソウル」の企画をソニー社内で通してくれなかったら、「デモンズソウル」、更にはそれに続く「ソウルシリーズ」、そして世界的にヒットした「ELDEN RING」もこの世に生まれなかったのです。

「ソウルシリーズ」生誕の功労者が梶井健さんなのです。
そして梶井健さんは、実は2013年に、若くしてお亡くなりになっています。「ソウルシリーズ」そして「ELDEN RING」の大成功を見ずにこの世を去られてしまいました。残念ですね。

当時の「デモンズソウル」発売後の梶井健さんと宮崎英高さんのインタビュー記事などを読むと、お二人のやりとりからこの「デモンズソウル」という新たなゲームに対する愛情がとても温かく感じられます。

最初に新ゲームの企画を考えた時、梶井さんと宮崎さんが共に好きだった「エクスカリバー」のような重々しい中世ファンタジーの世界観の話でとても盛り上がり、ぜひ一緒にそんなゲームを作りましょうと話したこと。

そして二人とも、ゲームで得られる快感は「プレイを続けながら徐々にプレイヤー自身が上達していく、そんな過程こそが楽しい」という意識を共有し、それを実現するゲーム開発につなげていったこと。

面白いエピソードがあります。

梶井さんが、ソニー/SCEのゲームである手前、「ヒロイン」を作って欲しいと宮崎さんにお願いして、出てきたヒロインが、ゲーム中に出てくる黒づくめの衣装に両目を黒布で隠して主人公のレベル上げをする「火防女(ひもりめ)」であったこと。そして、それをみて梶井さんが唖然としたとか。

そして、二人のその時の思いや愛情は、それ以降の「ソウルシリーズ」や「ELDEN RING」にも、確実に引き継がれいます。

ちなみに私が今回プレイしてクリアしたゲームは「リメイク版/PS5」となります。これは2020年にPS3版のデモンズソウルのグラフィック部分を中心に、PS5に合うようにリメイクしたものです。このリメイク版は版権を持っているソニーインタラクティブエンターテインメント(SIE・旧SCE)が、リメイクに定評があるBluepoint Games社に任せています。

最後に「Demon’s Souls/デモンズソウル」(リメイク版)の内容や評価を書いておきます。

ストーリーは「荒廃した亡者が救う王城、祭祀場、坑道、腐れ谷、塔の5つのエリアにてデーモン(ボス)を倒し、最後にボーレタリア王国の老王を倒して、国を崩壊させた謎を解き明かし、世界を救う」というものです。

ボリューム的には感覚でELDEN RINGの1/10程度ですが、逆に集中してサクッと最後までいけた爽快感、スピード感は非常に高かったです。
ボス数 12
ボスイベント 5

この「Demon’s Souls/デモンズソウル」には、まず、今から14年も前の段階で、その後の「ダークソウル」「ELDEN RING」に出てくる主要なゲーム要素が全て詰まっているということに驚かされます。

例えば、ソウルシリーズは基本的に篝火、祝福と言われるチェックポイントがマップの各所に設置されており、そこから冒険をスタートして、死んだらまたそこに戻ってくるという仕様ですが、こちらはデモンズソウルですでに確立されています。また途中で死んだ場合にソウルを落とす、という仕様も同様です。

そして、雑魚敵の戦い方(基本は1対1で戦う)やボスには何度も挑んで、ようやくギリギリ倒せる難易度など、全てがこのデモンズソウルで生まれています。

更には先程のヒロイン火防女(ひもりめ)などレベル上げのための女性NPC、はたまた青ニートと呼ばれる戦いに疲れた同士、パッチと言う憎めない商人、そして武器や盾のバリエーションと強化方法、魔法、祈祷といった遠隔攻撃術、回復薬やそれ以外のバフなど、以降のソウルシリーズでは、このデモンズソウルの仕様をそのまま10年以上も引き継いでいると言っても過言ではありません。

つまり、このデモンズソウルで全てが始まったということが実感できる素晴らしいゲームなのです。

このように10年以上も色褪せないゲームシステムを作れたのは、当時の宮崎英高さんと梶井健さんのチームが如何に先進的だったかということだと思います。

さらに、今回リメイクということで、PS5に合わせてグラフィックが非常に美しくなっています。同じPS5のELDEN RING と比べても全く遜色のない出来となっており、新作と言っても通じるくらいの新鮮な印象です。

特に私はPS3のオリジナルをプレイしていないので、フロムソフトウェアの新作のような感覚で楽しくプレイできました。

デメリットだと思ったのは次の3点です。ただ、この3点はその後のソウルシリーズやELDEN RINGでは解消されている問題です。

1つ目はチェックポイントの少なさの問題です。デモンズソウルでは要石というチェックポイントで状態回復、ワープなどができるのですが、この数が非常に少ない。少ないとどういうことが起きるかというと、2回目以降のボス戦をする際、また最初からボスまでの長い道のりで、たくさんの雑魚(たまに強いのもいます)を倒したり、スルーしたりして進まなければいけない、ボスの再戦に時間がかかる、ボスになかなか辿り着けないで死ぬことも…
これが以降のゲームではボス前にちゃんとチェックポイントができて、ボス戦に集中できるように改善されています。

2つ目は体力の回復薬が補給されない問題。デモンズソウルでは体力を回復するために草アイテムを消費するのですが、この草アイテムが自動的に補給されないため、草アイテムをわざわざショップで買ったり、マラソンをして集める必要があります。
以降のソウルシリーズではチェックポイントにつけば自動補給されるようになり、補給ストレスがなくなりました。

そして3つ目はゲームシステムのガイダンス不足問題です。ソウルシリーズでもこのゲームシステムの説明がないところが、逆に、自分で見つけていく楽しみにもなっていますが、1発目のデモンズソウルでもガイダンスがないため、当時、初めてプレイした人はものすごく苦労したと思います。

ある程度時間が経てば、攻略サイトのようなもので知識を得ることができますが、もう少しガイダンスがあってもよかったのではと思います。
特に、エリアとキャラクターの傾向が白と黒でエリアイベントが変わる、といった仕掛けは、わかればすごく面白いのですが、最初は何のことが全くわかりませんでした。

このデモンズソウル、私は他の全てのソウルシリーズをクリアした後にプレイして、非常に感慨深いものがありました。2009年という時期にこれだけユニークで奥深いゲームが生まれたとは、当時の人たちは、皆、衝撃を受けたと思います。

そんなソウルシリーズの衝撃的な誕生に思いを馳せながら、プレイ完了しました。このゲームは絶対やるべきゲームのひとつです。

最後にリメイク版のエンディングロールにしっかりと梶井健さんへの追悼がありました。



それでは。

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