printemps誕生秘話~3章~
準備期間
物件を見つけてから約半年でprintempsオープンと至ります。お店の名前、コンセプト、ホームページ作成、メニュー展開、融資申請、店舗工事など。やることは一気に山積みです!pagesのサロンワークと同時進行で当時の私は無我夢中でした。自分が三人いるぐらいの勢いで朝から晩を超えて夜中まで動いていました。独立を決断することはかなりの勇気がいることで、地球をひっくり返す様な気持ちでした!しかし準備期間も短く不安な気持ちと裏腹に、やらなければいけないことが多く、不安の気持ちはどこかに吹っ飛んでいました。(笑)オープン前日、pagesの星さん、ディーラーの渡部さんが準備のお手伝いに来てくだいさいました。一年で辞めてしまった私に、ここまでしてくれたpages星さんには感謝しきれません。また器の大きい星さんに憧れを持つようにもなりました。
2017年4月1日
髪と頭皮に優しい美容室printempsオープン
ついにprintempsオープンです。沢山のお祝いのお花やお言葉、心から感激しました。溢れるばかりのお花に囲まれ、プライベートサロン・髪と頭皮に優しい美容室 printempsオープンします。究極のヘッドスパ、シャンプーマッサージ技術「整頭術(現TOTONOE)」は9割のリピート率となり、お店の看板メニューとなります!あの時の経験は決して無駄では無く必要な経験だったのです。
不安が一番の学びのエネルギー
オープンしてから激動の日々。1年間の休暇は指で数える程度。休日は全てと言ってよい程、勉強会に時間をつぎ込みました。1ヶ月に2.3回のペースで東京に行きセミナーや技術の勉強会に参加しました。なぜなら、わたしはカリキュラムというしっかりとした教育を受けていない。過去のできない美容師からスタートをしています。それは、一つのお店のオーナーとして美容師としての不安とコンプレックスでもあるからです。技術は正解はありません。お客様が満足することが一番の目的です。しかしそこには確かな知識と技術力が必要です。何度も繰り返し勉強します。私はまだまだ、走り続けます。
2019年新美容出版「経営とサイエンス」掲載
2019年ある日、一本の電話が鳴ります。「新美容出版ですがprintempsさんを取材させていただきたいのですが?」・・・「是非!こんな小さなお店で宜しければ!」なんと美容業界誌から取材依頼がきたのです。しかも、かなり有名な出版社でした。とても嬉しく、なぜprintempsに連絡がきたのかは一切分からず。しかし、これは出るしかない!うわー!私見た目も、こんなちんちくりんだけど大丈夫かな?これが正直な最初の不安でした。(笑)まだお店オープンして数年しか経っていない。大したことは語れないし。そんな不安もありましたが取材を受けました。無事に取材は終わり一つ気になる事があったのです。「どなたから紹介を受けたのですか?」「あの~坂下さんから紹介を受けました」なんと、あの強烈に私を罵倒した美容師でした。彼は私のアシスタントの頃から私の様子を伺ってました。そして独立に至る時。この子はこう言ったらやる人間だと、見透かされての発言でした。しかし、それは私が成長できるから伝えてくれた言葉でした。人はいくらでも褒めてくれます。悪いことは教えてくれません。しかし坂下さんは本気の言葉で、本気の美容師になれと教えてくださいました。
3周年での企画「aizu de haregi 春家」
2020年で3周年という区切りの良い節目に少しインパクトを変えよう。新しい企画を作りました。「aizu de haregi 春家」といったカジュアル着物レンタル企画です。2020年オリンピック開催予定。2019年に一人で京都に行った事がきっかけとなり企画しました。会津若松市か観光地であることから観光客向けにも発信できるサービスを美容室より展開する予定でした。先ずは現printempsお客様の反応が知りたかったので、お客様にサービスを提供しました。反響がよくとても好評でした。しかし、2020年2月一気に時代の転換を迎えます。オリンピック延期。レンタル業のリスク、観光客激減、人と会う事がハイリスクといった時代への突入。しかし日本を象徴とする文化衣装はいつの時代でも愛され、着物文化が無くなる事は考えにくいです。この厳しい状況を転換して違う角度からアクションしていきたいと思います。
未来へのprintemps
大きな美容業界のたった一つの小さな美容室の誕生秘話でしたが同業者の方にも見て頂きたいと思いました。コンビニよりも多い美容業界で競争も必要かと思います。しかし、技術の追求をすれば果てしなく上には上がいます。都会の有名カリスマサロンなど数えきれません。限りない競争はこれからの時代に果たして必要なのか、そう思うのです。
揺るぎない情熱を持ち、目標に向かうと自然と応援者が現れます。そして、その思いは伝わり、協力者となってくれます。私は独立を期に頑張っているすべての美容師さんを応援したいという発想に変わりました。なぜなら美容師である先輩が協力してくれたからです。
これからリアルビジネスである私たち美容師は、いろんな形で進化していかなければならないと思います。その時に一緒に本気で前に進める「同士」がどれだけできるのか。まだまだ私は交友関係も少ないです。経営者としても自信はありません。しかし美容師として仕事やお客様に対する思いは皆さんと一緒です。
まだまだ挑戦をしていきたい、そう思っています。
終わりに
沢山のお客様に愛され毎日素晴らしい日々を送っています。これも今まで育ててくれた先輩やお店、家族、友人、関わってくれた皆様のお陰です。
また、いつもご来店いただく皆様には心より感謝申し上げます。
全ての逆境をも前向きに未来へと繋げ、また新しい一歩を今日も歩んでいきます
2020年6月1日 printemps 加藤 はるな