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『脳科学セールス』#6

認知バイアスを乗り越えるのは物語の力

本書ではセールスの観点で以下の認知バイアスを取り上げています。

  1. プロスペクト理論

  2. アンカリング効果

  3. 選択支持バイアス

  4. 確証バイアス

  5. 利用可能性ヒューリスティックバイアス

  6. バンドワゴン効果

前半の2つは相手を動かす数値について、残りの4つは相手が自分の決断を正当化する心の動きについて述べ、それらを逆に味方につける方法が語られています。

この中で、利用可能性ヒューリスティックバイアスは初めて知りました。
利用可能性ヒューリスティックバイアスとは、簡単に言えば、自分に馴染みのある情報が時には正しい情報に勝ってしまうこと。
本書のでは、1日に3箱のたばこを吸っていた祖父が90歳まで生きたので喫煙の危険性を否定する人などの例が示されています。

宗教に没頭し、ときには他人に迷惑をかける行為に走ってしまうのは、このバイアスが関係しているのではないかと思ってしまう。
自分の恐怖心や信念が良識に勝ってしまうと書かれてあるので。

本書では、このバイアスを回避するのではなく利用することを提案されています。

逆に感情レベルで受け入れてもらえれば、利用可能性ヒューリスティックバイアスが有利に働くようになる。あなたとの間にできた新しいつながりが、相手の無意識のなかで「支配的な」情報となり、ラジオで耳にした業界についてのちょっとしたニュースなど聞き流してしまうだろう。

『脳科学セールス』

そのためには、まず感情レベルで受け入れてもらう必要があると。
相手が自分の過去の記憶や情報などよりも、あなたのことを信頼したとき、このバイアスがあなたの味方についてくれるのです。
そのためには、本書で再三語られている「物語」を使いましょうとしています。

聖書が世界一のベストセラーになったのはその物語性にも理由があるといいます。
物語を通して共感を呼び教訓を与えることは効果的なのですね。

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