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『ピアニストの脳を科学する』#46

脳科学・身体運動学からひもとく音楽する脳と身体の神秘

著者:古屋晋一
発行所:春秋社
発行日:2018/01/20 初版

【ポイント】
1.大人になってからの練習はムダではない

これらの結果は「遺伝ではなく、楽器を演奏する訓練によって、脳の神経細胞が増えたり、脳の動きが洗練される」ことを示す、有力な証拠と考えられます。

11歳までの方が脳の白質の体積をより増加させるそうだが、それを越えても増加しないわけではない。
練習さえ積めば、何をするにも遅すぎるということはない。

2.故障を防ぐためには

現在主流になりつつあるのは、「不適切な身体の使い方や弾き方(ミスユース)が、演奏によって身体を傷める引き金となる」という考え方です。

長時間の練習が故障の原因になるのではなく、間違った身体の使い方が身体を傷める。
何をするにも、正しいやり方を正しく練習することが大事。
守破離の守をまず学ぶべし。

3.初速を大事にする

ある曲を練習し始めた初期の段階では、この1回あたりの練習時間を長く取ることが大切だということがわかっています。
(注)1回あたりの練習時間・・・休憩を挟んで何回かに分けた1回分

最小限のパワーで目的地に着くためには、最初に最大限のパワーで上昇気流を掴むことが大事という渡り鳥理論。

【所感】
今回はどうすれば無理なトレーニングをすることなく卓越した技量を得られるのかを問いに読みました。

現在はネットや特にYouTubeでいろいろな練習法を見ることができます。
しかし、万人にとって正しい方法が自分にとって最適とは限りません。
その観点からインタラクティブにトレーニングを受けられる方が有料でも効果は高そうです。
あとは、やると決めたら上昇気流に乗るまでは、一気に時間を投下するのも必要ですね。


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