電磁波(電波)と電磁誘導を混同していませんか?
ワイヤレス電源に電波法が適用される?
ワイヤレス電源の構成部品は、インバータ・コイル・コンデンサ・トランスなど一般的な電源装置で使われるものと同じであり、電波を利用した装置ではありません。
(注意:電源装置はノイズとして電波を放出することはあります)
電波法の第二条に
「電波」とは、三百万メガヘルツ以下の周波数の電磁波をいう
と電波が定義されており、電波法はこの電波を利用した無線設備などを対象にしています。
従って、電波を利用していないワイヤレス電源は電波法の規制を受けることはないはずですが、どういうわけかワイヤレス電源も電波法の規制を受けることになっています。
同じように、電波を利用していないIH調理器や電動歯ブラシの非接触充電なども電波法の対象になっているのですが、なぜなのでしょう?
電磁誘導も電波法の規制を受けるのか?
ここまで「電波を利用していない」と表現してきたのは、電波ではなく「電磁誘導を利用している」という意味なのですが、電磁誘導も電波法の規制を受けるのでしょうか?
まさか、電磁誘導と電波(電磁波)とを混同しているということはないですよね!?
電磁誘導も電磁波も同じ「電磁」「electromagnetic」ですが、その言葉が意味する物理現象や理論法則はまったく別のものです。
(電磁誘導と電磁波との違いは別の記事に書きます)
その他の電磁誘導応用装置は?
もし空気中の電磁誘導を利用した装置が電波法の対象になるとしたら
・空心コイルを使った装置
・鉄心にエアギャップがあるトランスを使った装置
・ブラシレスモータ/誘導モータ
これらの装置もIH調理器と同じように電波法の規制を受けることになるはずですが、電波法の規制対象にはなっていないようです。
電波法が電磁誘導をどのように扱っているのかよくわかりませんね…
どのように規制するのがよいのか?
ワイヤレス電源が電波を利用していないとしても、実際にはノイズとして放出される電波がEMC(ノイズ)の規制を受けるので、そもそも電波法で規制する必要はないでしょう。
また、EMCとは別に安全性の確保のために、何らかの法的な規制は必要だと思いますが、電波を利用していない装置を電波法で規制するのはおかしいので、例えば「電気用品安全法」で定めるのはいかがでしょうか?
まあ、私がここで何を言っても法律は変わりませんが、最後まで読んでくださった皆さんは、電磁誘導と電磁波を混同しないようにしてください。
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