見出し画像

LGBTs、新担当よりご挨拶~プリンセススクゥエアーに出会って踏み出した一歩(前編)~

こんにちは、プリンセススクゥエアーLGBTsの新担当です。生活と身体の一部を性別変更しているトランスジェンダー当事者でもあります。2023年からプリンセススクゥエアーのLGBTs担当として、住まいに関する情報発信をさせていただきます。

最初に、私がプリンセススクゥエアーと出会ったときのお話をさせてください。

2018年の冬、私は異性のパートナーとの離婚協議の真っ只中でした。生活費の使い込みや暴言など、経済的、精神的DVに耐えかねてマンスリーマンションに家出。当初は「とにかく離れたい」としか考えていなかったのですが、家出した後の解放感に「もう戻りたくない! 戻らない!」と決意。すぐに知人を頼って弁護士に依頼し、離婚に向かってひた走っていました。

今後の利便性やレンタル倉庫に預けてある荷物のことを考えると、ずっとマンスリーマンションに住むのは現実的ではありません。しかし当時の私には貯金もなく、次の住まいをどうしたものか、ネットで情報を集めていました。

そのときに目に留まったのが「プリンセススクゥエアー」。単身女性やシングルマザーのマンション購入を、積極的にサポートしている企業とのこと。こうした社会的に強くはない人たちを支えてきた企業なら、私の話を聞いてくれるかもしれない。とりあえず、相談だけでもしてみよう。そう思い、電話でアポイントを取りました。

約束した日時にオフィスを訪れると、座って仕事していた社員の皆さんが、一斉に立ってお辞儀をしてくれたことに驚きました。DVを受けていると「大切にしてもらっている」と感じる経験がとても少なくなります。自分が歓迎されていることに、まず胸がいっぱいになりました。

担当してくれたのは明るく快活な女性社員の方。私の現状をお話し、「アパートを借りるか頑張ってマンションを買うか、そこから迷っているんですが・・・」と伝えると、「それはそうですよ、離婚なんて人生の大イベントのひとつですから。でもやりたいことをやった方がいいですよ!」と、とてもポジティブな反応。はきはきと応えながらも共感してくれて、おしゃべりしていると心が温かくなるのがわかる、素敵な方でした。

その日は、会社に通いやすい場所で、価格も無理なく、などなどの条件をお伝えしました。するとすぐに条件に合ういくつかの物件をピックアップしてくれて、まずは見に行くことに。まだ離婚もできていないし、勤務歴から考えてローンも通らないかもしれない。とりあえず見るだけでもいいだろう。そんな思いで社用車の助手席に乗りました。

23区内の物件を回りながら、担当の方に感想をお話していきました。日中は出社しているから日当たりはあまり気にならないな。近所のスーパーは遅くまで開いているかな。ファミリータイプだと広すぎて掃除が行き届かないかも。

そんな話をしながら、ある瞬間、担当の方が言いました。

「もしかして、同性が好きとか、そういう感じですか?」

<バレた>と咄嗟に思いました。
<肯定したらどうなるんだろう>
<でもここまで勘付いている人にわざわざ否定するのも不自然かな>
<何より、自分に嘘をつくことになる>

言葉が出ない私に、担当の方はいつもの明るいトーンで言いました。「うちのお客様、そういう方も多いんですよ。同性同士で住みたいんだけど、とか、友達って紹介したけど実はパートナーです、とか。やっぱり抱えてるものを全部言えないと、自分の住みたい家に住めないじゃないですか。だから言ってもらえたら、じゃあどんな家がいいですか、ってご提案できるから、その方がお客様にとっても会社にとってもいいんですよね」

<ああ、言ってもいいんだ。言ったらサポートしてくれるんだ>

少し涙目になりながら、「はい、まあ、そういう感じです」と言うと、「ああ、聞いてよかった! じゃあ今の条件以外にどんな家がいいとかあります? 場所とかも他に希望があるかもしれないし。まあでも、今日は一応全部見て回りましょうか!」

拍子抜けするくらいの明るさ、理解力、何よりカミングアウトしていないのに、人の背後にあるものを見抜く洞察力と想像力。私がプリンセススクゥエアーを信じて頼ろうと決めた瞬間でした。

(後編へ続く)

Twitter:https://twitter.com/princesssq_lgbt
HP:https://www.lgbt-mansion.com/
お問い合わせフォーム:https://www.lgbt-mansion.com/request/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?