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続ドリーミング・オブ・フラワー30の後編

例えばお小遣い制の中年の旦那さんが〈ディスクユニオン〉で買い物をして帰宅した際に、アナログレコードをすぐに取り出し〈ディスクユニオン〉の買い物袋を隠す。こんな話を聞いたことがあるが、この続編は後ろめたさから書いているのではないからね。

もうひとつ聞いた話だと、もう何も欲しくないのに〈ディスクユニオン〉に来てしまうという人。これはもう癖というか中毒というか。

そう、何もレコード屋さん通いだけの話ではなくて、古本屋さんだっていいし、ブティックだっていいし。自分の好きなものが並ぶお店に通うというのは、時間や社会にとらわれず〜この行為こそが現代人に平等に与えられた〜と孤独のグルメから頂いたわけなんだけれども、癒しのはず。

そこで癒しとしての効果をちゃんといただくために、買い物の量と頻度を考えなければならない。と書くと、あれ?やっぱり後ろめたさがついてきてるナ。

ので、おれは思いついた、名付けよう、「ディスクパトロール」と。

自分の好きなお店へ買い物をしに行くのではなくパトロールしに行く。お店をぐるーっと回りながら「嗚呼、今日はこことこことここにこれとこれとこれが置いてある」という楽しみにするのである。そしてちゃんと覚えておけば帰宅して自分の部屋にいながらにしてお店の様子を思い出しながらぼーっと出来る。

買い物をしないと決めて、「嗚呼、これはちょっと高い!」とか「嗚呼、こんなに安く!」とか予算との相談によるハラハラドキドキをしなくてよい。すなわちより無心の状態に入ることが出来、癒しが訪れるはずである。

おいおいそれは冷やかしだぞ、という声もあるでしょう。しかしこの〈ディスクパトロール〉は自分の本当にほしいものを確認する行為であるからして、自宅で思い出してぼーっとしている時に「よし、明日はパトロールじゃなしに買い物ダ!」としたらよい。

他の誰かに買われてなかったらいいね。もし買われていてもがっかりしなくて大丈夫、あなたの審美眼は間違っていなかった。そしてまたパトロールの旅に出られるではないか。

「ウィンドウショッピング」という言葉があることを思い出したけど、こちらには衝動買いの可能性が残っている気がするからね、そうではなくてパトロール。

なんだか凄く冷静な楽しみのススメ。かえってクレイジーな気がしてきたヨ。

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