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チョンダラー100パー

 去年(2022)がぼくのエイサーデビューだった。


 2020年のウークイ(旧盆最終日)に、那覇空港に降り立ち、その足でユウコさんと、首里城に向かった。

 コロナ初期まっただなかの首里城は、クローズも早いはずなのに、旧盆の特別な夜だったからか灯りがついていて、閉館過ぎの時間にはいれて、展望台から町を眺めた。


2020年9月のウークイの首里城から



 いつもなら夜中や朝ちかくまで騒がしいらしいウークイの夜は、むしろいつもより静かで暗く、光もすくなく、静まりかえっていた。

 この後3年間しずかになることを知らない宇宙タイミングに、沖縄の地に住むことを選んだ運命の夜の、暗闇の光景は、いまでも鮮明で、忘れない。


 前年に、初めて見に行った首里城は、2日後燃えた。


燃える直前の首里城


 
 正殿の床下の旧首里城跡の基礎を覗けるところを通りかかると、バイブスがほとばしっているのを感じて、ずっとしばらく浴びていたくなって、動きたくなくなった。
 帰りの空港だったかで燃えるニュースを知ったときは、とてもインパクトとともに、床下からの体感がよみがえった。


床下の遺跡


 その後地元の人たちとお会いして首里城焼失の話しをしたときに、おおきな哀しみを感じている人と、なにか意味があって火によって洗い清められたと感じた人と、どちらもおられるのも印象的だった。

 ぼくはどちらかというと、起きること、目にすること、すべてに意味があると感じているので、深く必要なことが起きたのだなと感じた。

 2022年のエイサー復活は、あの世この世、すべての沖縄の魂が、龍や神々、そしてあらゆる生命とよろこびあい、躍動し、生きる心地をとりもどすように、なにもできなかった3年間を、大きな声で吹き飛ばすように、いっぱいの気合いと掛け声と三線で踊っているのが、肌への振動とともに、伝わってきた。



 この復活でしか味わえない、穢れをも愛するエネルギーのほとばしりを経験できた。

 読谷の出没情報をインスタでみつけて、思う存分堪能した。



 特にユウコさんは、すべての道ジュネーをみたいほど、大好きのようで、最初から最後まで、時には涙を流しながら、ひとつもとりこぼすまいという意気込みが身体からも、感想からも飛び出していた。

 読谷はとても素朴な青年たち中心だが、沖縄市などは、あきらかなヤンキーたち(偏見かも笑)を中心に激しく、普段のグルーヴよりもより一層息があいながら、町と町が交差しあったり、練り歩いているのを、ほんとうに愛おしく、鳥肌をとめられないくらい、コザの町を、夜中まで、道ジュネーして楽しんだ。

 ジュネーってフランス語みたいと、エイサーをよく知る地元のみんなとワイワイしつつ、休憩中に検索すると作家のジャン・ジュネとともに、ボーイズラブな雑誌が出てきたりして、みんなでキュンキュンしながら、次のエイサーまでの待ち時間を過ごしたりした。


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