見出し画像

秋分の旅

 はなうた書房に、ぼくの本が置いてあるというのは、たまにあった知り合いや友人たちから、聞いていた。
 ただ月一しか開かない本屋さんと知ったので、日々のなかで宇宙タイミングのフロウがあわないまま過ぎていった。

 ある日の夕方、ユウコさんの長いお友だちのチヒロちゃんから、緊急の電話で「車が故障して動けないから、スティールパンのLIVEに送ってくれない?」という連絡があって、ぼくも急遽誘われて、気分転換になりそうと、車に乗り込んだ。

 チヒロちゃんちに着くと、玄関の前に壊れた車があり、ピンポンしてもなかなか出てこず(ピンポンも壊れてた)ようやく気づいて、ドアが開き、ユウコさんが様子を聞くと、どうやら洗濯物を洗って、フトン巻きのジローに脱水乾燥しにいこうとしたら、車が動かなくて、あわてて連絡したらしく、いったん洗濯物を積んで、いっしょにフトン巻きのジローにいくことになった。

 フトン巻きのジローは沖縄発の、今や全国にある布団ごと洗える新しいコインランドリーだ。
 一度、掛け布団とか靴とかを洗いにきたことがあった。

 車に乗りこんですぐ、「あ!あのおばちゃん気をつけて、道の真ん中を歩くのが有名で」というので、ゆっくりせまっていくと、車が来ても一向に避けようとせず、ど真ん中を歩きつづけている。

 チヒロちゃんの娘(4才)は飴をもらったことがあるとポソっといった。
 子ども好きの側面もあるようだ。。。

 ゆっくり歩いてる後ろを、車で密着マークしていると、急に横の家のシャッターのなかに、急角度で消えていった。
 チヒロちゃんは「あれ?前は全然ちがう家に入ってったけどなあ」という。

 「2拠点かな」と言うと「こんな近くで」みたいな会話を、みんなでしながら、ジローに去った。

 ジローに無事つき、洗濯物をセットしていると、さっきのど真ん中を歩くおばちゃんが、自動ドアのところに、ワープして突然いる。「来たよ!」という間に、入ってきた。

 ユウコさんは、思わず娘ちゃんを抱えた。

 夢のような、ホラーのような(失礼!)コインランドリーを後にし、スティールパンのLIVEがある恩納村に、ようやく舵をとった。

 この時点で、恩納村に行くことしか聞いてなかったが、あらためてちゃんと聞くと、ハイアットリージェンシーに向かうという。

 どこかの小さなカフェだとおもっていたら、急にハイアットのナイトプールでDJとスティールパンのLIVEになり、フトン巻きのジローまでとのギャップで、なおさらドリーミーなフロウに展開した。

 ちひろちゃんと娘は、当初から泳ぐ気満々だったようで、水着をしっかり持ってきていたようだ。
 焦ってて言い忘れた、らしく、ぼくらはプールサイドでトロピカルフロウを過ごすことになった。


 

 ハイアットの駐車場から、レストランを通り、あらわれた海は、ちょうど夕日が美しく地球と調和する瞬間で、さきほどのホラーな夢から一変する、天上のロケーションかというほどの、エキゾチックな海と天空がひらいていた。

 どこまでも夢らしい、宇宙タイミングな振り幅だ。

 一生記憶にのこるはずの、痴呆になったとしても、ずっとおぼえてる自信のある海に、見惚れつづけた。


 しばらくうっとりして、目をふつうに開けられるくらい、夜が近づいてきた頃、何度かあったことのあるTHE BARCOXのLIVEであう人たちがいたので、ひさしぶりにおしゃべりを楽しんだ。


 何人かとしゃべっていると「はなうた書房で、プリちゃんの本みました!いい意味で変態でした!」と明日今帰仁に引越すという子に、ふいに言われた。

 うれしくなりつつ「はなうた書房」が、つよめにリフレインし、今月いってみようかな、と、その場でひらめき、今月はいつだろうと、Instagramをみたら、毎月23日らしい。


 秋分だと気づいて、生配信の予定もあるし、無理かもなとおもいつつ、午前中に行ってしまえばだいじょうぶかも、とおもいなおし、すぐスケジュールにいれた。

 プールサイドを散歩していると、ギマタカシさんともひさしぶりにあった。
 ぼくはこの日も終始、チヒロちゃんの娘と鬼ごっこをずっとしてたのだけれど、娘ちゃんが動こうとすると、鬼(ぼく)がずっといろんな方向から、遠目にあらわれるので、そばにいたタカシさんが避難場所になって、「プリちゃん交代しよ!」と娘ちゃんに言われても、ちょっとでも動くとあらわれる鬼に、うれしそうに笑い叫びながら無限に足止めをくうというのを、遊びたおした。

 MONGOL800は、そんなに聴いてこなかったけれど、ボーカルのキヨサクさんのお家がご近所で、ニイニのお家でもすこし会ったり、お家に1度、遊びにいったこともあって、なんとなく身近に感じだしている。
 「あいたくて」とか「小さな恋のうた」などの名曲は、カラオケでも歌ったことがあるし、いつ聴いてもいい。

 このプールサイドのタカシさんとの再会後YouTubeでまた、聴いてみると、やっぱりとってもいい。
 タカシさんが脱退してしまったのを惜しむコメントをみて、3人のグルーヴを、生で聴いてみたかったなとおもったり、ギターをあらためて聴いて、音のセンスが天性のものだなと感じた。

         ※この動画が好き

 

 朝、秋分を迎えて、起きると、ユウコさんたちはすでに那覇にむかったようだったので、ぼくは目を覚まして、今帰仁に車を走らせた。
 
 高速で名護までいったすぐに、今帰仁にワープする新しい速い道が開通していて、北部がどんどん身近になってきている。

ここから先は

4,000字 / 18画像

宇宙note

¥333 / 月 初月無料

宇宙マッサージというのを 13年してきています。 これまで 珍事のような体験や 目にみえない領域を どこまでもみつづけてみるような 人生…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?