【読書】ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学

●感想

雑学としておもしろかった。「へー」と思うポイントがたくさん。
生物としてサイズが小さいほどサイクルが短く、個体数も多いから突然変異の可能性が高くなるので環境の変化に対応しやすい。逆に大きい生物は近い将来の絶滅が運命づけられているとのこと。これからゾウとか見たときに悲しくなりそう。。
あと同じ餌の量からはサイズが小さいほうが総量が増えるらしい。効率を考えると昆虫食になるのかな??なんかで食べ物が手に入らなくなって昆虫食がメインにならないことを祈る。
そしてこの本には出てこないが、ウィルスはなんで存在するんだろうって思った。

●アクション

ウィルスの存在理由を調べる。

●気になったポイント

時間は体重の1/4乗に比例する。
寿命、成長の早さに関係してくる。
時間の繰り返し速度が体重によって変わる。
大きいものほど長い。
寿命を心臓の鼓動時間で割る。哺乳類ならサイズによやず、一生の間に心臓は20億回打つ。
2
サイズが大きいほど体積あたりの表面積が小さくなる。サイズが大きいほど環境の急激な変化に耐えることができる。
体積あたりではサイズが大きいほど恒温性を保つのに必要なエネルギーが少なくて済む。
大きいほど食事にあてる時間は少なくて済み、時間の余裕がある。
大きいほど良さそうが本当にそうだろうか?
小さいほど1世代の時間が短く、個体数も多いので突然変異の確率が高い。環境変化に弱いので淘汰の可能性も高くなる。
恒温性もベストではない。休んでいる時まで温度が高いとエネルギーの消費が大きい。小さいものは省エネできる。
島に隔離されると、サイズの大きいものは小さくなり、小さいものは大きくなる。捕食者がいなくなるから。
大きい動物は突然変異の可能性を犠牲にしている。ゾウの仲間はインドゾウとアフリカゾウのみで、絶滅に向かっている。クジラ含め、近い将来の絶滅が運命づけられている。
島の規則は人間にも当てはまりそう。島国の日本、大陸のアメリカ。アメリカのほうがやることのスケールがでかい。
3
代謝量は体重の3/4乗に比例する。体重が倍になっても代謝量は倍にならない。
単細胞生物から変温動物、そして恒温動物へは10倍づつエネルギー消費が増えた。
人間の食料消費量は標準代謝量の倍。石油などのエネルギーを含めると63倍。
2200ワットはゾウと同じ。
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10トンの干し草。500キロの雄牛2頭。2キロのウサギ500匹。サイズに関係無く、0.2トンの肉ができ、6トンの糞ができる。食べる時間は変わるウサギは3ヶ月、雄牛は14ヶ月。時間は体重の1/4乗に比例して長くなる。
1グラムのイナゴ100万匹。9ヶ月で食い尽くす時には新しいイナゴ200万匹と6トンの糞。
早く肉を増やしたければ小さい動物が良い。変温動物なら恒温動物の10倍増える。牛肉はとても贅沢。
日本の人口密度ほどで住んでいる動物サイズは140グラムほど。ネズミ小屋。
人の行動範囲は半径2キロほど。行動範囲は一回出歩いて帰ってくるとちょうど腹いっぱい餌が食える大きさ。哺乳類は食べる時以外ウロウロしないのが普通。
5
サイズが小さいほど運搬コストが小さい。地上を走るより空を飛ぶほうがコストが安い。泳ぐコストはずっと小さい。浮力により重力に対しての仕事が不要。水面を泳ぐのコストが高い。
6
生物界には車輪が無い。小さいバクテリアは毛の生えた車輪を回転させて泳いでいたが。
車輪はヒトのような大きい生き物が舗装道路を作って始めて使い物になる。
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呼吸系も循環系も持たない動物は球形の場合、半径1ミリ以上のサイズになることはできない。大きくなるなら厚さはその範囲で横に広がればよい。
循環系があれば1.3センチ。世界最大のミミズがその大きさ。
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100グラムまでの動物ならどんな高いところから飛び降りても大丈夫。1トンまでなら飛ぶように駆けても骨は折れない。ゾウを解剖して骨を調べると、過去に骨折して治った痕がかなりの頻度で見つかる。
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ゾウもネズミも細胞の大きさに差はない。
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100万種の動物のうち70%が昆虫。
草を食べるのは幼虫の時代。飛ぶようになったら効率の悪い草は食べない。蜜や樹液を吸う。
陸上の動物で生きた植物のセルロースを自力で消化できるものはいない。
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サンゴは小さな単細胞の植物を大量に共生させている。その共生藻が光合成で作り出した食べ物をサンゴが食べる。サンゴは歩き回る必要なく、日向ぼっこをしているだけで食べ物が手に入る。
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