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高尾歳時記 2023年8月13日(日)

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天気:晴れ時々曇り
気温:28.0℃(高尾山山頂 12:00)
人出:小ない
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高尾山に秋の訪れを知らせる花、ツリガネニンジンが開花しました。

ツリガネニンジン。雨露に濡れた姿。

秋とは気が早いと思われるかもしれませんが、去る8月8日は二十四節気の立秋。こよみの上では夏が終わり、秋を迎えました。

体感では夏が終わったとは全く思えませんし、年々季節が後ろ倒しになってきている感じもします。ですが、山の植物は季節の移り変わりには結構暦(太陽暦)に従順で、もちろん年により早め遅めはあるものの、一ヶ月もたがうことはありません。せいぜい一二週間ほど。今年の春はスミレの開花が早かったのですが、早かったとはいえ例年より一週間程度です。でも、これが一ヶ月とかになってしまったら、本格的に何かがおかしくなってきているということになるのでしょうね。

ツリガネニンジンは秋の花。個体数は比較的多い。

ツリガネニンジンは、早咲きの個体が今ぐらいから咲き出して、10月ぐらいまで観察することができます。その可愛い花を見にぜひお越しください。

本日は早朝にまとまった雨が降りました。午後も本降りになる予報でしたが、午前中はなんとか持ちそうだったので行ってきました。予想通り、午前中は晴れ時々曇りで山行中は雨は降らず、下山後パラパラと降り出して、すぐ本降りになりました。早朝の雨による打ち水効果で気温はすこし落ち着きましたが、湿度が高く流れる汗を拭いながらの山行になりました。

昨日も高尾周辺の山を登ってきたのですが、合わせて写真を載せます。

ユウガギクも秋の花。高尾ではごくありふれた花です。ユウガギクの花を見ると秋の足音が聞こえてくるような気がします。
ツユクサも秋の花。本日あちこちで見かけました。
稲垣栄洋静岡大学教授著「面白すぎて時間を忘れる 雑草のふしぎ」(三笠書房)によると、植物がさまざまな昆虫の力を借りて花粉を運んでもらうことは知られているが、このツユクサはアブを利用する。アブは美味しい花粉を食べたいが、黄色い花粉と補色関係にあるのは青色である。ツユクサは青い花をつけることで黄色い雄蕊を目立たせ、アブはそれを目指して飛来する。ところが、この雄蕊はダミーである。この美味しそうな偽物の雄蕊には花粉がない。実は、本物の雄蕊は花の下にぶら下がっていて、色も地味で雄蕊に見えない。獲物が偽物であることに気づいたアブが花の奥の方で花粉を探し始めると、本物の雄蕊にある花粉がちょうどアブのお腹やお尻につく設計になっている、ということなのだそうです。
クズの花も秋の花。ふもとや山中含めてあちこちで見かけます。
クズは根から取るでんぷんが葛粉の原料になるなど、日本人にとっては古来から身近な植物。その旺盛な繁殖力は、このように電柱を、かかしに半纏を着せた姿のようにしてしまいます。
ただし地上部は寒さに弱く、日本の気候だと冬に必ず全部枯れ朽ちて、毎年リセットされることから繁殖におのずとブレーキがかかります。
このクズ、園芸用に日本からアメリカに持ち込まれたのですが、アメリカの温暖な地域では冬でも枯れず繁殖し放題になってしまい、当地の環境や生態系に対する深刻な脅威となっているそう。危険外来生物として駆除の対象になっているのだとか。
ここ数年日本全国規模でナラ枯れの被害が拡大していますが、今年は高尾でもあちこちで被害を受けた木を見かけるようになっています。特にコナラやミズナラの木が多くやられていて、このように、樹齢数十年規模の大木がほんの数ヶ月で突如立ち枯れる現象が観察されています。高尾山山頂の見晴台でも、ミズナラの木が立ち枯れてしまっています。林野庁のHPによると、被害は拡大傾向のようです。


この時期になると、まだ青い毬栗いがぐりが地面に落ちているのをよく見かけます。上を見上げても栗の木が見当たらず、いつも不思議な気持ちになります。どこからきたんでしょうか。
高尾の夏の花の代表選手のひとり、キツネノカミソリ。真っ盛りです。
一気に咲いて、儚く終わるのが特徴です。
こちらも夏の花、フジカンゾウ。あちこちで見かけました。
これは秋の花。マツカゼソウ。沢沿いの涼しい環境でよく見かけるのですが、高尾陣馬主稜線のような尾根道でも見かけます。
夏の花、ヘクソカズラ。ふもと山中さまざまなところで見かけます。
暦は立秋を過ぎましたが、夏山シーズン真っ盛りです。蛇滝コースにて。
涼しげな日陰沢の流れ。
パンパンに膨らんだタマアジサイの蕾。夏の花です。
タマアジサイは次々に開花しています。開花直後は、膨らんだ蕾がパーンとはじけたようなフォルムで、動いているわけではないのですがまるで動きが見えるようです。
これは秋の花。ヤブラン。これからあちこちで見られるようになります。
これも秋の花。キツネノマゴ。ちょっとフライング気味ですね。
ウバユリは夏の花。この花も一気に咲いて、一気に儚く終わります。
ゲンノショウコ。秋の花です。次々に開花しています。高尾ではごくごくありふれた、あちこちで観察できる花です。
イヌトウバナは夏の花。沢沿いなどの涼しいところで見かけます。
ヤマノイモの花。ヤマノイモの根はいわゆる自然薯じねんじょ。擦ると粘り気の強いとろろになります。秋になると地上部にはムカゴがたくさんついて、子供の頃これを砂糖醤油で炒ってよくおやつにしていました。
アケビの実。高尾周辺では里山でも多く見かけます。熟すと表皮が淡い紫色になり、実が割れて、黒い種がつぶつぶ入った白いバナナのようなねっとりした果実が姿を表します。子供の頃、よくおやつにしていたことを思い出します。
ミゾホオズキ。夏の花です。名前は実がホオズキに似ていることから。個体数は少なく、見つけたらラッキーです。
ツヅラフジが実をつけ始めています。熟すとブドウのような濃紺に色づきます。
これはシュウカイドウの花。若干フライングです。シュウカイドウは蛇滝の群生がよく知られていますが、まだまだ先です。これは、ふもとに近い前沢川(前ノ沢、琵琶滝川)沿いの民家前の個体。
今日は午前中空模様はまあまあでしたが、遠景は望めませんでした。こちらは昨日の写真から。霞台より、横浜方面。
こちらも昨日の写真。高尾山山頂から富士山方面。富士山は雲の向こうでした。
こちらも昨日の写真。丹沢主脈も雲がかかっています。ですが、まさに夏空。子どものころ夏休みの時に見上げた空がありました。


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