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だんごむしのともだち/佐竹洋明さん

2023年3月10日&17日放送

 今回のお客様は、香美市物部町で農業に取り組んでいる佐竹洋明さん!
自然や生きものと共生する気持ちで有機農業を行い、自分も環境を構成する一要素との考えから【だんごむしのともだち】を名乗っています。

■ 佐竹洋明さん
南国市出身。飲食関係の仕事をする中で食材に興味を持つようになり、有機栽培について勉強して南国市で就農。2021年には香美市物部町に移住して、野菜づくりの傍ら、収穫体験のイベントなども企画しています。2023年からは林業にも関わるようになり、小規模林業チームの一員として“山の再生”にも取り組んでいます。


〔 番組収録風景 〕

▶ 有機農業にチャレンジ!

 子どもの頃は祖父の家の畑でサツマイモを掘ったり、ダイコンを収穫したりしていた佐竹さん。自然が大好きな少年で、通学路にキレイな石があれば持ち帰ったり、遠足で山に行けば小さな苗木を掘り取って家の庭に植えたりしていたそうです。

 学校卒業後、飲食関係の仕事をする中で食材に興味を持つようになり、「自分でつくった野菜を使って料理をつくり、誰かに食べさせたい!」という想いから農業を学ぼうと思い立ちます。

 その後、書店で山下一穂さんの本に出会い、高知でも有機農法を実践している人がいることに感銘を受けて、山下さんが塾長を務めていた「有機のがっこう・土佐自然塾」で1年間研修を受けます。ここが佐竹さんの原点になったんですね。

 研修終了後、いよいよ農業に取り組み始めた佐竹さん。就農にあたっては「有機のがっこう」の先輩から南国市の畑を紹介していただき、ナスやオクラ、米などを栽培しますが、作物が実る前に自己資金が尽きてしまい、近隣農家さんのアルバイトをしながら何とか生活していたそうです。ただ、このアルバイトを通じて学んだことがその後の農作業にもとても役に立ったんだとか。学ばせてもらいつつ、お金も稼げて、本当に良い体験をしましたね。

〔 自然と調和した佐竹さんの畑 〕

▶ 香美市物部町へ引っ越し♪

 2021年には南国市から香美市物部町へと引っ越した佐竹さん。
物件はご自身が出店している高知市池のオーガニックマーケットの仲間から紹介されたそうで、もともと「将来は山暮らしがしたいね」と話していた佐竹夫妻にとってはまさに“渡りに船”の希望どおりの場所だったそうです。

 現在は物部の山あいでユズを栽培し、ユズの実を販売しているほか、ユズを搾った原液、オリジナルのユズ胡椒なども販売しています。この地域でユズを栽培されている方は皆さんユズ搾り機を持っているそうで、佐竹さんもご近所さんから借りてユズを搾っているそうです。

〔 昔ながらの機械でユズを搾ってます♪ 〕

 また、引き続き南国市の畑も借りていて、こちらではサツマイモや韓国唐辛子などを栽培しているそうですよ。

 佐竹さんは「野菜だけでなく、土も、そこに棲んでいる生きものも、みんなで育って行けるような畑を作っていきたい。それぞれの役割を活かしながら循環していくような農業を目指したい!」と考えています。

 例えば … 耕さない畑=不耕起畑での栽培。
昔から畑は耕すものと考えられていますが、畑を耕して土をひっくり返してしまうと土壌水分が蒸発してしまい、土壌が劣化して砂漠化を促すという考えもあります。不耕起栽培は畑を耕す作業を省略できるだけでなく、土壌環境の保持・改善や、逞しく強い作物の育生、また自然や生きものとの共生というメリットもある栽培方法と言えます。

〔 収穫した野菜は、やさい便としてお届け 〕

 佐竹さんが栽培している野菜やユズは高知市池で毎週土曜日に開催されている「オーガニックマーケット」を中心に販売しています。会場では季節のおにぎりや、ふかし芋、米粉で作ったお菓子などの加工品も販売。オーガニックな自然の恵みを是非お召し上がりください。

 またSNSなどを通じて注文すれば「おやさい便」としても発送しています。最近はユズにかかりっきりでなかなか野菜の収穫ができていないそうですが、ある程度のものが揃えばインスタグラムなどでお知らせしています。詳しくは、しきくさ Instagram でチェックしてみてください!

▶ 貸農園もやってます!

 佐竹さんは、南国市で貸農園も行っています。
農園の名前は「クラインガルテンしきくさ畑」!

 小さなお子さんがいる子育て世代の方や、定年退職されたシニアの方など幅広い年代の方が利用されています。また利用者を対象に定期的な「畑のやさい教室」も開催!草を使った環境にやさしい栽培法など、佐竹さんが実践していることを教えています。
畑仕事に興味があるという方!まずは貸農園から始めてみませんか?

〔 太陽の光を浴びて作業に汗する自然の営み 〕

▶ 各種体験イベントも企画!

 佐竹さんは「お芋掘り」や「お山で柚子収穫」など一般の方が気軽に参加できる体験型イベントも企画・開催しています。

 3月19日(日曜日)には【ものべのお山で、はるのさんぽ会】と題したイベントを開催!好評だった昨年に続く開催で、内容は…①野草を見つけて摘む、②山からお水を汲んできて野草茶を淹れる、③積んだ野草でお昼ご飯を作る、の3本立て!おさんぽ隊長のちえさんが春の山を案内してくれます。興味のある方は是非ご参加ください♪

【ものべのお山で、はるのさんぽ会】
■ 日 時:2023年3月19日(日曜日)9:30~15:00頃(自由解散)
■ 場 所:香美市物部町大西
■ 定 員:10名程度
■ 参加費:3,300円(お子さんは無料)
■ お申込:https://shikikusa.stores.jp からどうぞ

〔 摘んだ野草を使ってお昼ごはん 〕

▶ 山の再生にも取り組む

 2021年に香美市物部町へ移住した佐竹さん。山の生態系や植林にも興味を持つようになり、荒れてしまった山の環境を再生していきたいという思いから小規模林業チームにも参加するようになりました。

 昭和30年代にはスギやヒノキの植林が盛んに行われた物部の山。それから60年ほどが経ち、今まさに伐採する時期が来ています。しかし植林後の手入れが間に合っていなかったことから、たくさんの木と枝、葉に遮られて地表に日光が届かず、植物が生えづらい状況になっています。これにより山の生態系も単調になり生きものや微生物の多様性が失われつつあります。

 多様な植物があることでその落ち葉に昆虫や微生物が集まり、雨などによって水が流れることで山の養分が川を伝って海に流れ込む ─。今はその循環の力が弱まっています。

 佐竹さんが参加している小規模林業チームでは山の中に軽トラックが通れる程度の細い道を付け、その道を使って間引きした木を運び出す取り組みを行っています。林業専任ではなく、いわゆる副業型で良いので、ひとりひとりの力で少しずつ山を整備していく。一つ一つは小さな力でもその力が集まれば山の再生という大きな目標に近づくことができます。
全国一の森林県である高知県から新たな取り組みが始まっています。

▶ 今後の夢は?

 飲食関係の仕事をする中で食材に興味を持つようになり、有機栽培を勉強して農業を開始!今では香美市物部町の山あいで自然と共に生きる生活をしている佐竹さん。ここまでの歩みにはいろんな方の出会いや導きがあったと思いますが、佐竹さんご自身が確固たる信念を持っていたことで、目指す理想の姿にどんどん近づいているような気がします。


 最後に佐竹さんの夢を伺いました!

■ 動物、虫、自然と共生していく社会にしていきたい!
■ 環境汚染のない仕組みを考えていきたい!
■ 生かされる感謝を忘れない人間になりたい!



 奥様とワンちゃん、猫ちゃんと共に充実した日々を送っている佐竹さん。雄大な自然に囲まれた人間本来の暮らしの中から、本当に大切なものが見えてくるのかもしれませんね。これからも様々な活動をとおして、自然の大切さを多くの方に伝えていってください♪

【 放送プレイバック 】📻✨
★ 3月10日(金)放送 ⇒ コチラ から!
★ 3月17日(金)放送 ⇒ 
コチラ から!

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